コント『贈り物』
『GETUP!GETLIVE!第3回漫才・コント大賞!! 』投稿作品です。
今回で三作目になります。
今回は一般向けを意識して書いてみました。
一般的なネタを笑いにしようとすると、人の不快な琴線に触れるかも、という不安がつきまといますね。
出来るだけ引っかかりそうなものは避けたつもりですが、取りこぼしがありましたらご容赦ください。
…… コロナとの戦いがまだまだ困難を極めるという時、我々は笑うべきネタを次々と失っていく。
寒い時代だと思わんかね。
そういう小ネタが寒いとか言っちゃダメ!
それではお楽しみください。
ボケ「どうもー」
ツッコミ「どうもー」
ボケ「よろしくお願いしますー」
ツッコミ「お願いしまーす」
ボケ「そういや先日はホワイトデーやったな」
ツッコミ「せやったな。まぁお前には縁のない行事やろうけど」
ボケ「失礼な事言うな。俺かてお返しくらいしたったわ」
ツッコミ「え、お前お返ししたんか!? 誰に!?」
ボケ「事務のみよちゃんに」
ツッコミ「え!? みよちゃんに!? あ、お客さん知らんと思うんで言うときますと、ウチの事務所の事務員でいっちばん可愛いコなんですよ」
ボケ「そのみよちゃんや」
ツッコミ「へぇー。ほんま驚いたわ。あの奥手そうなみやちゃんがお前にチョコとはなぁ」
ボケ「チョコはもらってへんで?」
ツッコミ「え? でもお返ししたんやから何かもろたんやろ?」
ボケ「気持ち」
ツッコミ「気持ち? え、好きとか言われたんか?」
ボケ「そんなん言わんでも目を見たら分かるやないか。あれはもう俺の事好きやて」
ツッコミ「怖っ! 多感な男子中学生でもそこまでの思い込みはせぇへんわ! みよちゃんどんな反応やったんや!?」
ボケ「上司に相談させてもらいますって」
ツッコミ「当たり前や! 警察に相談されんかっただけ優しさと思っとけ!」
ボケ「え、結婚の相談って警察に行くの?」
ツッコミ「ポジティブの化身かお前! 嫌がられとるんや分かれや!」
ボケ「そっかぁ、贈り物が悪かったんかなぁ」
ツッコミ「そういう問題とちゃうけど、参考までに何贈ったんか教えてや」
ボケ「マシュマロ」
ツッコミ「あー、思ったよりも常識的やったけど、それあかんなぁ。お返しの菓子は相手への愛情を象徴するから、すぐ溶けるマシュマロはあかんらしいで」
ボケ「それでやったんか」
ツッコミ「お前の場合はそれ以前やけどな」
ボケ「愛情の象徴やったら、無くなるもんやなくて、ずっと残るもんがえぇんやな」
ツッコミ「まぁそうかも知れんな」
ボケ「よし、ダイヤの指輪買うたろ」
ツッコミ「重っ! もらってもいないバレンタインのお返しにダイヤの指輪って重っ!」
ボケ「指輪が重いってお前どんだけ貧弱やねん」
ツッコミ「そういう意味ちゃうわ! 指輪一個で、うわー腕が上がらーんってなるか!」
ボケ「せやったら何がええんや」
ツッコミ「残る物やったら日常使う物がええんとちゃうか」
ボケ「ならパンツ」
ツッコミ「人生ドブに投げ捨てたいんかお前! そんなん贈ったら事務所総出と警察に囲まれるで!」
ボケ「えー、困るわー」
ツッコミ「せやからパンツはやめとき」
ボケ「そんな大きい式場ってどこやろ」
ツッコミ「結婚式の来賓ちゃうわ! 何食ったらそこまで前向きになれんねん!」
ボケ「マグロかなぁ」
ツッコミ「マジで返してきよった……。まぁマグロは泳ぎ続けんと死ぬから、頷けん話でもないけど、お前そんなにマグロ食うんか?」
ボケ「去年の正月に食うたきりやな」
ツッコミ「お前この話何だったんや!」
ボケ「贈り物の話やったやろ。何言うとんねん」
ツッコミ「えぇ……。何で俺がおかしいみたいな扱いやねん」
ボケ「他にはえぇ贈り物ある?」
ツッコミ「手作りとかえぇ言うけど、素人がやると貧乏くさくなるしなぁ」
ボケ「成程……。おおきに。えぇ贈り物思い付いたわ」
ツッコミ「え、何?」
ボケ「日常的に使う物で、手作りやったら沢山贈れるからこれは喜ぶで」
ツッコミ「日常的に使う物で、手作り? 何やろ。布マスクとか?」
ボケ「現金」
ツッコミ「いっぺん捕まれお前は! いい加減にしろ」
二人「どうもありがとうございましたー」
読了ありがとうございます。
やはりフィクションをネタにした方が、気を遣う方が少なくて良いですね。昔話とか。
ネタのつもりで書いた事が実際にあったら、と思うといくつもボケやツッコミをボツにせざるを得ませんでした。
虚◯新聞って凄いなぁと改めて思います。
最近では2mバトンがお気に入り。
と、面白いと思えなかった方への予防線を張りつつ、ここまでお付き合い頂き、ありがとうございます。