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プロローグ
十二月三十一日
町中が幸福で溢れかえるその日に
私は死んだ
いや、正確には、殺された
母は私の死体を見て嘆いて
まだ三歳の妹は、泣きじゃくり
頭が少し薄くなった父は唖然とするだろう
だって、家族には私が、何故死ななければいけないのかが
分からないのだから
地元でも有数の私立中学にみごと受かり
その、中学ではいつもトップの成績を誇っていて
我が校の誇りだと、校長に直々に言われた
ずっといい子で育ってきた子がまさか自分で命を立つなんて
親の身になってみれば、理解不能なことだ
私は目の前にある自分の骸に呼びかけた
「もう、楽になっていいんだよ・・・自分」