第59話「元王子で異世界転生してきた現役JDホステスとか属性盛り過ぎじゃね?」
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――――Side 由梨花
時間は遡ること三時間前、私は新学期の講義がダルいと思いながらサークルの溜まり場から教場へと向かっていた。夏は無理でも冬はコミセに出ようと言うサークルメンバーと話し合ったり、家でのゴタゴタなど考える事が山積みだ。
(この講義は知り合い誰も居ないからなぁ……隅っこで時間過ぎるの待ってよ……あ、そう言えばラノベの新刊買ったんだ。悪役令嬢転生もの!! 講義中読んでてもバレないでしょ)
そんなダメな大学生のサボり方を考えていたら隣の席にスッと座る気配がした。周囲がザワついているから盗み見てみると目に入るのは金色、最近は家でも同居人が一人居るから見慣れたけど、それでも美しいブロンドだと感じた。
「初めまして、角倉慧花と申します。お隣失礼しますね?」
それだけ言うとスッとパーソナルスペースに入ってくるのは手慣れていて驚いた。慣れていると感じながらも次に出て来たのは疑問で今の私は前と違って頭も黒く戻っている地味なオタサー所属の陰キャだ。そんな私に何の用なのか?
「は、はぁ……ども……えっと」
「とてもいい香りのする貴女のお名前を教えて頂いても?」
なんだなんだ、この女……まさか、また陽キャか!? 長いブロンドを揺らしながら私を見て来る女に、どもりながらも目を背けようとしたけど目が離せなかった。そして目の前の美女は女を口説くように私に名前を聞いてくる。少し気が抜けて頭がトロンとした瞬間、いきなりバチッと何かが弾けた。
「きゃっ!? えっ?」
「くっ!? へえ……彼の香りがすると思ったら、大当たり……私の魔法が弾かれるこのスキルの波動、懐かしい……」
(ちょっ、今コイツ、魔法にスキルって……まさか、また四天王とかそう言う系の奴なの!? 快利に、すぐに快利に連絡しなきゃ!!)
私はすぐにスマホで連絡しようとカバンを漁るが、その手をやんわりと掴まれる。どうしようか考えるが快利のスキルが発動しないのが気になった。さっきは発動したのに今は発動しない、敵意が無いのかと思っているとまるで私の内心を見透かしたように答えたのは目の前の女だった。
「大丈夫ですよお嬢さん? 私は彼に仇なす者ではありません。良ければ講義終わりに昼食を一緒にいかが?」
「べっ、別に私は――――「向こうの世界でのカイリの武勇伝は聞きたくないかしら? 私なら詳しくお話できますよ?」
快利の過去、あの子が少しづつ話してくれるようになった過去、でもそれは地獄のような過去で私達とは別のベクトルでの悪夢。それでもあの子は私や妹の絵梨花を救ってくれた。私だけに限って言えば嫌な姉だったのにも関わらずだ。しかも助けてくれた理由が幼い頃に唯一作り方を覚えたカレーを作って一緒に食べた、ただそれだけの事なのに、大事な恩だと快利は言った。
だから私もあの子を知りたかった。そして可能なら恩返しをしたい。それからなら、この図々しい恋心にも少しは前向きになれると思っていた。そして私は目の前の女の誘惑に勝てずに頷くと教場を出て学食へと向かう準備をしていた。
◇
目の前の状況がさっぱり分からない。一つ分かっているのはユリ姉さんが自称『普通の女子大生』と一緒に居ると言う事実だけ。だがそれは有り得ない。俺の協力が無い限り防いだ穴から、こちらの世界に対しての時空魔術や因果律操作魔法を使用してのゲート解放からの侵入は不可能だからだ。
「つまり、お前がこの場に居るなんて有り得ないんだ……それともお前は偽物か?」
「酷いなぁ、カイリ。君のために向こうで死んで、文字通り転生までした私を偽物扱いは無いだろ? こんなにも君を……愛しているのに!!」
転生した? ガイドに素早く無限書庫を展開するように言うと俺はある記憶を呼び戻しながら、奴がこの世界に存在するカラクリを理解した。
