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天使と鬼

足が竦む。目の前にいる邪悪な生き物。それはゴブリンの比ではないほどの悪を具現化していた。

ゴブリンは生きる為に敵を殺すのに比べこいつは敵を殺す為に生きているような、そんな雰囲気が一目見ただけで伝わってにてしまう。

俺は恐怖で声も出せなかった。

悪魔が1歩踏み出す。

震える足を無理やり抑えて俺は後ろに下がろうとしたが足がもつれて尻もちをを着いてしまった。

やばいと思ったより先に悪魔が遅いかかる。

耀「うわぁぁあ!」

死を覚悟した俺は目を瞑り咄嗟に手で頭を覆う。

どのくらい時間がたっただろう、5秒?10秒?体感ではその何十倍も過ぎた感覚がする。

どこも痛くない?死んでない?

俺はゆっくりと目を開ける。

目の前には体に弓が刺さりのたうち回っている悪魔がいた。

悪魔の呻き声が聞こえる。

何がどうなった?わからない。助かった?

思考が現実に追いつかずパニックになる。

そこに現実へ連れ戻す声がかかった。

?「大丈夫?」

後ろを振り向く。

そこには弓を構えた天使がいた。

失礼、正確には天使ではないが天使のように美しい女性がいた。

白くて長い髪。透き通った声。中高生だろうか?制服を着ている。

耀「あぁ、えぇっと、その助けてくれてありがとうございます…」

めちゃくちゃどもってしまった。顔が赤くなる。情けない、こっちはもうすぐ30が見えてくるおっさん予備軍だぞ。

?「前を見て!」

声に反応して前を向く。

まだ息があるのか悪魔がこっちに向かってきていた。

俺はさっきの弓を期待して後ろを向く。

?「ごめんなさい、弓もうないの…」

耀「まじ?」

?「まじよ」

なんでそんなに冷静なんだよ!心の中で突っ込むが当然誰にも聞こえない。

幸いにも最初の弓が致命傷だったのだろうか悪魔は動きは鈍く歩くのがやっとのようだ。

ここまで死にかけていれば先程と比べると怖さがあまりない。

俺は尻もちをついていた体制からおきあがる。

殺されかけたんだ、このくらいは許されるだろうと思い足元にある石を拾って全力で投げつけた。

石は悪魔の頭にクリーンヒット。悪魔は動かなくなった。

耀「おおう…」

やったのか?ピコン!という音が頭に鳴り響く。突然のことに頭を襲える…

?「大丈夫?」

耀「あぁ大丈夫です」

?「そう、早く安全な場所に行きましょう。あなた家はどこ?」

耀「そういえば、迷子だったんだ…はるか荘って場所わかります?」

?「この歳になって迷子?まあいいわ、それなら私と同じね、着いてきて。」

歩き出す彼女についていく。

彼女も同じ場所に住んでるのか、でもあそこは確か悪魔の被害で…

余計な詮索をするのは良くないだろうとここで思考を止める。

耀「俺、耀っていいます。火浦耀です。さっきはほんとにありがとうございました。今日からはるか荘にお世話になることになりました。よろしくお願いします。」

?「そう、今日からなのね、なら迷子も仕方ないのかしら。私は澪、白澤澪よ。」

軽い自己紹介が終わり少し歩くとはるか荘に着いた。

澪「では私は上の階だから、ここで失礼するわね。」

白澤さんは3階に住んでいるようで2階についた時にお別れになった。

1人になるとさっきの恐怖がまた蘇ってくる。

俺は思い足取りで部屋前まで戻った。

あれ電気ついてる、消し忘れたのかな…

そう思いつつ鍵を開ける。

目の前には額に筋を浮かべ明らかに怒っている様子の緒方さんがいた。

俺はこの日鬼にもあった…


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