六十四話 バレンタイン戦争
雪音が律にチョコを渡すと宣言してからというもの雪音は毎日我先にと帰るようになった。
どうやら、準備を頑張っているらしく忙しいらしい。
一緒懸命にしてくれて嬉しい面、最近一緒に帰れなくて寂しい面もある。
今日も雪音は一人ですぐ帰ってしまった。
「今日も一人かぁ」
律は今日も一人で帰る羽目になることを自覚して、少ししょんぼりしていると。
「一緒に帰っる人がいない律がいる」
「なんだ、優煽りに来たならぶっ飛ばすぞ」
と軽く言ってみた。
「違う違う。俺も今日一人だから一緒に帰らないかって誘おうと思ってな」
「それはありがたいが⋯茜はどうした?」
「あーそれは⋯茜は仲いい人全員にチョコ渡そうとするからなー。今もチョコ作ってるんじゃないか?」
「女子って大変だな」
「たぶん、律にも渡すんじゃないか?友チョコみたいなやつ」
「そっか。俺はもう雪音がくれるって言ってくれてるからなあんまり気にしてなかった」
正直律は自分はバレンタインに関係を持つことはないだろうと踏んでいたのでそう言う方向のものに関しては疎いのだ。
「男子が聞いたら泣き崩れていくかもな」
と軽い談笑をしてから、律は優と一緒に学校を出た。
「こうして帰るのも四月ぶりじゃね?」
確かに五月には茜がいたし、七月には雪音がいた。
「ほんとに久しぶりかもな」
そこから、俺達はとある話題について真剣に話してその日は帰った。
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今日はバレンタインだ。
男子達が期待と絶望をする緩急が一番酷い日。
俺はいつも通り自分の席に座り次の軽くスマホを使っていた。
(今日は雪音遅いな)
いつもなすでに横に座っている雪音が今日はいなかった。
そろそろ、チャイムが鳴りそうなになった頃雪音はやっと来た。
「お、おはようございます」
雪音は息を切らしながら挨拶をしてきたので
「お、おう、おはよう。ところでどうしてそんなに疲れてるんだ?」
「それはですね。昨日ちょっと夜更かししてしまって、寝坊しちゃいました」
「思ってたより普通の理由でよかった」
「どういうことですか?」
「いや、何かトラブルに巻き込まれてなくてよかったってこと」
「ふーん。心配してくれてたんですか」
とニコニコ笑顔で言う雪音が神々しい。
目が開けられないぜ。
冗談はさておき安心したのは本当だし、嘘ではない。
「では、はい、律くん」
雪音から小さな箱を渡された。
「これって」
「チョコです。もちろん手作りです!」
「ありがとう。とてもうれしいよ」
手作りつまり⋯そういうことか!
「これはお返しが大変そうだな」
「私はうれしいって言ってくれただけでも十分です!」
「それでも、礼儀って物があるから返させてください」
「なら、私の楽しみにしておきますね」
ちなみに茜はクラスの仲のいい人にチョコを配りまくっていた。
優や佐藤は結構チョコをもらっていると聞いたが違う意味でお返しが大変そうだ。
優は茜という彼女がいるんだがそれでも渡したいってのが女子なのかも?
チョコをもらえなかった男子はというとその場で泣き崩れたり、まだ放課後があるとか現実逃避したり。
もらった人を睨んでいたりバライティ豊かだなーの見ていると睨まれるのでここらへんでやめておこう。