「快利兄さん?」
「快利? あれは本物の殿下なのですか?」
モニカとセリカが動揺して俺に助けを求めるように答えを聞きに傍に寄る。やはり二人も奴の魔力と神力で本物と悟って混乱しているようだ。
「死んで転生、まさかケニー、お前……禁術を使ったのか!? 転生魔法を!!」
「その通り、セリーナに協力してもらってね? ただ快利、ここじゃあ少し目立つし、どこか目立たない場所で話さないかな?」
俺は今更ながら校門前でケニー、いや角倉慧花と話すのに夢中で下校途中の学生に注目されているのに気付くのが遅れていた。
「あれって、もしかして噂のハーレム陰キャ?」
「なんか女子大生って聞こえた……」
「秋山先輩や風美さん、それに他にも女の子侍らせてるんでしょ?」
これは本当にマズイ事態になった。仕方ないので俺は奴の提案に頷いて仕方なく家に帰る事になった。ケニー、いや慧花はそのまま助手席にユリ姉さんを乗せて先に出た。一方の俺達七人は路地裏に入ると家に転移した。
◇
家に戻ってから考える間も無くインターフォンが鳴ったので玄関に行くと真っ先に入って来たユリ姉さんを抱き寄せてケニー、いや今は慧花を睨んだ。
「ふふっ、情熱的な眼差しだ……その目、ゾクゾクするよ……それにしても羨ましいなユリカは……快利に抱きしめられて」
「ユリ姉さん大丈夫? 変な事されなかった?」
「うん……快利のスキルが発動して守ってくれたから……」
スキルが発動した? じゃあ何でガイドが俺に連絡寄こさなかったんだよ!! 俺が脳内で悪態をついたタイミングでガイドがすかさず弁明した。
『申し訳有りません。勇者カイリ。神刀を使用した際に私自身が何らかのバグによりエラーが発生していました。申し訳ありません……今指摘されるまでエラー箇所に気付けませんでした』
(なんだそれ!? しっかりしてくれよ!!)
『私も色々と手一杯なんですよ。勇者のお守りも疲れるのです……ちっ』
何かいつも以上に辛辣になってるし、やはり無理させてるのだろうか? 自覚は有るからメンテナンスはしっかりして欲しいと言うと問題無いと返事が帰って来た。
「快利、そろそろ離して……それにケイは思ったより悪い子じゃないと思うけど?」
「それがコイツの手なんだ!! とにかく二人ともリビングで続きは話そう」
姉さんと一応は慧花も連れてリビングに戻ると待機していた六人はいずれも困惑しているのに当の慧花は余裕綽々だ。その態度で思い出すのは異世界での日々だった。
◇
このケニーことケーニッヒとの出会いは悪く無かった。この時点で悪かったのは、俺の方で出会ってすぐの時には美人なお姉様にしか見えなかったのだ。しかも男にしてはそこそこ声も高く、完全に女性だと思い込んで男だとは思わなかった。
「王子!? お、男だったのか!?」
「ああ、言わなかったか? しかし私はどちらでも構わないよカイリ? この短期間で僕と同じくらいの強さになるなんて惚れ惚れする」
それが始まりで、当初は魔王との戦いはケニーも一緒に行くと聞かなかったが王にも俺に止められ納得出来なかった奴は俺と一騎討ちとなった。その戦いに俺はなんとか勝利し魔王討伐の旅に出たが、その戦いの際に俺が好きになったらしい。
「快利!! 君の唯一無二の想い人が今日も会いに来たよ!!」
「おい、また勘違いされるからやめてくれっ!!」
そして貴族戦争では行動を共にし、旅の仲間ともはぐれた俺達は二人だけで反乱貴族の一人を始末した。その時には俺の方が背も高くなっていて巷ではカップルに間違われたりもした。実際、身分を偽る時は夫婦と言って切り抜けた時も有った。
「新婚に見えたらしいね? やはり僕らはベストカップルのようだ」
「はいはい。明日も早いからさっさと寝るからな!!」
