届いていましたよ
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翼:よくよく私のお話しを聞いて下さいね。イイですか?……「あなた方」が、この部屋でそれぞれの持論をぶつけ合い、「ソレ」について探求し始めて、強く強く「その真実を知りたがった。」のではないですか?
楽毅:まぁ、そうだけどよぉ?
才太:……。まぁね。
森岡:…。だったらソレが何?
翼:だからその「探求」は…あなた方の「思い」であって、もっと言うと、「祈り」に近似する行為なんですよ。分かりますか?あなた方は、言ってしまうと、知らず知らずに「祈り」を捧げていたのですよ。
楽毅:誰に??
才太:誰にだよ。
森岡:その「祈り」が届いていた…?誰かに?
翼:はい。その通りです。届いていたのです。なので、私が要請されたのですね。「君月」からね。時給500円でっ。500円でねっ!
楽毅:!っ、それだそれ!忘れてたけど、さっきからオッサンの発言の端々に出てくるその名前?人?ソイツは何物なんだ!?
才太:俺も気になってたんだけどよ…。ソイツが何か知ってそうだよな?オッサンを要請してココに派遣?してるんだろ?わざわざ時給つけてよ?
森岡:やっぱ、ソイツだよな。ちょっとオッサン…。教えてよ。その「キミツキ」って存在が何物で、意図は何か…。
俺たちの話し合い(祈り)を傍受している…。そんなヤツが現存しているのか…?
翼:おそらく…現存しています。じゃなかったら、私はココに居ませんし、今日このバイトがなかったら、今頃、父島にあるDQN LABOで研究の仕事をしていたでしょうね。
楽毅:そしたら、ソイツをココに呼び出してよっ!ちょっと興味あるし。話しがしたい。
翼:それが…残念ながら、私から君月を呼び出す事は難しくて、というか出来ない。不可能でして、過去に他の案件の際に、何度かトライしてみたのですが、どうやら私では「ダメ」らしいのですよ。私はいつもフリーペーパーで「要請」を受けるのみ。ま、この案件…断ることも出来たのですが、何でか受けちゃいましたねー。
才太:要請なんて聞こえはイイが、単に安い時給だから誰もやらないだけじゃねーか。翼のオッサンよ…カッコつけてんじゃねーよ。
翼:サイタさん…そんな言い方しなくても良いじゃないですかぁ…。私だってツラいんですよ?こんな安い時給で20は離れてるだろう若者からココまで罵られて…もっと私を愛して欲しい!!
森岡:…
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