二十八話 おうちにご招待
後日、雪音が家を訪ねてきた。
ちなみにこのは達はすでに帰っていった。
なんか用事があるとか。
「こんにちは律さん。それではついてきてください」
というわけでついていくことになった。
しばらく歩いて、俺が何も喋らないからなのかその空気に耐えかねてか
「どうして無言なんですか」
と言われた。
「どうしてて言われてもな。話す内容が⋯。」
「何かあるでしょ!」
「何かあると言われてもな。強いて言うなら今通ってる公園でお前と出会えてよかったってことぐらいかな」
すると、雪音は顔を真っ赤に染めて。
「急に恥ずかしいこと言わないでください。律さんのばか。次はありませんよ」
と忠告を受けた。
「次から気をつけます」
そんな可愛い姿を見ながら歩いているともう着いてしまった。
「早いな」
「それはお向かいですから。ちなみに部屋番は同じです」
「不思議な力でも働いてるのか?」
ちなみに俺の部屋番号は604号室だ。
「まあ、いいじゃないですか。ベランダに出ればいつでも会えますよ」
「それはいいことなのか?」
「どうでしょうね。学校では実は少し寂しがってる人のはちょうどいいですよ」
「おちょくってるのか」
まあ早く行きましょうと雪音がマンションのオートロックを解除して、エレベーターに乗った。
ちなみにここのあたりのマンションは少し特殊だから公園を挟んでベランダが向き合うということになるのだろう。
というのは、昔建っていたのは俺の方のマンションだけでこっちはあとからできたマンションで、立地の問題でこうなったらしい。
日の当たりがどうとからしいが詳しくは知らない。
「着きましたよ」
連れられるまま歩いていていたら、着いてしまったらしい。
「さあ、上がってください」
「ん、お邪魔します」
雪音の家は本人のイメージに合わせてか白を基調としていた。
「リビングで少し待っていてもらえますか」
「わかった」
すると雪音はクッキーを持ってきた。
「料理は今頑張ってますがお菓子作りは得意なんです。ぜひ食べてくれるとうれしいです」
と渡されたのはすべて均等にサイズが揃っているクッキー達だった。
「普通においしいな。というか市販のよりおいしいと思う」
「それはうれしいことを言ってくれますね」
「お世辞じゃなくてほんとにおいしい」
「作り方お教えしましょうか?」
「せっかくだからな。教えてもらうよ」
「これで私たちもお互い様です」
と嬉しそうに言った。
その後、俺はクッキーの作り方を教わって、その礼に
料理のレクチャーをした。
そうして数時間が経った。
「ふう、少し休憩しよう」
「そうですね。休憩しましょう」
「なあ、俺は雪音に感謝してるよ」
「と、突然なんですか。照れくさいです」
突然だったのか雪音は少し驚いていた。
「雪音のおかげで俺の中考え方が変わったんだ」
「まさか」
「うん、俺頑張ってみるよ」
雪音はさぞかし嬉しかったのか笑顔で
「私も一緒に頑張りますから頑張りましょう」
俺はいずれ変わらなくてはいけなかった。だから、頑張ることにした。
その日から俺は変わる努力を始めた。
まず、伸び切っていた髪を切って髪を整えた。
次に猫背を治すことにした。
これはすぐには治らないから毎日努力した。
他にも、ボソボソ話すのをやめたりもした。
そんな俺を雪音はずっと横で支えてくれた。
こうして始業式の日がやってきた。




