三十七話 文化祭二日目
そして、文化祭二日目。
俺の思っていた通りなってしまった。
案の定、うちの親達は雪音がいる時に来やがった。
「あ、真美さんこんにちは」
「あら〜、雪音ちゃん偶然ね」
「なーにが偶然だ。時間聞いたって聞いたぞ」
「バレちゃったテヘ」
「テヘじゃないよ。ほんとに」
「まあまあ、落ち着いて律。母さんももうちょっと雪音さんと話がしたかったんだよ」
「そういうのは業務時間外で」
「雪音さん、雪音さんいつものお兄ちゃんどうしてるか教えて欲しいです」
「ごめんね、このはちゃん。そういうのはお兄さんに聞かないと」
「お兄ちゃんいいよね」
「別にいいが今はやめてくれ人手不足になる」
そう、予想していたより混んでいるのである。
日曜日であることと雪音がいることの相乗効果で客足が増えているのである。
最初はこれが嬉しい悲鳴と言うやつだと思ったが多すぎて苦しい悲鳴になりそうだ。
「すまん、もう戻らないと」
「頑張ってねー、律ー」
と母さんが言うと俺の方に視線が集まる。
(恥ずいからやめてほしい)
と思いながら俺は走って逃げた。
◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇
そんな、俺にとっての最悪なアクシデントがありながらついに劇が始まる時間になった。。
ちなみに順番は公正なくじ引きの結果俺達のクラスは一番目となっている。
「じゃあ、お前ら頑張れよ」
「任せとけ」
「雪音も頑張れよ」
「はい、演じきってみせます」
「とあるところに⋯⋯⋯」
始まったみたいだ。
「さあ俺もいろいろ準備しなきゃな」
せっせわっせと俺が準備を進めている間にもどんどん劇は進んでいった。
しかし、それは突然現れた。
積んでいたものが倒れてきたのである。
誰もいなかったらよかったのだがそこには運悪く二宮がいた。
「二宮早く逃げろ!」
「え?うわあああぁぁ」
と悲鳴が聞こえたのかクラスメイトが集まってきた。
「どうした?」
「説明はあと。これを退けるのを手伝ってくれ。あと誰か先生を呼んできてくれ」
「わかった」
「ほかは手伝ってくれ」
「いくぞ。いっせーので」
とりあえず足に乗った物がどけることはできたが二宮は大丈夫だろうか?
「立てるか?」
と俺は手を出した。
「ああ、ありがとな。うっ」
と二宮は膝をついた。
そこにちょうど先生が来た。
「大丈夫か」
「どうやら足をやったみたいです」
「とりあえず保険室だ。手が空いてるやつは手伝ってください」
「だけど、代役はどうするよ」
「みんな手が空いてないし覚えてるやつなんているか?」
「なら、俺がやるよ」
「できるのか」
「念の為覚えておいた」
すると総括していた女子が
「白月くんなら顔もいいし覚えてるな⋯わかったお願いするよ」
俺の苦労は無駄にならなかったみたいだ。
「じゃあこっち来てくれる?衣装着てもらうよ。あと誰かあっち側に代役のこと伝えておいて」
なんか、女子版佐藤って感じだな。
「じゃあこれ着てね」
と渡されたのは本来の二宮が着る予定だった衣装だ。
「体格は近いし何とかなる」
そして、俺は衣装を着て舞台に出る前まで来た。
「そうそう、二宮くんから伝言。『悔しいけど俺は出れないし水野さんにはおまえがお似合いだ。おまえに託した。』だって」
「なら、期待に応えなきゃな」
俺の家族はどんな反応をするだろうか?
どんな事は考えながら俺は舞台に出た。




