When I use too much force
「・・・?」
本当にどこまでも懐かしいな
「私の邪魔をしないでよ」
「邪魔をしたのはお前だ」
海上で戦闘機と戦った時のグズ野郎か
「もう少しで手が届いたのに」
「お前が伸ばそうとしたのは手じゃない」
「手だよ、救いの」
救い・・・か
「あんな衛生レーザーのどこに救いがあるんだよ」
「あれでアイツラを消しておけば、こんな状況にはならなかった!」
「・・・あ?こんな状況・・?」
「君の弱体化だよ、力の使いすぎでね!!」
力の使いすぎ・・・?
「君は━━━━」
急な激痛に意識が飛びそうになる
「がぁぁぁぁぁ!!!!」
目を開けると、空は赤く染まっていた
赤く、煙たく、息苦しい
「・・・あ・・・?」
どういう状況だ? 火事か?いや、グラウンドにいたはずだ
それに学校にいるのに火事だと・・・?
赤い空が遮られる
「おはよう」
再び腕に激痛がはしる
「ぁぁぁぁあぁあああ!!!!」
なんだ?本当にどうなってやがる!?
誰だ・・・!コイツは誰だ!!!
「う~ん?おかしいなぁ 死なないや」
麗花!! おい麗花!!!
・・・いない?!
「仕方ない。まだ置いておくかぁ」
「ま・・・・・・て、よ・・・」
「話す体力もあるんだぁ!! ならもう一発」
頭が白くなり、キーンという甲高い音が響く
「!!!!!!!」
「叫び声もでなくなったね!! おめでとう!!」
体に力が入らず、そのままグッタリしてしまう
「もうすこしだけ、寝ていてね!!」
動け・・・動けよ!
「あ・・・・とぃ・・・」
「ん~???」
「びー・・・・と・・・・!」
「おぉ!!!」
「で・・・がぁぁぁぁああぁぁぁぁ!!!!」
「それ以上はだーめ!」
この攻撃・・・電撃か
しかも動きを封じる事をメインに考えて調整してある
ようやく頭も動き出したみたいだ
「は・・・・ぁ」
再生能力最大 次倒れたら動けなくなるくらい体力を使う
「アトリ・・・ビュート」
「あれあれ!?!?元気だねぇ!!!」
「シャドー!!!」
地面に闇の渦ができ、体を飲み込んでいく
「にがさなーい!!!」
その渦の中心に刀を突き刺す
「なっ!?」
シャドーの能力が消され、地面から放り出される
空を舞う俺をさらに追撃してくる
「これ以上暴れるならァ~!!」
空気が振動する
本能が避けろと叫ぶ が、身動きが取れない
「そのままきえちゃえぇぇぇ!!!!」
黒く染まった右手がこちら側に伸ばされる
一撃、この一撃さえ凌げば
ふとそんなことが頭によぎる
どうせ倒れたらもう動けない
ならこの可能性にかけるしかない!
『アトリビュート』
「グレイガ」
「バスター・ブレイカー!!!!」
なっ!?ブレイカーだと!?
目の前が白くなる、だが慣れた感覚だ
見慣れて、使い慣れたから
グレイガで弾けた
「まだー!!!」
左腕が光る
「ここか」
地面に着地する
「終わってないぃぃぃいい!!!!」
左腕を突き出す
メシアの時と同じか
・・・なるほど、これで確信した
こいつは俺だ メシアに頼りすぎた俺だ
気づくと俺はグレイガを消していた
「フルバスター・ブレイカァァァアア!!!!」
防ぎもせず ただ喰らう
なんだ大したことないじゃないか
直撃したにも関わらず、体は無傷
「なっ・・・に!?」
「わかったよ、お前の力」
「くっ!!!もう殺す!!絶対に!!!」
「それが俺の末路だったんだな」
「アトリビュート!!!」
「ありがとうな、教えてくれて」
「グレイガ!!!」
「だから」
グレイガが俺を貫く
「っ!!!」
「もういいんだ、麗花」
「悪かったな まさかここまでとは思ってなかったよ
俺は・・・ここまで弱かったんだな」
「・・・・・。」
「それと、メシアの事わかったよ
使い過ぎると精神力が持っていかれるんだな」
あと慣れてないと力の制御ができず、攻撃が鈍る
「そのまま死んじゃえ」
「おっ冷たいな」
「もう少し気づくの遅くてもいいのに」
「ブレイカーさえ出さなければ気づかなかっただろうな」
あそこでくるのはシャドー系だと思ったんだが・・・
「帰るぞ、現実に」
「・・・・・仕方ないかぁ」
視界が暗転する
「・・・あ?」
空が赤いな
「ああ、やっと起きた」
「・・・・小春か」
「黒い塊に沈んだ瞬間は焦ったよぉ~」
「・・・・はぁ」
「何そのため息?」
「お前らなぁ・・・学校で試験すんじゃねーよ!!!」
「あちゃ~・・・それいっちゃう?」
「黙れよ?お前のせいで俺の左腕はなぁ!!」
「あ・・・あぁ。あのぐちゃぐちゃにちぎれた腕ですか・・・」
露骨に嫌そうな顔をする
幸いもう腕は回復している
「どれだけ痛かったと思ってやがる!!!あれで視界が黒くなったんだぞ!!」
「わ、私だって顔殴られたもん!!仮面のおかげでそんなにだったけど・・・」
「それにお前、心臓も打ち抜いたんだぞ!!」
「・・・・なんで生きてるの?そこで消えていれば!!!」
「冷たっ!?なんだよお前ら今日はコールドだな!!!」
「なんで英語・・?ってそんな事はいいよ!!!」
「よくねぇよ!!!死にかけたのになんだよその対応は!!」
「お前らうるせぇよ」
「あ、ウルフ!!え?なんでそんなに怒ってるの?」
「お前がうるさいからだろ」
「お前ら、だぁぁぁあああ!!!!」
「今のはウルフが一番うるさいと思うよ?」
「それは同感だな」
「いいから帰りますよ!!!」
「お、おぉう・・・。」
なんかウルフ、不機嫌だな
「じゃぁね、来夏」
「あ、あぁ・・・」
さて、この惨状をどうしたものか
理事長に見つかったらめんどくさいぞ・・・
「いつになったらこの学校は静かになるのでしょうね?」
「り、理事長!!?」
「こんなに穴だらけにして・・・直すのにどれだけの苦労があるのか知っていますか?」
「いえ、まったく」
「まぁ・・・そうでしょうね」
はぁ・・・ とため息をつかれる
「アトリビュート」
「え?」
「recovery」
リカバリー?
「あれ?直ってる!!」
「直しましたからね」
そういうと校舎に消えていく




