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月と五芒星  作者: ちまだり
第二話「怨鎖の魔女と仮面のヴァニタス」
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第4章13 友情に差す陰り

13 友情に差す陰り


挿絵(By みてみん)



「ふう……疲れた」

 帰りのHRが終了し、何とか転校初日の授業を無難にやり過ごした光騎は、慣れない眼鏡を外してため息をついた。

 HR終了後、同級生の何人かから部活への勧誘、あるいは放課後にどこかの店で「歓迎会」の誘いを受けたが、

「せっかくですが、ちょっと用事がありますので……」

 とやんわり断り教室を離れ、今はキャンパス内の人目につかない一角に身を潜めている。

 まずはスマホを取り出し、日を同じくして別のクラスへ「転校」した美凪とコンタクト。

 彼女も首尾良くクラスに溶け込めたようだ。

 早くも剣道部への入部を決め、今日から稽古に参加するという。

 広瀬雪穂については、

『可愛い子だがひどくおとなしい。人見知りが強そうだ』との印象。

 そのためクラスにいる間はあえて無関心を装い、剣道部での活動中にさりげなく声を掛けて接触する方向で考えているとのこと。

『部活の終わる時間は? その頃に落ち合おう』

 光騎がメールを送ると、間もなく返信が来た。

「5時半か……少し間があるな」

 それまでの時間を利用し、ひととおり校内を見て回ろうと決め、光騎はスマホをしまい歩き出した。


 校内に特に冥魔の者の気配は感じなかった。

 といってもそれは下級ディアボロに限っての話。ヴァニタスや悪魔本体ともなれば、自らの気配を殺し一般人に化けることなど造作もないだろう。そうなるとベテラン撃退士といえども奴らの存在を探り出すのは容易なことではない。

 逆に悪魔側が自分たちの存在に気付いている可能性は?

 もし校内に敵方のスパイが潜入していた場合、この時期に「同日に転校してきた」という段階でマークされていると覚悟した方がよいだろう。

(むしろ向こうから先に仕掛けてきてくれれば、手間も省けるんだがな)

 そんなことを考えながら、キャンパス内をあてもなくぶらぶら歩く。

 光騎自身、中学時代までは一般人としての学校生活を送り(もっとも実家では陰陽師としての厳しい修行を課せられていたが)、ひと月だけとはいえ一般の高校にも通った。

(もしアウル行使者の適性がなければ、僕も今頃は……)

 部活動に汗を流したり、教室に居残り他愛ないお喋りに興じる生徒たちを眺めながら、懐かしさと共にふとそんな「if」について思いを馳せてしまう。

 もちろん久遠ヶ原学園においても一般の学校と変わらぬキャンパスライフはある。むしろ一般人以上に「自由」な学生生活を満喫しているといって過言ではない。

 だがそれはあくまで撃退士としての「使命」と背中合わせの自由。

 久遠ヶ原の全生徒がそうであるかは知らないが、少なくとも光騎と親しい生徒たち――山神美凪はいうまでもなく、幼いラティエルに至るまで、皆いざとなれば撃退士としての任務に、人外の敵を相手にした戦場に命がけで挑む覚悟を決めている。

 誰に命令されたわけでもない。

 ただ力なき人々を天魔の脅威から守るために。

 光騎とて、いま目の前で一般人が悪魔やディアボロに襲われている場面に遭遇すれば、ひとりの撃退士として命がけで救おうとするだろう。

 だがそれは「たまたま現場に居合わせたから」という極めてパッシブな動機であり、美凪のように純粋な正義感、自らが斬ったディアボロや、「自分がその場にいなかったため」守れなかった人々へ贖罪の念を覚えるほどの義侠心とはまた異なるような気がする。

 人間嫌いというわけではないが、家族を喪ったあの事件以来、他者への関心が一層薄くなった。言い換えれば自ら「一歩距離を置く」ようになったのだ。

 だからこうして1人になった時など、つい自問自答せざるを得ない。

(僕は本当に撃退士になるべきだったのか? 果たしてそんな資格があるのか?)

 ――と。

 だがそうした負い目を抱きながらも、光騎は撃退士を辞めるつもりはなかった。

(だって姉さん、僕はあなたを……)

