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プロローグ

ドキドキの初投稿。

お楽しみになれれば幸いです。

それではどうぞ!

プロローグ   最初はこんなの



 ここは魔界。


 魔界の中心都市のど真ん中にある魔界一大きな建物である魔王城での出来事が物語の始まり。


 ガヤガヤとした喧噪のなか、魔王城の最奥にして魔王謁見の間で執り行われるのは魔王の辞任である。


「魔王様、考え直してください!」


 そんな魔王を必死に説得しようとしている者は魔王の右腕にして次の魔王にと魔王が決めたフェルドマという男だ。


「黙れ!俺は決めたのだ。何も考えずにのほほんと暮らすと」


 威厳のある声で情けないことを言う魔王マーサ・フォルント・ベルンハルト。


「そんな情けのないことをおっしゃらないでください!私は知っているのですよ!」


 フェルドマは泣きそうな顔で言う。


「あんた、人間の女に惚れたらしいですね!」


 フェルドマも魔王のしょうもない本当の辞任理由につい言葉を荒げてしまう。


 それにより、喧噪がより一層大きくなる。


「な⁉どうしてそれを・・・」


 明らかに同様するマーサ。


「王子が呆れながら教えて下さいました」


「あの裏切り者~」


 マーサは苦虫をすり潰したような顔で自分の息子に悪態をつく。


「そのような理由で魔王を私などに明け渡さないで下さい」


「いいじゃん。お前優秀だし」


 その言葉に今度はフェルドマが苦虫をすり潰したような顔になる。


「百歩譲ってあなたが魔王を辞めることはいいとしましょう」


 ジト目でフェルドマはマーサに近づいていく。


「ですが、若と姫様まで連れて行くとはどういうことですか!」


「だって、一人で人間界に暮らすのは寂しいし、不安だもん・・・」


 モジモジしながら呟くマーサ。


「あなたの都合だけで次期魔王候補達まで連れて行かれたら私はどうしたらいいんですか‼」


「ま、まあまあ。たまに手伝いに帰るから」


 さすがにかわいそうに思えたマーサはようやく折れる。


「それではこの魔王辞任の執り行いは取り止めです。あなたには魔王の休暇として人間界に行ってもらいます」


「はあ⁉」


「皆の者!そういうことだ。解散」


 フェルドマはそう言うとマーサに向き直る。


「ちょ!お前ら解散すんな!」


 何故かマーサの言うことを聞かない配下達。


「なんで俺よりフェルドマの言うことを聞くんだよ!」


「そんなのみんな魔王様に辞めて欲しくないからに決まっているでしょう」


 そんなマーサにフェルドマはため息をつきながら言う。


「それと、私から人間界に行くにあたって条件を出させていただきます」


「ぐぅっ」


 それに、と続けてフェルドマは言う。


「向こうでの生活のことを何も考えていないのでしょう?家も若と姫様の学校もこちらで手配しておきますから。まったく」


「うぐっ」


 図星を突かれたマーサ。


「ほら、そうと決まったらさっさとお二人に話して来てください。条件のことは後で伝えさせていただきますので」


 いじけて床にのの字を書いていたマーサを立たせ、背中を押すフェルドマ。

 

 そうして謁見の間には誰もいなくなった。




                ・・・




 そんな一幕があったあと。


 魔王城のある一室。


「フェルドマさん。ご苦労様です」


「いえ、情報提供してもらった私が感謝したいくらいですよ」


 フェルドマと話しているのは先程フェルドマが王子と言っていた魔王の息子、シュウ・ベルンハルト。


 ここはシュウの部屋。


「それでも、魔王様の辞任を辞めさせることで精一杯でしたが」


 申し訳なさそうにするフェルドマ。


「まあ、あの父を止められるとは思ってなかったので。気にしないでください」


 そこに一人の少女がドアをノックした後、トコトコと部屋に入ってきた。


「おにいさま~。おはなしおわった~?」


 少女の名はマーヤ・ベルンハルト。シュウの妹である。


「ごめんごめん。もうちょっと待ってね」


「それでは私はそろそろ失礼します。若も準備で忙しいでしょうから」


 そう言ってフェルドマは部屋から退室していった。


「それじゃ、引っ越しの準備を再開しよう。僕の準備はもう終わったからマーヤの部屋に行こう」


 シュウとマーヤは手を繋いで部屋を出ていった。


 魔王の息子シュウ。今年で十一歳になる少年であり、これから数年後に起こる出来事の中心人物ある。

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