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その26 意外な訪問者

意外な訪問者


 ●森田ゆりかの視点


 玄関のチャイムが鳴った。

「はい。どちら様ですか?」

私がインターホンで対応すると、ずっと以前に聞き覚えのある声で返事が返ってきた。

「どうもおひさしぶりです。覚えておいででしょうか?是枝これえだです。」

「Σ('◇'*エッ!?是枝さんて父の会社の…」

「はい、そうです。今はもう別な職場ですけど。。」

「え?何かあったんですか?父が何か…」

「まぁいろいろありまして…」

 是枝さんはどうもそれ以上言いにくいようだったので、あまり職場関連の話には触れないようにした。

「あの…今日はどのようなご用件で?」

「ええ、ちょっと…ご主人のことでお話がありまして。。」

「Σ('◇'*エェッ!?卓さんのことで?失礼ですけど、是枝さんはうちの主人と面識ありましたっけ?」

「はい。今は同じ部署で働いてますから。」

「( ̄□ ̄;)ええっ!?」

「驚かせてすみません。でも偶然なんです。」

「ま、まぁ、とりあえず玄関開けますからお入りになって下さい。」

「ではお言葉に甘えてお邪魔します。」


 是枝さんはパパの直属の部下だったはず。しかもパパは是枝さんのことをすごく気に入っていて、家にも何度か連れてきて一緒に食事もしたことがあった。

 それがなぜ職場変えしたんだろう?仕事上でパパと意見の相違でもあったのかな?

 パパは重役で人事にも口を出せるから、リストラもやりかねない。

 それよりもっと驚いたのは、是枝さんが卓さんと同じ部署で働いてること。

 私たちの結婚式のときは、是枝さんは海外出張のために出席してもらえなかったから、卓さんとの以前からの面識はないはず。

 だから卓さんは何も知らない。。良かった…知らない方がいい。

 でも逆にどうして是枝さんは、卓さんが私の旦那様だとわかったんだろう?

 そして彼は卓さんにあのことを…しゃべったのかな?

 当時、私と是枝さんがお見合いする予定だったことなんて。。。


 

 リビングに落ち着いた是枝さんと私。どう話始めたらいいのか少し戸惑ったが、率直に聞くのが最善だと思った。。

「あのぉ…主人のことでって言われましたけど、どういうことなんでしょう…?」

「はい。。よけいなお節介だとも思われるかもしれませんが、僕はゆりかさんと面識もありますし、お父様にもよくしていただきましたので一応お耳に入れておかないとと思いまして。。」

「???一体何ですか?」

 私は急に不安になった。

「実は…」

「待って!その前に是枝さんはどうして森田が私の主人だとわかったんですか?」

「あぁ、それは…いやそれも偶然なんです。」

「は?」

「社内では、森田さんの奥さんは超美人だという話は有名です。それに僕が森田さんと世間話をしてるときに、奥さんの名前を…つまりゆりかさんの名前を出したので、ピンと来たんです。」

「こんな名前なんて何人でもいると思うけど。。?」

「あぁ、それとですね、出席はできませんでしたが、ゆりかさんから結婚式の招待状をいただいたときに、お相手の姓が森田だということも思い出したんですよ。」 

「へぇ…そうだったんですか。勘がいいですね是枝さん。お話の出鼻くじいちゃってごめんなさい。さっきの続きから話して下さい。」

「ええ…本当に言いにくいんですが、実は…」

「・・・・・ドキドキ^_^;」

「実は、森田さんと怪しい関係の女性が同じ部署にいまして。。」

「(゜゜;)ギク!」

「三木綾乃っていう女性なんですが…結構親密なようで。。」

「・・・・・」

「僕はゆりかさんをご存知なので、いてもたってもいられなくなり今日ここに来てしまった次第なんです。」

「そ、そんな。。。」

 このとき私は彼の言葉をまともに受け取ってしまった。なぜなら最近の卓さんの態度の変化も明らかだし、スーツについてた香水の匂いの件もある。

 しかし卓さんが私を裏切るなんて信じられない。女性の方が一方的に卓さんを好きになってるだけかもしれない。

 でもそんなことはあり得ない。卓さんはハッキリ言って全く容姿端麗ではないもの。。。

 一体どうなってるんだろう?嫌な予感が当たってしまった。

 何でこんなことに。。。

               (続く)


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