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公認の仲

それから優真の惚気話が始まり、俺の好きな所やいつから好きだったかなど話し始めた。それが照れくさくて顔を覆ってしまいたくなる。


「自覚したのは中学の時でもうそれ以来影の事しか考えられなくなった。小さい時から一緒で影はもう俺の一部」

「ゆ、優真、恥ずかしい⋯」

「あら、いいじゃない影くん。こんなに嬉しそうに話す優真珍しいのよ」

「そう、なんですか⋯?」

「いつも明るく振る舞ってるけど、それは建前で本当はこんな風に話したかったのよ優真はずっと」


普段の優真を一番よく知るお母さんがこう言うんだから、ひたすら惚気る優真を見て照れてしまうのだが嬉しい気持ちも勿論ある。

そんな微笑ましい空気が流れる中、玄関の扉を開けて家の中に入ってくる中年で細身の男性。優真のお父さんだ。


「影くんか、久しぶりだね」

「は、はい。お久しぶりです⋯」

「遅れてすまない、ケーキを買ってきたんだ。皆で食べようか」


彼の父親は俺を歓迎する為にわざわざケーキを買いに行ってくれたみたいだ。という事は優真のお父さんも自分達の関係に気付いてる⋯?それにケーキって何年振りだろう。あまり接した事はなかったけど、こんなに優しい人なんだ⋯。


「お皿とフォーク用意するわね」

「俺も手伝います⋯!」

「ありがとう、じゃあ一緒に運びましょ」

「はい!」


お母さんと一緒にお皿とフォークをテーブルの上に運び、俺の横には優真、目の前にはお母さん、その隣にお父さんが座っている。とても緊張する。でも優真がすぐそばにいて手を握ってくれている。


「ケーキ食べる前にちょっといいかな、父さん。母さんにはもう話したんだけど」

「ああ、何でも話してくれ」

「⋯俺と影、付き合ってるんだ。俺一人っ子だし孫とか抱かせてあげられないのは申し訳ないけどこの先の未来も影とずっと一緒にいたい」


男同士の俺達の恋愛⋯自分達ですら未成年で親世代からしたら子供なのに、優真はその先の未来をいつも考えてるんだと実感した。 確かに子供をもつ事は出来ない⋯それでも彼は俺と一緒にいたいと言ってくれた⋯。今日は挨拶に来たのに、大事な場面なのに、泣きそうになる。


「⋯そうか。お前が決めた事なら反対する理由もない。幸せになるんだぞ優真。影くん、優真をよろしく頼む」

「ぁ⋯の⋯俺なんか、でいいんでしょうか⋯?」

「優真が選んだ君を私達も信頼する。これからは私と妻の事も家族だと思って欲しい」


家族⋯それは自分とは縁のないものだと思っていた。優真の暖かさや芯の強い部分、お父さんに似ている。

正直反対されるかもしれないと心のどこかで思っていた。俺ほんとにネガティブな事ばかり考えてしまうけど優真とお母さんとお父さんのお陰で今凄く幸せだ。


「ありがとうございます⋯俺も優真の事幸せにします。一緒に幸せになります」

「影くんありがとう。息子が二人出来たみたいでとっても嬉しいわ。じゃあケーキ食べましょうか」


箱の中を開けるとチョコレートケーキ、チーズケーキ、苺のショートケーキ、モンブランが入っていてどれも美味しそうで心が弾む。

それに⋯俺の事を息子だと言ってくれたお母さんの言葉で胸に抱えていた闇の部分が光に変わった気がする。

血は繋がっていなくても、関係ない。優真が選んだ人なら自分の家族同然だと言われて感動しないはずがない。


「影くん好きなの選んでね」

「えっと…じゃあチーズケーキでもいいですか⋯?」

「勿論よ、あなた達はまだお酒飲めないからジュースね」

「ありがとうございます⋯!いただきます」

「影、俺にも頂戴」

「もう優真ったら、見てるこっちが照れるじゃない」


あーんと口を開けてる優真にフォークで細かくしたチーズケーキを彼の口に入れた。優真のご両親の前でこんなにイチャイチャして恥ずかしいけど乾いていた心が潤うように満たされる。


ありがとう優真⋯

本当にありがとう⋯


ただただ感謝の言葉しか思い浮かばない⋯

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