この辺りから俺は一部界隈では男色の気が有ると勘違いされて、あの世界では女性に親切だけど決して手は出さないのは男色家だからと言われる始末で唯一、俺がそうじゃないと知っていたのは王家の人間以外はモニカとセリカくらいで調子に乗った奴は俺の部屋に入り浸ったり、男同士なのだからと言って一緒に風呂に入ろうとか言い出して最後は俺は貞操を奪われそうになっていた。
「愛し合う二人に性別は関係無いのさ~!!」
「愛し合ってねえ!! それに俺には性別は関係あんだよ!! 教会に言うぞ!!」
あちらの世界の教会は同性愛は罪で教義に反する悪しきものと教えていた。俺はそれを盾にする事で生き残っていたのだが、それも俺が因果律操作魔法を覚える直前にはだいぶ教会も揺れていて負けそうになっていた。本当に色んな意味でギリギリに脱出したんだよなぁ……俺。
◇
そんな事を思い出していると奴はモニカが淹れたお茶を飲みながら、ふぅと息を吐くと喋り出した。
「モニカ、相変わらず君の淹れたお茶は美味しいね。カイリには君とセットで私のところに来て欲しかったものさ……それにしても、やはり君も、そしてセリカ嬢も死んで無かった、羨ましい限りだよ」
「「うっ……」」
「おい、ヤメロ!! 二人はっ――――「どうせ君が行き場の無くなった二人の死を偽装でもするためにセリーナと取引したのだろう? 二人は新七大貴族の一つに輿入れと言う名の身請けが決まっていたからね……逃げて当然だ」
二人を返さなくて本気で良かったと思えたと同時にやはり体のいい奴隷にするつもりだったのかと、あの世界にまた一つ落胆した。
「分かってるなら二人を責めるなよ」
「別に責めていないさ。そして君も勘違いしているようだけど、ここは異世界、いやカイリにとっては現実世界かな? とにかく元の世界など関係無いのだから気にする必要など無いのだよ?」
こいつ一応はその世界で一番デカイ国の王子様だったんだけどな……そんな事を思っているとケニーは、いや慧花は俺を見つめた。顔は本当にきれいだからドキドキすんだよコイツ……なんて思っていたらニコリと笑って来て顔が熱くなる。
「さてカイリ、君もそろそろ理解してくれたかな? 私はこの世界で女性に転生した!! つまり、もう僕たち、いいや私達を遮るものは何も無い!!」
「色々有るわ!! いきなり女になりましたって言われて納得なんてっ――――」
俺が言い終わる前に奴は立ち上がり俺の手を掴むと次の瞬間、俺の手の中にムニュムニュと柔らかい感触が……あ、これは大きいです。そして俺の思考を肯定するように慧花は言った。
「ふぅ、快利? どうだ私の胸は? こちらの世界ではGカップと言うらしいぞ?」
「あっ、最高です……はっ!?」
次の瞬間、室内では怒号と悲鳴が響き渡った。そして俺の右手は極上な揉み心地で天にも昇るような歓喜に震えて、取り合えず揉んでいた。
「カイ!! うっ、浮気!! 浮気だよ!! でも今なら私の方を揉めばセーフだよ!! サイズは落ちるけど専用だよ!!」
「そ、そっ、そうだぞ!! そして私はその女と同じカップ数だ!! 遠慮はいらないぞ!! 快利!!」
「くっ、オッパイお化け共が騒ぎ出しましたわね……それにしてもケニー王子、まさか巨乳になって戻って来るとは……卑怯な……唯一の性別という弱点を死んで克服するなんて……」
「それよりも、あれは快利兄さんが見た事無い程のスケベ顔……やはり巨乳好きでしたか……あんな脂肪の塊に負けるとは……ぐぬぬ」
秋山家にリビングで多数が絶望し、そして二名は蚊帳の外でポカーンとしていた中で冷静な人間が一人だけいた。それは意外な人物で俺の手を天国から引き離すと次の瞬間、俺は懐かしい匂いに包まれた。
「慧花、話が違う。いきなりうちの弟に胸揉ませるなんて、聞いてないから」
「ふがっ!! ねぇふぁん、ふぁなひてぇ~!!」
今度は右手じゃなくて顔面から体全体が至福の空間に包まれる。柔らかい、そして良い匂いがする……ユリ姉さんの匂いだぁ……。なんか俺、幼児退行してない?