「あっれー? 波間矢君じゃなーい」

 唐突に背後からかけられた声に、物思いから現実に引き戻される。

 振り返ると、そこに今日知り合ったばかりのクラスメイト、玉城芳香の姿があった。

「用事があるんじゃなかったの?」

「ええ、職員室で色々と書類上の手続きを……ようやく終わったので、ちょっと校内を見て回ってました」

「何だ~、そんなことならいってくれれば案内したのにぃ。で、今はどこに行くつもりだったの?」

「部活の見学でもしていこうかと」

「どこどこ? もう5時半近いし、グズグズしてるとどこの部も帰っちゃうよ」

「……剣道部でも覗いてみようかと」

「えーっ意外! 波間矢君て、ぜーったい文化系タイプかと思ってたけど」

「運動もしないと不健康ですからね。それに剣道とか弓道とか、伝統的な武術には以前から興味があったのです」

「そうなんだ? でもちょうどよかったー。あたしもこれから剣道部の道場に行くトコだよ?」

「玉城さんも剣道部なんですか?」

「違うけど。ほら、今朝話したユキちゃんの様子を見に行こうかなー、なんて」

(そうか、彼女は広瀬さんとは親友同士だったっけ)

 うっかりしていた。

 剣道部に行けば、そこで芳香とばったり出くわす可能性は充分あったのだ。

 それ自体は別に構わないが、自分と美凪が顔見知りと悟られるのは少々不味い。

 転校日こそ同じだが、美凪は遠く九州からの転校生、光騎とは全く面識はない……という「設定」を事前の打ち合わせで決めていたのだから。

(何とか誤魔化さないとな……)

「うん、でもこれってナイスなタイミングかも? よかったら案内するよ。ユキちゃんにも『イケメン転校生が来ました』って紹介しなくちゃだしね♪」

「イケメンって……」

 リアクションに窮する光騎の背中をぐいぐい押し、芳香はすまし顔で体育館のある方角へと光騎を連れて行こうとする。

 特に断る理由もないので、光騎は当惑しつつも同行することを決めた。

(そういえば広瀬さんは人見知りな子らしいから……友だちの玉城さんの紹介なら、彼女に近づくいい機会かもしれない)

 ついそんな打算を巡らしてしまう自分に少しばかり嫌悪を覚えつつも、光騎は芳香に引っ張られるまま校舎とグラウンドを挟んだ通路を進んで行った。

「広瀬さんは亡くなった小野崎さんと仲が良かったそうですが……すると小野崎さんも?」

「ううん、ナホはバレー部。最初はユキちゃんも誘われたらしいけど、あの子スポーツ苦手だから遠慮してたのよね。『自分はどんくさいから入部してもみんなの足を引っ張る』って」

「そこまで気を遣わなくてもいいでしょうに」

「そーゆー性格なのよ。ちょうどその頃、アオがいる剣道部の方でマネージャーやってた2年の先輩が家の都合で急に転校することになっちゃって……『代わりのマネージャー募集中だから、ユキが来ない?』って誘って来たのよね」

「アオ?」

「C組の池戸愛央ちゃん。彼女も中学時代からあたしら仲良しグループの1人だったから」

 そこでふと芳香は口をつぐみ。

「そういえば、アオも最近ずっと欠席中なんだ……大丈夫かなあ?」

(池戸愛央……失踪した4人の1人か。そういえば芝野紗佳も同じ剣道部所属だったはず)

 光騎は内心で情報を整理したが、もちろん芳香の前で口には出せない。

 ただこの件は、後で美凪にも伝えておく必要があるだろう。

「で、まあユキもOKしたのよ。ほら、マネージャーなら運動神経は関係ないでしょ? ユキの場合、運動はダメでも勉強はすごく出来る方だし、事務とか会計とか、そっちの方が断然得意だし」

「なるほど。まさに適材適所ですね」

 そこまで話したとき、光騎は体育館の外側、ちょうど剣道部の道場があるという場所の裏手に立つ人影に気付き、足を止めた。

(美凪……?)

「あ、ユキちゃんだ!」

 ほぼ同時に芳香が声を上げる。

 2人の視線の先には、長身に剣道の道着――面や胴は既に外している――を着た美凪と、彼女にタオルを差し出す小柄な女子生徒の姿があった。

「初日の稽古、どうもお疲れ様でした」

「ん? ああ、すまないな」

「でも山神さん、すごいです。男子の先輩方も全然敵わないなんて……中学の頃から剣道やってたんですか?」

「剣道は小学生の頃から続けている。大津見高の剣道部はレベルが高いと聞いて不安だったけど、何とか稽古についていけそうでほっとしたよ」

「ついていくとか、そういう問題じゃないですよ! 次の地区大会、もうレギュラー入り確実じゃないですか?」

「いや、それほどでも……」

(案の定か……あんまり目立つことはするな、と釘を刺したんだけどな)

 内心で嘆息する光騎。

 そもそも撃退士の場合、光纏せずとも一般人に比べ遙かに高い運動能力を有するという特性がある。たとえばそれまでスポーツの経験など一切ない子供や女性でも、アウル行使者としての能力が顕在化すればその日からあらゆる競技において、まさにオリンピック金メダリスト級の力を発揮してしまうのだ。

