三十九話 文化祭デート その一
無事に劇を終えた終えた俺は特に仕事しろと言われるわけでもなく、雪音とデート?することになった。
「えっと、どこか行きたいとこあるか?俺もう回出ないと思ってたからそっちに合わせる」
「そうですね。なら、お化け屋敷行きたいです。やっぱり定番は行っときたいです」
お化け屋敷か嫌な思い出があるが雪音の頼みなら少し頑張ってみるか。
「お化け屋敷だな、了解したじゃあ行くか」
「れっつごーです」
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「おぉ、思ってたより本格的だな」
「本当にそうですね。クオリティが高いという感じがします」
ともかく、俺はそこのクラスの人に話しかけてくれて入場券をもらった。
「心の準備はいいか?」
「もちろんですよ」
雪音は自身ありげにそう言っていたが数分後
「ガタガタブルブル」
「え?雪音さんやさっきの自信はどこへ?」
怖がりすぎて自分でガタガタブルブル言っちゃってるし。
「こんなにだと思ってなかったんです」
確かにそう言うだけのクオリティがあった。
某テーマパークのには劣っているがなかなかのものだったが横でこんだけ震えている雪音を見ていると俺の恐怖なんてしれてるんだと思わされていた結果、今のところ怖くない。
というか、これぐらいなら大丈夫だな。
そう律には耐性がついていた。
そもそも、最後にお化け屋敷に行ったのは小一の頃のことなので今となって恐怖心は消えていた。
「絶対に離れないでくださいね!」
「離れたくても離れられないだろこれ」
今の俺は思いっきり腕を掴まれていて引き剥がそうとしてもたぶん離せない状況だった。
「うぅぅ、こんなになんて」
「ぼやいてても仕方ないな。途中でやめるか?」
と出口のほうを向いていった。
「私がいい出したのに投げ出すことなんてできません」
「でも、足震えてるぞ」
「こ、これは寒いだけです」
この時期に寒いことはないだろうが頑張ってるのを否定するつもりはない。
「そういうことにしておくよ」
その後も少し物音がするだけでヒッと怯えていて。
お化け役に人が出てくるたびに阿鼻叫喚で無理やり俺を押して進んでいった。
そうして、ようやくお化け屋敷を出ることができた。
「おかしいな。教室二個分くらいの広さしかないはずなんだけど」
結局出るのにかかった時間は約四十分。実際は十五分位で終わると書いていたんだがな。
「私がゆっくりだったからですね⋯」
「まあ、得意不得意はあるし、新しい一面が見られて楽しかったぞ」
「からかわないでください!」
「悪い悪い、でも、ちっちゃい子を見てるみたいで可愛かったな」
「同い年なんですけど」
と雪音はため息をついた。
この日から雪音は見栄を張ってお化け屋敷に行くとは言わなくなった。