「ユリ姉ぇ!! 快利が一瞬で無力化されるとは……さすがだ」
「くっ、Iカップは伊達じゃないわね!! こうなったらRUKAモードで!!」
「二人とも落ち着いて……快利も少し落ち着いた? 放すからね?」
しかし俺の脳内は未だに幼年期に逆戻りしていた。高校生に戻るのを拒否して胸に顔を埋めるのに必死だった。
「や~だ~、ユリ姉ぇさんのオッパイ~」
「可愛い……じゃなくて、甘えない!! ほら……落ち着いた?」
「はっ!? 余りの心地良さに幼児退行してた……ごめんユリ姉さん……」
何とか落ち着くと俺は右手の感触を思い出して改めて慧花になった元王子を見る。すると横にいたユリ姉さんがハンカチでサッと俺の鼻を拭ってくれた。しっかりと鼻血が出ていたらしい。
「ふふっ、私で欲情してくれたのは初めてだね。嬉しいよカイリ」
「違うやい!! ユリ姉さんの胸でエロい気分になったんだ!!」
「ちょっ、堂々と言わないっ!!」
その後めちゃくちゃになった現場を落ち着かせたのは蚊帳の外の二人、生徒会所属の黒幕会長と百合賀先輩だった。
「やっと落ち着いたか、それにしても王国の王子がこんなのだったとは……それにこの魔力、お前が高校の近くにいた三人目の不審者だったのか……」
「「「「ええっ!!」」」」
高校生組の驚きの声が広がる。確かに今まで三人の不審者が捕まったが魔力持ちは居なかった。つまり不審者は三人では無くて三組だったのだ。
「それは私のセリフさ。カイリの魔力の残滓の探査をしていたら知らない魔力持ちがいきなり追いかけて来たのだからね……それで君は誰だ?」
慧花が異世界転生して能力をそのまま保持していたのなら納得だ。魔力の気配や反応を元四天王の百合賀が知っているはずが無いし、その逆もまた然りだ。
「あ~、この人は百合賀尊……魔王軍の四天王のビルトリィーが異世界転生した姿なんだよ……」
「なるほど元四天王か……なんとも不思議な巡り合わせだな。その様子ではカイリは了承しているのか?」
「今は高校の先輩だよ……あとレズ」
「勇者よ、いくらお前でも多様性のジェンダーフリーの社会の波には勝てんぞ!!」
元四天王のくせにすっかり人間社会に順応しやがって、まるで俺の方が悪いみたいじゃないか!? いや、悪いのか? いいやそんなはずは無い俺は時代に取り残されてはいない最新型勇者ななずだ……たぶん。
「うっせえ、俺は目の前の異世界転生してついでに性転換までしたコイツのせいで同性愛はトラウマになってんだよ!!」
「そこまで私との思い出を忘れないでいてくれるなんて感激だよ!! やはり二人の愛は不滅だった!!」
コイツの場合は思い出と書いてトラウマと読むんだけどな!! 本当に勘弁してくれよ。そりゃあ、さっきのは柔らかかったけど……。
「あの、尊、それに絵梨花? 彼じゃなくて彼女、角倉さんが高校の周りをウロウロしていたのなら事件は解決なんじゃ?」
「なるほど、一応は二、三日は警戒した方が良いだろうが……百合賀どう思う?」
「ああ、しかも今回の学校不審者騒動は全て元勇者関連だったからな……悪いが後はそちらで解決してくれないか?」
「そりゃそうだよな……分かった。一応はコイツは俺達の方で何とかするよ。二人は家まで送るか?」
「い、いや……このまま二人で帰るから気にしないでくれ……」
なるほど、帰り道の放課後デートですね。羨ましい……分かったけど何も言わずに二人を送り出すと俺は女に転生した戦友と言うか悪友を見る。見た目は変わらず、変わったのはオッパイだけだった……柔らかかった……と、邪な俺の心は両姉にすぐにバレて怒られてると本題に入る事になった。
