その31 ゆりかパパといっしょ(前編)
ゆりかパパといっしょ(前編)
●森田卓の視点
最悪だ。。なんでこうなるんだろぉ。。(;´Д`)ハァ
遊園地に来て楽しいはずの観覧車。楽しくなければいけない観覧車。
それなのに乗ってるのは僕と“ゆりかパパ”の二人だけ…(⌒-⌒;
「卓くん、私はいずみと遊ぶために来たんだけどねぇ。」
「すいません。ごもっともで。。(^□^;A」
「まさか君と差し向かえの二人きりで乗るとは思わなかったよ。」
明らかにご機嫌ななめのゆりかパパ。
「つ、次から気をつけますんで。。」
「…今までにも何回か同じセリフ聞いてるような気がするがね。」
「(゜゜;)ギク!」
そもそもこんなことになったのは、やはり僕に原因があった。
いずみが喜ぶと思って並んだスケルトンのゴンドラの列。
みんなで30分待って、やっと列の先頭に来たとき、いずみが突然言い放った。
「やっぱり怖いからアタシ乗らない。」
「( ̄□ ̄;)!!えっ?」
「普通のでいい。」
これを受けてゆりかも意外な反応をする。
「Σ('◇'*エェッ!?こっちの列がスケルトンだったの?」
「そうだよ。見てなかったの?」
「うん。ちょっと考え事してたからボーッとしてて。」
「((ノ_ω_)ノバタ」
「ごめんなさい。私も無理。いずみと残る。」
ガ━━ΣΣ(゜Д゜;)━━ン!!
「なんでだよ?ゆりかも怖いの?」
「だって私スカートだもん。見たらわかるでしょう?」
「あ・・・」
「もうっ!そのくらい察してよね。」
温厚なゆりかも呆れ気味。
「お客様、早くお乗りになって下さい。ゴンドラが上ってしまいます。」
と係員が焦り気味に僕たちを促す。
「せっかく並んだんだから卓さん乗って来て。ほらパパも。」
「え?お前たちが乗らないなら別に…」
「いいから早く早く!チケットもったいないでしょ!」
「えぇ〜?そんなぁ…」
と僕も思わず叫んだのもむなしく、ゆりかに背中を押されるように飛び乗ったゴンドラ。しかも機嫌の悪いゆりかパパとの相席。
あぁ〜最悪だ。。。゜(゜´Д`゜)゜。
僕とゆりかパパはしばらく無言で下界を眺めていた。何か会話をしなきゃと思っても、話すきっかけが見つからない。
一体何を話したらいいんだろう。世間話でもしたらいいのかな?ダメだ白々しい。つまらないし会話も続かない。
そうだ!今の見たままをしゃべればいいんだ!その方が自然だ。うん、そうしよう。
「あの向こうに見える建物が水族館ですかね?」
ゆりかパパは僕の視線の方角をチラッと見て一言。
「あぁ。」
「あの大きなデパートはヨーカドーですかね?」
再びチラ見して一言。
「ジャスコ。」
結局これもまた会話が続かない。参ったホントに。
この観覧車が1周するまでにはまだ相当の時間がかかる。
僕はこの長い長い時間をゆりかパパとどう渡り合えばいんだろぉ。。(・T_T)