 といってもこれは専ら体力面の話。知能に関して目立った変化は起こらず、いきなり大天才になるわけではない。

 美凪の場合は子供時代から剣道を嗜み、中学時代には既に有段者となっていたそうだが、撃退士となった今は大人の師範クラスと立ち会っても楽々と勝ててしまうだろう。

 もちろん一般人にケガを負わせたりその辺の椅子や机をうっかり破壊しては大事なので、日常生活において「適度に力をコントロールする」訓練もしっかり受けているものの、武道や格闘技で相対すれば、一般人との力の差は歴然だ。

(まあ彼女も目一杯手加減したんだろうけど……)

 かといってあまり露骨に手を抜きすぎても却って部員たちの反感を買うのは必至。それでも調査のためにあえて入部したのだから「目立つな」という方が始めから無理な注文だったのかもしれないが。

「やほー、ユキちゃーん!」

 そんな光騎の諦念などつゆ知らず、芳香は手を振って大声で呼びかけた。

 それに気づき、美凪と雪穂が驚いたようにこちらへ振り向いた。

「あ、芳香ちゃん……」

 なぜか恥ずかしいところでも見られたように赤面する雪穂の姿を見ると、話に聞くとおり可愛らしい。

 肩にかかるくらいでカットした髪と、カチューシャの様に巻いたリボンがよく似合う、まるでドールのように愛くるしい美少女だ。

 受け取ったタオルで汗を拭く美凪の笑顔も決して「演技」ではなかろう。

 同世代の男子に対してはからきし興味を示さない彼女だが、ラティエルを実の妹のごとく可愛がっているように、年下の同性には極めて好意的で面倒見も良い。

 学年は同じといえ、ついさっき談笑していた美凪と雪穂はまるで仲の良い姉妹のようだった。

(あの様子なら、広瀬さんに関する調査は美凪に任せても大丈夫そうだな)

 一方、雪穂は芳香に歩み寄り小声で言葉を交わしていた。

「どうしたの?」

「ほら、ナホの件があったから心配で、ちょっと様子見に来たんだけど」

「……」

 菜穂子の名を聞いた途端、雪穂の顔からそれまでの笑顔が消え、唇を噛んで俯いた。

「あ、ゴメン! 却ってまずかった?」

「ううん、そんなこと……でも、まさか菜穂子ちゃんがあんなことになるなんて……」

 そこでふと光騎の方に視線を上げ、

「こちらの人は?」

「あー、波間矢光騎君。今日うちのクラスに転校してきたんだよ~。なかなかイケてるでしょ?」

「わあ偶然! こちらは山神美凪さん。やっぱり今日、うちのクラスに転校してきた方です」

「……はじめまして。波間矢です」

「山神だ。これからよろしくな」

 ぎこちなく「初対面」の挨拶を交わす2人。

 見る者が見ればバレバレの演技だが、芳香と雪穂は「お互い緊張してるんだろう」程度に思ったか、まるで疑う様子はない。

「部活、今日はもう終わりなんだ?」

「うん」

「なら……この後、みんなでどっか寄らない? W転校生の歓迎会ってことで♪」

「え、えっと、私はいいけど……山神さんと波間矢さんが……」

「僕は構いませんよ? ただ自宅の方がまだ引っ越しの整理が済んでないもので……6時半くらいでおいとまさせて頂ければと」

「私もそれくらいなら……転校初日からあまり遅くなると、家族が心配するからな」

 芳香と雪穂、両者と話ができるなら願ってもないチャンスだ。

 ただし市街地の調査にあたっているラティエルとの約束もあるので、あまり遅くまでは付き合えないが。


 20分ほど後、光騎と芳香、雪穂、そして制服に着替えた美凪の4人は、駅前商店街にある某ハンバーガーショップに立ち寄っていた。

 夕方の時間帯とあって店内は混雑していたが、何とか4人席をキープ。各自カウンターでハンバーガーやドリンクを買い、トレイに乗せて再び戻る。

 光騎と美凪、芳香と雪穂が隣合う形で、改めて向かい合った。

「それじゃ、波間矢君と山神さん、新しい友だちとの出会いを祝して……カンパーイ!」

 バニラシェイクのカップを掲げ、芳香が陽気に乾杯の音頭を取る。

 光騎はコーヒー、美凪はウーロン茶のカップを軽く挙げて応じるが、雪穂だけは俯き加減で自分のオレンジジュースを見つめながら、乾杯には加わらなかった。

「ユキちゃん……?」

「……ごめんね……やっぱり菜穂子ちゃんのこと考えると、そんな気になれなくて……」

「気持ちは分かるよ。でもね、波間矢君と山神さんにとっては、今日が大津見高校に転校してきた大切な日でもあるんだよ? あたしは2人にうちの学校を好きになって欲しいもん。初めて大津見高に来たこの日を、ただ悲しいだけの思い出にさせたくないんだ」

