六十一話 いつもタイミング悪く(よく)来る人たち
「なんてことだ⋯」
律は空を見上げていた。
その原因は横にいるこいつら。
何言い出すか分かったものじゃないので気が緩められないのである。
「あの時、断れてればよかったのに〜」
律は絶賛後悔中だった。
時は数分前
「りっつーと雪音ちゃんいちゃついてんねぇー」
「やっぱり付き合ってるだろ⋯」
この時、律の頭の中は逃げるという言葉で埋め尽くされた。
とっさに逃げ出そうとした律は茜に腕を掴まれ、
「どこに逃げようというのかね?」
とどこか聞いたことがあるようなセリフを言いそのまま律の腕を手でロック。
(なんて馬鹿力なんだ⋯)
「誰が馬鹿力だって?」
嘘だろ心の声は漏れてないはずだ。
そのまま、捕まえる力を強められ律は悟った。
(終わったー)
◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇
そして、今に至る。
今はちょっと離れたところで雪音と茜が話していた。
「雪音ちゃん。昨日のりっつーと一緒にと
年越ししたんでしょ?」
「え、はい。どうして知ってるの」
とさっきまでの調子でで話していた。
「おー口調が緩くなってる〜。それもそれでありだねぇ。で質問の答えだけど優がみんなに聞いたのを私も聞いたからかなぁ」
と雪音はハッと口を押さえたあと
「そういうわけで⋯」
と小さくつぶやいた。
雪音はまさか見られてるとは思わなかったので、少し驚いたあと納得した。
なんたって、白い髪は夜でもよく目立つのである。そういうこともあるだろう。
茜は突然
「もしかして、二人は帰るところだった?おみくじ引いてたし」
「帰るところでしたね」
「そっかー残念じゃあお別れだね。私達まだお参りできてないから」
と茜が言い切ったあたりでちょうど律と優がこちらに歩いてきた。
「そっちの方が何話してたんだ?」
「うーん?恋バナ?」
「あっそ」
律はどうでもいいように返事を返した。
「聞いといてそれはないよ〜」
「まあまあ、茜そろそろお参り行こうぜ」
「ちぇ、雪音ちゃんファイト」
茜はとんでもない置き土産を置いて行ってしまった。
「ちょっと何言ってるんですか〜!」
雪音は慌てて長い髪を揺らしながら最後の抵抗をしたが時すでに遅し。
(律くん気づいていないみたいでよかった)
と胸を撫で下ろした。
律はこの時何のことかわかっていないのが幸いと言えた。




