三話 ちょっとした雑談
しばらく経って俺は昼食を食べ終わった。
水野はすでに食べ終わったらしくこちらを覗き込んでいた。
「どうした?」
「いえ、きれいに食べるなーと思って。」
初めてそんなことで褒められた。
「そうか?」
と言っても実は俺一人暮らしである。
嫌いなものは弁当に入れても少なくするし、本当に苦手なものは入れない。
一人暮らしをしてるのは中学校時代少しいろいろなことがあったから。
そんな事を考えていると水野が話しかけてきた。
「あの、白月さんにお願いがあるのですが。」
「なんだ?」
と聞くと
「実は、私に料理を教えてほしいんです。」
と頼まれた。
「どうして俺なんだ?」
と聞いてみた。
「実は、私今まで二人っきりで話すような友達がいなかったんです。」
「みんな私の外見で最初近寄ってきます。だからです。」
「なので、白月さんは私にとって初めての外見とかで判別せずに話してくれるので信頼するに値する人です。」
「それはどうも。」
聞いている感じ水野は水野で苦労しているらしい。
「本題からずれましたね。」
「なぜかと言うと、今さっき言った等と信頼しているのと家から近くに住んでいるからです。」
「一個目の理由はまだしも二個目の理由がわからん。」
「それはですね、家から材料を持ってくるためです。」
なるほど、彼女なりの気づかいらしい。
「ところで何を教えてほしいんだ。」
「料理全般です。」
なんと曖昧なと思った。
「見ていた感じ、白月さん一人暮らしですよね。といゆことは、弁当を自分で作っているますね。」
「ああ、そうだ。」
「白月さんのお弁当おいしそうだったので。」
そうゆう理由だったか。
「ところでいつ教えればいい。いや、ちょっと待て俺の家でやるのか?」
今更だが気付いた。それはマズイのでは?
「もちろん白月さんの家でしますよ。こちらは頼んでいる側なので。」
まあ、大丈夫か。
「まあ、わかった。いつやるんだ。」
「今週末の日曜日なんてどうでしょうか?」
なるほど日曜日か。空いていたはずだ。
「家に来るなら、日曜日の一時にマンションの前の公園で待っていてくれ。材料は準備しておく。」
「いえ、それはいけません。」
と言われたが
「外でこんなかわいい女の子がスーパーの袋を持って待っているのはおかしいだろ。」
この時は気づかなかったが水野は「かわいいなんて」と顔を赤らめていた。
しばらく経ってチャイムが鳴った。
「じゃあ、また今度。」
「はい、また今度。」
と言って水野と別れた。