 芳香は雪穂に向き直り、真剣な表情で言って聞かせる。

「ホントはあたしだって辛いよ。でもね、ほんのちょっとだけ我慢しようよ。ナホのお葬式には一緒に行こう。そのときはいくらでも泣いていいんだよ? あたしだって思い切り泣くつもりだから、さ」

「ありがとう……芳香ちゃん……」

 瞳に涙を浮かべ、共通の親友を喪った少女たちはひしと抱き合う。

 その時になって、光騎には合点がいった。

 芳香は何より雪穂を元気づけるため、あえて自分が「不謹慎」と思われることも承知でこの席を設けたということに。

(本当に、友だち思いのいい子なんだな)

 ノリの軽い、いかにも今時の女子高生のように思える芳香の意外な一面を見たような気がして、光騎は内心で彼女を見直していた。

 一方、美凪の方はやはりクラスメイトで部活動も一緒になった雪穂を心配そうに見やっている。

「そういえば玉城さんから聞いたけど、池戸愛央さんも剣道部なんだよね? 彼女は強いのかな?」

 光騎が雪穂の方に話題を振った。

「はい。愛央ちゃんと、もう1人芝野紗佳さんが女子部1年生の中ではエース級で、次期部長も彼女たちのどちらかになるだろうってみんな噂してたんですけど……」

「おや? 今日稽古した相手に、その2人はいなかったようだが」

 わざと不思議そうな顔で、美凪が尋ねる。

「実は2人ともこのところずっと学校をお休みしていて……だから、もし山神さんが来てくれなかったら女子部どうなっちゃうんだろうって……そちらの方もすごく不安だったんです」

 ハンカチで涙を拭いた雪穂が、なぜか頬を赤らめ、上目遣いに美凪を見やった。

(……?)

 その視線に妙な熱さを感じ取り、光騎はやや訝しく思う。

 美凪は美凪で、戸惑いながらも平静を装いつつハンバーガーを頬張っていた。

「へへ~、ユキちゃんは昔から強い女が好きだからなぁ。さては山神さんに一目惚れかな?」

「そ、そんなんじゃないよお……」

「小野崎さんも、そんなに強い女の子だったんですか?」

「ええ。『男勝り』なんていったら失礼になりますけど……子供の頃から正義感が強くて、私が男の子たちにいじめられてると必ず助けに来てくれて……だから私にとっては友だちっていうより……お姉さんみたいに思ってました」

 照れくさそうにそう打ち明けてから、雪穂は再びちらちら美凪を見やった。

「そういえば山神さん……何となく菜穂子ちゃんに似てるかも……」

「――!?」

 思わずハンバーガーを喉に詰まらせかけた美凪が、慌ててウーロン茶で飲み下す。

「その池戸さんと芝野さんは、どういった理由で長期欠席してるんですか? そんな風にして長く休んでる生徒が他にもいる……と小耳に挟みましたが」

「それが、私にもさっぱり……一応2人ともインフルエンザにかかって大事をとってるって話なんですけど」

 雪穂はショートヘアを揺らして小首を傾げた。

「でも……私、心配なんです。長期欠席に入る前から、愛央ちゃんと芝野さん、部の運営や稽古の方針について意見がかみ合わなくて、よく口論してたから……ひょっとして、それが何か関係してるんじゃないかって」

「またまた~。ユキちゃんは心配性だって。インフルが流行ってるだけでしょ? アオのことだから、病気が治ればすぐケロっとして戻ってくるよ。芝野さんだって1日も早く復活したいだろうし」

「玉城さんは芝野さんとは?」

「んー、別に付き合いはないよ。ただ、うちのクラスまで色々噂が伝わってるんだよね。芝野さんて、同じクラスの男子を巡って倉谷さんて子とけっこーやりあってたって。芝野さん的には、剣道部のことよりそっちが大問題じゃないかなあ?」

(倉谷……倉谷弥里!?)

 一瞬、光騎と美凪は互いに目配せしあった。

 4人目の失踪者。

「中学以来の仲良しグループ」「剣道部」どちらにも縁の無かった弥里みりの名が、唐突にこの場で飛び出したのだ。

「へえ。いわゆる三角関係ってやつかな?」

「まーそんなトコ。ついてないよね倉谷さんも。芝野さんがインフルで休み出してチャンス到来! って時に、自分も罹って長期病欠の仲間入りしちゃったわけだし」

「芳香ちゃん、そんな言い方よくないよぉ……」

「てへっ、ゴメン。でも今年のインフルはホント、タチ悪いよねえ。剣道部で鍛えてる子たちまで揃って倒れちゃうなんて」

「……」

 光騎はさりげなくスマホを確認した。

 芳香と雪穂から聞き出したいことは他にいくらでもある。

 だがあいにく、画面に表示された時刻は既に約束の6時半を回っていた。

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