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その40 第一の難関クリア?

 第一の難関クリア?


「それでどうなったんですか?」

 是枝これえだはいささか緊張気味に森田卓からそのときの事情を聞いていた。

 それもそのはず、万が一自分が森田ゆりかに関わっていることが間接的にもバレはしないかという不安がよぎっっていたからだ。

「うん…写真に撮られてるのは明らかに僕だし、言い訳はできないと思ったんだ。」

「じ、じゃあ奥さんに全て正直に言ったんですか?」

「うん。。実はそうなんだ。もう観念したって感じかな。」

「・・・・・」

「…あ、でも三木さんのことは全然しゃべってないよ。まだ。」

「ま、まだ?(^_^;)」

「なんか知らないけどさ、ゆりかには全てお見通しされてるみたいで隠し事ができなくなっちゃうんだよね。」

「ダ、ダメですよ。きっと奥さんは誘導尋問がうまいんでしょう。三木綾乃のことまでうっかり言ったら大変ですよ!」

「そうだよね…それだけは言わないつもりだよ。」

「なら安心しました。」

「弁当のことを知ってるのは是枝君だけだから、君がゆりかに言わない限りは大丈夫だよ。」

「(゜゜;)ギク!」

 その弁当を食べながら聞いている是枝のハシが思わず止まった。

「冗談だよ。冗談。怒っちゃった?ごめんごめん。もう言わないから。」

「いや別に…ちょっとのどにつかえただけで…」

 森田卓の図星のジョークに一瞬冷や汗が流れた是枝。

「うちのゆりかって超能力でも持ってるのかなぁ?勘がすごくいいんだ。そう思わない?」

「僕に聞いてもわかるはずないでしょ!奥さんと会ったこともないし、この写真の話もまだ途中で僕には意味がさっぱりわかりません!」

「あ、そっか。そうだったね(^_^;)」

「だから早く本題に入りましょうよ( ̄ー ̄; 」

「ごめんごめん。早くしないと昼休みもなくなっちゃうしね。」

「その通り。」


 森田卓はこれまでの一連の流れを、カミカミの口調ながらも是枝に説明した。

 夜の帰り道で倉沢まりもの落し物を拾ってやったたところからの関わり。

 その後、彼女からのお礼を兼ねてのお食事会。その場所がなぜかカップル喫茶かハプニングバーのような、通常の接待とは言い難い場所であったこと等である。

 

 一通りの説明を聞き終えると、是枝は何度もゆっくりと首をたてにして頷いた。

「やっと事情が飲み込めました。」

「これでわかってくれたでしょ?」

「ええ、でもぶっちゃけ聞きますけどいいですか?」

「もちろん。」

「その女性とは、そのとき全く関係は持たなかったんですか?」

「関係って?」

「率直に言うとエッチ。」

「( ̄□ ̄;)!!ととととととんでもない!」

「エッチはしなくてもSMごっことか。」

「してないよ全然!」

「そこまで仕掛けられて途中でやめれるもんですかね?」

「でもそうなんだもん。それに焼酎もたくさん飲んだから眠ちゃったし。」

「酔って寝たから覚えてないだけってことはありませんか?」

「それはないよ。飲んだ焼酎の銘柄も覚えてるし。森伊蔵だよ森伊蔵!そのあと魔王も飲んだんだから!普段絶対に飲めないでしょ?」

「そっちの記憶は鮮明なんですね( ̄ー ̄; 」

「僕、なんかおかしい?」

「まぁその…なんとも言えない部分ですけどね。で、そんなことより奥さんの反応はどうだったんです?」

「それがね、一応は話を納得してくれたんで助かったんだ。」

「(・。・) ほー。そんな写真がありながら奥さんはよく理解されましたね。」

「うん。正直僕もびっくりしたんだ。」

「じゃ怒られなかったと?」

「そりゃ少しは怒られたよ。『あなたは不注意過ぎるから充分気をつけて!』って。」

「はぁ…それだけですか。。まぁ良かったじゃないですかホントに。」

「うんまぁ。」

「でもこう言っちゃ失礼ですが、なぜその程度で済んだんでしょうね?普通、逆上してもおかしくないと思いますが…」

「怖いこと言うね是枝君(⌒-⌒; でもね、その点についてゆりかの意見は『罠』だって言ってたよ。」

「……さすが勘の良い奥さんですね。自分にとってもショックな状況でありながら冷静に考えられるなんて。」

「君も罠だと思う?」

「そりゃ当然でしょう。わざわざ撮った写真を送って来てるんでしょう?」

「それが誰か全員わかればもっといいんだけど。。でもゆりかは1人はわかるって言ってるんだ。」

「あぁ、僕も1人はわかりますよ。森田さんにお礼をした女性でしょ。」

「Σ('◇'*エェッ!?すごい是枝君!ゆりかと同じ意見だ!」

「あのですね(^_^;)すごくもなんともないですよ。森田さんが目隠しされたり縛られたりした密室には、あなたとその女性しかいなかったんですよね?」

「うん。」

「だったらそんな至近距離から写真を撮れるのは彼女しかいないじゃないですか。」

「なるほど!そうだったのかぁ!」

「(ノ _ _)ノコケッ!! あの…奥さんは僕が言ったような説明はしなかったんですか?」

「機嫌が悪かったからさ、そこまでの説明はちょっとね(^□^;A」

「あ、そうですか( ̄ー ̄; 」


 是枝は森田卓の鈍感さにげんなりした。

 これくらいのことわかれよ!と叫びたいくらいだがそうもいかない。

 一体、こんな男のどこにゆりかさんは惹かれたんだろう?

 是枝はこの夫婦の組み合わせの方がどうしても納得がいかなかった。

 しかしながら、是枝にとってはこれからの計画と任務のためにも、森田卓とは親しくしておかなければいけない立場なのだ。


『ゆりかさんはいずれ俺のものにしてやる。。いずれ必ず!!』

(続く)

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