五十九話 改めてお参りに
二人は今、神社からの帰り道を歩いていた。
「二人で年越しはしたけど、お参りは行くか?」
「せっかくだし行きましょう!」
と今にもイェーイというそうな感じで雪音はひっついてきた。
最近雪音は陽キャみたいな感じがする。元から陽キャだったのか?
元気そうで何よりだが
「じゃあ、明日は現地集合でいこう」
「なんですか?」
「それはそっちの方がいい気がするからだ」
と律はよくわからない理論を唱えた。
「そうですか⋯律くんが言うならそうなんでしょう」
これで納得する雪音も雪音である。
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後日律は神社で待っていた。
(いつも早く来るから逆に早めに来てみたんだが失敗だったな)
にしても賑わってるな。
お正月ということもあって人が多く集まっている神社を見て少し感嘆していると
「先を越されるとは思ってなかったな⋯」
「あ、雪音。今日は早めに来てみたんだが失敗だったか?」
すると雪音は首を横に振って
「いえいえ、今日はちょっと準備に時間がかかって」
と言われ律は少し考えたあと気がついた。
「服装がいつもとイメージが違うからか」
「よくわかりましたね。流石です」
とお茶目な感じで言ってみせた。
「ファッションとかは俺はわからないがすごく似合ってる」
律はほんのり笑って見せた。
「やっぱり卑怯ですね⋯」と雪音が言って照れていたのを見て律も赤面を食らった。
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そんなこともありながら二人はお参りの列に並んでいた。
「結構長いな」
「そうですね⋯」
今の時点ですでに十分経っている。
これが長いのか短いのかは律には判断はつかなかったが律にとってはかなり長いらしい。
「あ!あと二人ですよ!」
「やっとか⋯」
そうして、二人は並んでお賽銭を入れ、お願いをした。
(雪音と仲良くやっていけますように)
(律くんと仲良くやっていけますように)
二人はそう願ったあと少し歩きながら話した
「何願ったんだ」
「内緒です」
と少しあざとさを纏いながら
「律くんこと何のお願いしたのですか?」
「俺も秘密だ」
とお互いに隠し合っているが、実は入れたお賽銭はどちらも五円玉だった。
おたがいにまだ気づいてはいないようだが
こんな甘酸っぱい空気をだしながら二人は次の場所えと向かった。




