↓ ↑ページトップへ
表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
黒き死神が笑う日  作者: 神通百力


この作品ページにはなろうチアーズプログラム参加に伴う広告が設置されています。詳細はこちら

49/278

体器万製

 私は三十センチほどの幅の小さなベッドから脳を起こした。

 ベッドの側に置いていた器――中が空洞の人体だ――の頭の部分をパカリと開けた。その空洞に脳をセットする。

「もうすぐ新学期。みんなと会えるのが楽しみだな」

 私はウキウキした気分で独り言を呟いた。

 そして立ち上がり、台所へ行った。昨夜の夕飯で余ったおかずを電子レンジで温めて食べた。

 部屋に戻って、隅に置いている姿見を見る。

「どうしようかな」

 姿見に映っているのはカールを巻いた黒髪の女の子。スタイル抜群で血色の良い白い肌をしている。童顔で幼く見える。

 この製品の名前は零野一時(ぜろのひととき)だ。名前と容姿に惹かれて買った。

「この際だし買い換えようかな。それでみんなを驚かせちゃおう」

 私は思わず笑う。

 鞄を持って、家を出た。


 ☆☆


 私は近所の商店街にある目的の店まで直行した。

 八百屋と肉屋の間に位置する人体屋『体器万製』に辿りつき、店内に入った。

 この『体器万製』は、この辺りでは一番大きな店だ。老若男女様々な製品が取り揃えられており、値段もお手頃で、お年玉を握り締め買いに来る子供もよく見かける。

 さてと、まずは男性をちょっと見おうかな。男性が並んでいるコーナーに向かった。

 乃来湖鶴(のらいこづる)。腰までの長さで金髪の男の子。眼つきが鋭くほっそりしている。服装はダブルパーカーにだぼだぼのジーンズ。歩く度にずり落ちてきそうだな。まぁ、着替えれば良いだけの話だけど。

 そして隣の製品を見る。伏藻悠(ふしもゆう)。きれいに整えられた髪の男性。ピシッとしたスーツを着ている。何というか地味だな。

 女性も見ようかな。今度は女性が並んでいるコーナーへと向かった。

 呼時宮真香(こじみやまか)。さらさらしている黒髪のストレートヘアな女の子。すらりと伸びた手足。ふっくらとした胸。ワンピースを着ている。現在進行形で使用している製品は、スタイル抜群のくせになぜか胸だけはぺったんこだ。候補に入れておこう。

 隣に目をやる。不粋泉(ふすいいずみ)。ウェーブがかかっている金髪碧眼の女性。背が高くスタイルも抜群だ。色気もありそうだし、その上すらりと伸びたきれいな手足。Tシャツを胸の少し下辺りでくくっている。へそ丸出しでショートパンツを穿いている。これならみんな驚くかもしれない。

 私はその女性を持って、レジに向かった。精算してもらい、家に帰った。


 ☆☆


 ――――数日後。

 私はこの間買った製品、不粋泉に脳をセットした。

 それから学校へと行く。

 学校に着くと、私は校舎に入って廊下を歩き、教室を目指す。みんなはどんな反応をするかな。楽しみだ。

 私は教室の扉を開けて、入室する。

「さあ、みんな席に着いて。HR始めるから」

 私はにこやかに教室を見回す。私が今まで座っていた席はもちろん今日から空席だ。ただ、その内すぐに埋ることになるだろう。そういえば教頭がそろそろ器を買い換えようと言っていたから、教頭が座ることになるのかもしれない。

 女子は羨ましそうな視線で、男子は獣のような射抜く視線で私を見つめた。……二パターンの反応しかなく私はがっかりした。

感想頂けると嬉しいです。

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。