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黒き死神が笑う日  作者: 神通百力


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腹をすかせた悪人ども

 俺は住宅街を適当にぶらぶらしていた。

 買い物袋を提げた奥様方がちらほらと見受けられる。すれ違った時に財布を盗んだ。気づかれていない。俺はそれで生計を立てている。

 盗みは悪いことだとは思わない。盗まれる奴が悪いのだ。警戒を怠っているということだからな。

 その後も何人かの財布を盗んだ。

 そろそろ帰ろうとした時、突如として、閃光が迸り、俺は意識を失った。


 ☆☆


 俺は意識を取り戻した。どれくらいの時間、意識を失っていたのだろうか。

 辺りを見渡すと、暗闇だった。夜ということではない。暗闇そのものだった。平衡感覚が狂いそうになるほどに。

 俺は何でこんなところにいるのだろうか。閃光が原因なんだろうか。

 とりあえず、俺は立ち上がった。前に進もうとして足を一歩踏み出した。が、ふらついてしまう。足が絡みつき、無様に倒れた。

 ふらつかないようにするために四つんばいで行くことにした。

 いくら進めど暗闇のみで、出口が一向に見当たらない。俺は不安になった。このまま出口が見当たらないのではないかと。

 不安になりながらも進んでいく。けれども出口は見当たらない。

 そのまま進んでいると、お腹が鳴った。

 食べ物など持ち合わせていない。あるのは奥様方から盗んだ財布だけだ。

 それもここでは価値のないもの。ここには店などないのだから。

 ふと、思い立って財布を取り出した。財布の中からお札を何枚か抜いた。

 お札を食べた。思ったとおり味はしない。しかし、これで空腹を満たすしかあるまい。

 だんだんと方向感覚が狂いつつも、必死に出口を探す。

 途方に暮れる。

 俺は疲れ果て進むのを中断した。

 眠たくなって目蓋を閉じた。


 ☆☆


 俺は目蓋を開けた。暗闇が視界に飛び込んできて俺はガッカリした。もしかしたら夢なのではないかと期待したのだが、この事態は紛れもない現実だ。

 俺は朝食を――と言っても今が何時なのか分からないから便宜的にそう言っておく――を食べた。もちろんお札である。

 四つんばいになって出口を探す。……見つかるはずがないと思いながらも。

 出口が見つからなくてもいい。重要なのは”出口を探すこと”だ。目的がないとおかしくなってしまいそうだから。自分を保てそうにないから。

 それからどれくらいの時間が経過しただろうか。

 お札はもう底を付き、餓死寸前である。

 ついに力尽き、俺は意識を失った。


 ☆☆


『日本各地で飢えが原因と見られる死体が複数発見されました。年齢、性別などは皆バラバラで、唯一の共通点は過去に犯罪を犯していたということのようです。引き続き警察は詳しく捜査していく方針とのことです』

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