五十六話 メリメリクリスマス
クリスマス当日
雪音から午後七時ごろに来て欲しいと電話がかかってきたので俺は六時半ぐらいまで時間を潰していた。
「気づいたらもうこんな時間かそろそろだな」
と律は服を着替えて、部屋を片付けて準備を済ました。
「準備もできたし行くか」
と律はドアに手をかけた。
「メリークリスマスです。律くん」
ドアを開けた先にはなぜか雪音がいた。
「どうしてここに?」
「私はサプライズがしたかったんです」
と言ってラッピングされた箱を渡してきた。
「こういうのはこっそりなんじゃないか?」
「別にいいじゃないですか」
と言ったあと「こっちのほうが楽しいでしょ?」と笑っていった。
「なら、俺からもメリークリスマスだ」
と準備しておいたプレゼントを渡した。
(ほんとはこっそり部屋に置いておくつもりだったんだけど)
「うれしいです!開封は部屋に着いてからにしましょう」
と思ってたより喜んでもらえてよかったと律が安心したのは言うまでもないだろう。
そうして、プレゼント交換を終えたあと二人で雪音の家に向かった。
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「雪音の家整理されてんな」
「それ律くんがいいんですか?律くんの家も結構きれいですよね」
確かに律の家は綺麗に整理されている。
それ以前にものが少ないのである。
「俺は物欲あんまなくて、物が少ないから綺麗なだけから」
「謙遜しますねぇー」
と雪音がジト目で見てくるが気にしないでおこう。
気になるけど気にしたらダメな気がする。
「まあ、せっかくのクリスマスですし、楽しみましょう」
「張り切って準備しましたから」と両手を上げてグーとしてみせた。
「それは頼もしいな」
「そうですか?改めて言われるとちょっと照れちゃうかもしれません⋯」
と顔を赤らめて言った。
「おい、それは反則だって!」
ついうっかり声が漏れてしまった。
「え?」
「何でもないから気にしないでくれ」
と律は早口で返事を返した。
「本題に入りましょう」
と雪音が話題を戻した。
「まず、ケーキは前食べさせてもらったのでチキンを用意しました!」
「おー」
その後、律くんの誕生日にケーキは持っていくだのブツブツ言っていた。ような気がする。
「そして、実家から要らなくなったツリーを送ってもらいました」
と高さ一メートルほどのツリーを指した。
「大変だったんじゃないか?」
「私の前では無力です。出すのに一時間しかかかりませんでした」
おーいボロがでてるぞー
「頑張ってくれたのは伝わった。ありがとうな」
「えへへ」
といつもと違う感じの笑顔を見せた。
「今日はお互いに気楽にいこう」
と机の上に置いてあったコップを掴んで
「かんぱーい」
いきなりで雪音は少し戸惑ったが
「かんぱーいです」
と言ってお互いにコップをぶつけた。
口調が緩くなってきております。
変化の始まりってことです。




