九話 一人じゃない帰り道
しばらくして、
俺達は優と茜と別れた。
彼奴等の家は向かい合っているから家の方向が同じなのも当たり前である。
家が近いからなのか親同士も仲が良いらしい。
「なあ、聞きたいことがるんだけどいいか?」
「なんですか?」
優と話しているときに浮かんだ疑問について聞いてみると
「確かあれはですね。」
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約一週間前
「今日は家に帰ったら何をしましょうか」
「今日は風が強いので洗濯物は干せませんね」
そんな事を考えながらしばらく歩いていると公園の方向から泣き声が聞こえてきました。
見に行ってみると小学一年生ぐらいの子がないていました。
「どうしたの」と聞いてみると大切なキーホルダーが風で飛ばされて藪の中に飛んでいってしまったとのことでした。
可哀想だったので探すのを手伝ってあげることにしました。
しばらく経って私はそのキーホルダーを見つけることができましたが、戻る時に油断して枝で腕を怪我してしまいました。
しかし、キーホルダーはその子に渡すことができ、笑顔でお礼を言いながら帰っていきました。
ですが、私は服も汚れ傷も負っていたので途方に暮れていたところに男の子が現れました。
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「それが白月さんだったということです。」
「なるほどな、だからあんな時間にいたのか。」
わかって胸がスッキリした。
そして、気づいたら思ったことを口に出していた。
「やっぱり水野は優しいんだな。全然猫を被っているなんてことはないよ。俺が保証する。」
「そんな、恥ずかしいです」
水野の顔は真っ赤だった。
「そ、そんなことは置いておいて白月さん、後でお家に行ってもいいですか?」
「別にいいけどどうして?」
なんだろう、もう料理は勘弁だぞ。とか思ってるってバレたら怒られそうだ。
だが、それは見当違いだった。
「私からも聞きたいことがあります」