「そ、それにしても魔力の残滓の探査だけでよく高校まで分かったな?」
「ああ、それはこの転生した体のおかげさ。この体にカイリの情報が有ったからね」
「は? まさか俺の知り合いの体を? でも俺の知り合いなんて……そもそも今この場に居るくらいしか居ないはず……」
自分で言ってて悲しくなるのだが事実だから仕方ない。ルリと姉さん達、それにセリカとモニカ、親父と母さん、他には今さっき帰った生徒会の二人くらいだと思う。
「この肉体は精神病棟で意識不明だった美村瑠実香と言う人間の体でな、なぜか私の魂はこの体に転生したんだよ。最初は私を取り込もうとしていたが逆に体を乗っ取ったんだ!!」
「どっかで聞いた事有るような……」
「瑠実香……あの美村瑠実香? ユリ姉ぇの同級生だった?」
「あぁ……カイが由梨花さんと仲が悪くなった原因の人だっけ?」
そうだ思い出した。中学時代にユリ姉さんを操って俺を孤立させようとしたけどエリ姉さんに潰された挙句に、最後は転校してしまい逃げられた女で、つい数ヵ月前は魔王軍四天王の一人に体を乗っ取られてそのまま行方知れずだったが精神病棟に再入院させられていたらしい。
「彼女の執念は凄くてね、だから私も引き寄せられたんだと思うよ。それに乗り移る土壌も出来ていたようだしね?」
「そうか四天王に乗っ取られたから魔力に耐性が、そして本人の魂も弱っていたのか……でも転生魔法でそんな都合良く乗り移れるなんて……」
「だから運命だと感じたよ。ちなみにこの女は君をストーキングするために毎朝同じ電車に乗っていたらしいよ? それで私も君の高校を知ったんだ。だけど家の場所は分からなかった……そこで君の高校を張ってたわけさ」
理屈は凄い通ったけど結局コイツは誰なんだ? 美村流美香なのか? それともケニーなのかよく分からない。そう尋ねたら目の前の元王子はこう答えた。
「どちらでも無い。私は転生した普通の女子大生の角倉慧花さ。そもそも魔術と魔法で顔だけは元の顔にしたのは君に分かりやすく見つけてもらうためだ。今働いてるお店の人間には整形手術をしたと言ったら皆信用したしね。こちらの世界は凄いね」
「魔法で容姿を変えてそれを魔術で固定したのか……ある意味凄いな……それってもう元に戻せないだろ?」
「君の神刀なら治せるだろうが普通は無理だろうね。私としても元の顔に戻れて安心してるし、評判が良いのも実はこちらの顔でね。売り上げもウハウハさ」
「さっきから売り上げとか店とかチョイチョイ気になる単語入って来てるんだけど……お前、まさか仕事してんの?」
元王子のコイツに仕事なんて出来るのか? とか思ったがコイツは何でも器用にこなすし二人旅をしている間も旅一座とかに潜り込んだりした覚えも有る。そして奴は俺の想定を超えた回答をした。
「ああ、都内の高級クラブでホステスをしながら今月からはユリカと同じ大学に入ったのさ。ちなみに転入学試験は魔法でカンニングしたんだがね? ははは!!」
「なにそれズルい!! カイ!! 私はちゃんと夏休みの宿題頑張ったのに!! 今日の宿題写させてよぉ!!」
それはダメと言って半泣きのルリを落ち着かせながら俺は状況を整理しようと脳をフル回転しようと思ったが、性転換でスタイル抜群になった向こうの世界での悪友のような戦友から不思議と目が離せなくなっていた。
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