二十六話 妹と弟
そんな話をしていると
インターホンが鳴った。
「すまん」
「いいですよ。行ってきてください」
「はぁーい」
「お兄ちゃんき⋯」
俺はドアを思いっきり閉めた。
そして抑えた。
「どうしたんですか」
と雪音が近寄ってきたが
「いや、ちょっとな」
「ちょっとお兄ちゃんどうして閉めるの」
「今はダメだ。お前の醜態をさらすわけにはならない」
「あの、大丈夫ですか?」
「あ、ああ、大丈夫だ」
だがしかし、この瞬間俺の力が緩んだのか押し切られてしまった。
「おにーちゃーん」
と俺にこのはが飛びかかってきた。
「お兄ちゃん聞いて私彼氏で来たんだよ」
「お、おう。よかったな」
その後雪音に気づいた。
「この人誰?」
「あ、いやな」
そして、男の子が入ってきた。
「お邪魔しますって、え!?姉さん」
「え?晴也?」
と雪音と彼は同じ反応をした。
ん?ちょっと待てよ。
俺と雪音が一緒にいて、こいつが俺の妹で、さっきの男の子が雪音の弟?
「どういうことか分かるか」
と雪音を見た。
「いえ、何が何だか」
「とりあえずリビングで話を聞こう。妹よちょっとどいてくれ」
「ちぇー、わかったよお兄ちゃん」
◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇
聞きたいことが山積みだ。
あの超がつくほどブラコンだったこのはが彼氏を作っていたり、その子が雪音の弟だったり色々だ。
聞きたいことが山積みなのはあちら側の同じらしくお互いに話をすることにした。
「えっと、まず聞くが二人は恋人なんだよな」
「そうだよお兄ちゃん」
と元気な返事が返ってきた。
頬をつねってみたが痛い。現実だ。
「ところでお兄ちゃんそこの女の人とはどんな関係?」
「僕も思ってました」
と晴也くんも聞いてきた。
「ここは私が。私たちの関係は?と言っていたけど私たちがただの友達です」
「「友達の距離じゃないよね」」
と指摘されてしまったがたまたま近かっただけだ。
俺達は今、俺と雪音が隣。で向かいに二人が座っている。
「つまり、姉さんとそこの人は友達で遊びに来ていただけだと」
「ああそうだ。俺はそこの人じゃない白月律だ。よろしくな」
「あっ、僕は水野晴也です。よろしくお願いします」
なら私もと雪音も
「私は水野雪音です。名前の通り晴也の姉です。よろしくね、このはちゃん」
「なぜ私の名前を知っているかは分かりませんが、白月このはです」
「でさ、このは俺が家を出てから何があったんだ」
「それはね。お兄ちゃんが家を出てってからわたし悲しくて学校でもひとりですごしてたの。そんなときに晴也くんが話しかけてくれて仲良くなったんだ」
「なるほど。晴也くん妹のことありがとうな」
「いえ、大したことはありませんよ」
と照れながら言った。
二人とも幼い感じが残っていて小学生六年生と言われても多分築かないと思う。
あと、二人は似た者同士みたいだしピッタシだと思った。
そんな事を考えていると妹から爆弾発言が飛び出てきた。
「二人は付き合う予定なの?」
「ぐほっ」
変な声が出てしまった。
「え、あ、いや、うん友達だよ。友達。」
「そ、そうです。友達です」
「えー、似合うと思うけどな」
「そうですよ。自信持ってください。白月さん、姉さんは褒められるのに弱いからどんどん褒めてあげてください」
「ちょっと、何言ってるんですか」
と雪音は慌てている。
そんな中このはが。
「実際どれくらいまで進んでるんですか?」
「精々名前呼びぐらいだ」
「ふーん、これから頑張ってね。私お姉ちゃん欲しかったんだ」
と呑気なことを言っている。
「ところでなんで今日はこっちにいるんだ」
「お兄ちゃんに合いに来たんだよ。晴也くんも雪音さんにあいに来たんだって。約束してないのに会えるなんて運命かも」
「そんな事を母さんたちが許すわけが」
「いや、普通にオッケーだって」
マジかうちの親。面倒事になりそうだから止めておいてと言っておいたのに無視しやがった。
「じゃあ用事が終わったな、ちゃんと帰れよ」
「ちょっと待ってよ。今日泊めて?」
「は?何言ってんだ?普通に無理だぞ」
「そこをなんとか。それこそ許可もらわないと」
「許可あったらいいの?」
するとこのはは誰かに電話をかけ始めた。
その相手は母さんだったらしく二つ返事でオッケーだとのことだった。
「嘘だろ」
「やったー、今日は泊まりだ」
「てか、荷物どうするんだよ。」
と聞くとこのははカバンを指した。
「大丈夫持ってるから」
「なんでこんなに用意周到なんだ」
俺が頭を抱えていると晴也くんがやってきた。
「ごめん、このはちゃん。僕今日姉さんちに泊まるから一緒に帰れないや」
「ああ、それなら心配ない。こいつは今日うちに泊まるから明日一緒に帰るといいよ」
「そうですか。教えていただきありがとうございます」
「晴也くんも雪音と一緒で礼儀いいな。このはも見らなってほしいよ」
「いえいえ。ところで突然でなんですが、姉さんをよろしくお願いしますね」
「ん?ああ、分かった」
「少し聞きたいのですが、姉さん学校ではどうですか」
と部屋の隅の方で羞恥心が限界で縮こまっている雪音を見た。
「雪音は皆の人気者だよ」
「そうですか。もし、無理してたら支えてあげてくれますか。姉さんはほんとはそこまで人付き合いが得意ではありませんから。」
意外でもなかった。
本人も猫を被っているって言っていたしな。
「名前呼びするぐらいには仲のいいようですしね」
と晴也くんは付け足した。
「分かった。代わりにこのはが暴走しないようにお願いできるか?」
とスマホをいじっているこのはの方を見た。
「もちろんですよ。僕だって彼氏ですし、任せておいてください」
「うん、頼んだ。あと連絡先交換しないか?時々でいいから妹の事伝えてほしい」
「分かりました。お互い様ですね」
と密かに俺達は同盟を結んだ。




