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夕空が脅す

作者: 天透 奎

あぁ、空が赤いねと

童子は誰に言うでもなく呟き

辺りを見れば暗くなりゆく景色に

先程迄友人だった大木を見た

あの大きい枝に身を委ねた記憶に

もう一度寄り縋るように

あどけない童子は木へ向かった

しかしそこには化け物がいたのだ

あぁ、可哀想な童子よ

すっかり暗くなった空の下

あの大木は真っ黒な化け物に見えただろ

大きい手を振りかざし

頭からかぶりついてくるような


童子は疑問に思うだろう

朝方はあんなに楽しく遊んだ友人が

恐ろしい姿に変わっていて

あの楽しかった記憶を否定しないよう

空を指さし童子は糾弾する

赤くて暗い空のせいだと


夕空は決して脅してなどいないのに

貴方の純真な、残酷な

初めての悪意






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― 新着の感想 ―
[良い点] 朝には一緒に遊ぶ友達だった大木が、誰そ彼の空に枝を伸ばして恐ろしげに迫って来る それはきっと夕空が脅すせい 大木はただそこに根を下ろして夕空に枝葉を広げ 夕空はただ落陽に赤く染まるだけ…
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