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第七回 学校へ行こう 実妹・小学校編

今回は少し短いです。


学校へ行こう(実妹・小学校編)



 玲美と別れて自分の教室に行く魔夜。


(心配ではあるけどさすがに私が行くわけにはいかないし)


 教室について自分の席に座る魔夜。


「おはよ。真尾さん」


「真尾さん、おはよ」


 魔夜に挨拶をするクラスメイト達。


 でも、そこに魔夜の友達はいない。


 魔夜に話しかけてくるクラスメイトはみんな魔夜か宗に下心がある人ばかりだからだ。


(これでも王族なんだから。十歳ぐらいの子どもの考えなんてお見通しよ)


 空っぽの学校生活。宗が小学校を卒業してそれが魔夜の日常の一部だった。


 しかし、玲美が来てくれたことで魔夜の学校生活がまた色づき始めたのだ。


(玲美ちゃんには感謝しなきゃ。お兄様に心配もかけたくないし)


 玲美の人となりを家族となって見た魔夜は信頼していた。


 学校の生徒が下心を持つことが別に悪いことだとは魔夜も思ってはいない。


 だが、その対象である宗に近づくために関係ない人を巻き込むことが気に入らないのだ。仲良くなる気がないのに近づいてこないで欲しいというのが魔夜の正直な気持ちだ。


「はい。みなさん朝のホームルームを始めますよ」


 魔夜が周りのクラスメイトを無視して考えていると魔夜のクラスの担任である宮

下花菜が教室に入ってきた。


「みなさん自分の席についてください!真尾さんに迷惑かけないの!」


 この教師、魔夜のことを気にかけてくれるのですが、若干熱血が入っているた

め、魔夜は苦手なのだ。


「さあ、点呼始めますよ!」


(早く家に帰りたいな。天真ちゃんもいるし)


 そう思いながら今日も周りのクラスメイトにうんざりしながら魔夜の一日が始

まったのだ。




             ・・・




 休み時間に玲美の様子を見ようと六年生の教室を見に行く魔夜。


「大丈夫かな?」


 そう思い、おそらくいるだろうと思われる六年生の教室の中で一番騒がしいとこ

ろを覗く。

 

 そこにはほぼクラス全員に囲まれる玲美の姿があった。


 本人の人気ではなく、明らかに宗と魔夜に対する下心だ。


「あれはないわー。でも、まだ希望はあるわね」


 そう。魔夜もまた、玲美が見ていた窓際の女の子を見ていた。


「あの人からは他の人みたいな下心も感じないし」


 魔夜はこれなら大丈夫そうだと判断して自分の教室に帰っていった。




               ・・・




 放課後になって魔夜は帰ろうとしたのだが、そこでふと、昼休みの光景を思い出した。


「あれは、もしかしたら最初の頃の私たちみたいになるかも」


 そう思い、校門で玲美が出てくるのを待つことにした魔夜。


 ちなみに、最初の頃とは宗と魔夜が転校してきた当初の頃である。


 転校当初は初めての人間界だということも伴って周りのいいようにされていた。初めての人間に魔族である宗と魔夜がビクビクしていたのはいい思い出?だとしみじみする魔夜。


 そうして少し待っていると玲美が出てきた。おそらく玲美のクラスメイトだろう

人たちと一緒に。


 同意の上でついてきているならいいのだが、玲美の表情を見る限りではそれはなさそうである。


「お姉ちゃん。私と一緒に帰ろ!」


 そう言って玲美に声をかける。


「あっ。うん!」


 玲美も魔夜に感謝の気持ちを向ける。


 そして玲美のクラスメイト達を追い払って家に二人で向かった。駆け足で。


「当分は私と一緒に帰ろ?あれは当分続くよ」


「うん。そうだね。私もこんなに大変だとは思わなかった」


 本来は王子様やお姫様がいるだけではこんなことにはなりはしない。


 実は宗と魔夜、自身のコントロールの外で微量のチャームの魔法を使ってしまっているのだ。以前、魔夜がさすがにおかしいと思い、真麻に聞いてみると、


「お前らもまだまだ未熟ではあるからな。魔力が漏れてる時があるんだよ。さすが

に魔力をそのまま垂れ流しているのは危険だから一番人間に害がない魅了の魔法に

なるように術式を編んだんだよ。まあ、魅了って言っても漏れてるだけの魔力量か

らしても一番弱いチャームだけどな」


 と言っていたのだ。つまり、宗と魔夜が魔力をしっかりとコントロール出来てい

れば、こんな大事にはならなかったのかもしれないと魔夜は考えてた。


 ちなみに、真麻が言っていた術式とは代々魔王一家だけが使えるといわれている

魔術のことだ。魔術と魔法の違いは細かな設定が出来るというところにある。


 まあ、これはおいおい話が進めば説明していくだろう。あんまりバトル要素ないだろうし(メタ発言)。


 ともかく、そんな理由で魔夜は玲美に申し訳ない気持ちになった。


「ごめんね。私たちのせいでこんな目に合っちゃって」


「ううん。気にしないで。私、百人の友達より一人の親友派だから」


「ぷっ。なにそれ。あははっ」


「ふふふっ」


 そうして走りながら笑う美少女たちと言う新しい都市伝説が学校周辺で広まった

のはまた別の話。





読んでくれて感謝です。

次は4日投稿です。

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