六十二話 バレンタインの時期
冬休みも終わり、三学期が始まった。
始業式を終え、律は教室で一人座っていた。
すでにホームルームは終えて、律は帰る準備をしているところだ。
ところで、相変わらずの日常が戻ってきたが、少し違う部分があった。
それは、バレンタインだ。
男子達はチョコが貰えることを夢見てソワソワしている。
俺はというと一応もらったことはある。昔、雪音にもらっただけだが⋯小学生のころの話は置いておいて。
まあ、この教室もバレンタイン当日になったら阿鼻叫喚の地獄に変わっていることだろう。
「よっす律」
「おぉ、優、正月ぶりだな。だ い ぶ、お前の彼女のせいで大変だった正月ぶりだな」
「どうして、だいぶを強調して言ったんだ!?」
優はいつも通り呑気そうだ。
「まあ、お前はこの時期気にすることはないか。絶対もらえるもんな」
「そうとも。だけど、律も貰えるだろう?だって、水野さんいるじゃん」
「まあ、くれるかもしれないが⋯みんなに配りそうじゃないか?」
確かにと優も共感するところがあったのか頷いた。
「当日になったら分かるだろうし、それまで待ってればいいんじゃないか?」
「それもそうだな」
「あー、そういえば明日席替えするらしいぞ?」
面倒くさそうだな⋯
そもそも高校生になって席替えする必要はあるのだろうか?やらない高校も多くあるだろうに
「とりあえずありがとう」
「それじゃなー」
優と別れ俺も帰ることにした。
律が門のところまで行くと雪音がいた。
「遅かったです。待ちくたびれました。まあ、勝手に待ってただけですけど」
雪音は少し拗ねているようだった。
「それは悪いことをしたな」
と頭に手を置いて撫でてみた。
「ちょっと外では恥ずかしいんですけど」
「誰もいないからいいだろ?」
「律くんも強引になりましたね?」
でも、嫌がっているようには見えなかったから続けたんだがな⋯
「じゃあ、帰りましょう!」
「帰るか」
二人は道を並んで帰っていく様はなかなかのものだったとか。




