二十三話 今までとは違う夏休み
とうとう、デート当日だ。
「どうすんだよ」
うちの学校の男子生徒が聞いたら殺されるかもしれない。
「うーむ、俺にこんな日がくると思ってなかった。」
というわけで一時になりそうだ。
ヤバいぞ。なんもわからん。
「冗談ならまだ気が楽だったんだがな」
とか色々言いながら家を出た。
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公園に行くとすでに水野がいた。
「待たせたか?」
「今さっき来たばっかですよ」
「でも、前科があるからな」
少し前、料理を教える約束をして水野は約束のかなり前から待って熱中症になるということがあった。
「今回は大丈夫です」
「ならお前を信頼しよう」
「じゃあ行きましょう」
そして、俺たちは歩き出した。
「そういえば、相談ってなんだ?」
「それは後でで。どんな映画みたいとかはありますか?」
「特にないな」
という会話をしながらショッピングセンターに向かった。
しばらく歩いて俺たちは、ショッピングモールについた。
で映画館。
「何見るんだ」
「それですね。これです」
と見せてきたのは有名なアニメの劇場版だった。
「へー、こういうの好きだったのか」
「変ですか?」
「いや、俺もこういうの好きだしな」
「じゃあ仲間ですね」
意外な共通点だった。
意外と話が合うのもこういった理由があるのかもしれないな。
というわけで映画を一緒に見た。
普通に見ようと思っていったから普通に楽しかった。
「楽しかったですね」
「ああ、ほんとに楽しかった」
「楽しんでいてよかったです」
そっか俺は、心から楽しんでいたのか。
「では、買い物をしましょうか」
「そうだったな」
「白月さんはいつもちょっとつらそうだったので良かったです」
「そんなことはないと思うんだがな」
「気づいてないだけで学校でつらそうな顔してますよ」
そうだったのか。水野はずっと俺を励まそうとしていてくれたのか。
「ありがとな」
「何のことか分かりませんが良かったです」
と水野は首を傾げながら言った。
「ところで相談ってなんだ?」
「えっと、プレゼントをあげたい人がいるのですがそれですね」
「へぇ~、いいなそれ。でどんな人に送るんだ」
「いつも親切にしてくれる人です」
とちょっと間を開けてから教えてくれた。
なんだったんだあの間は?
「そっかなら、日用雑貨とかがいいかもな。例えば、石鹸とかキーホルダーとかだったら喜ばれるかな」
まあ、俺目線だけど。
「そうですか。買ってきますね」
「わかった。そこのベンチで待っとくよ」
そして、俺は水野を見送ってベンチに座った。
一息ついていると聞いたことある声が聞こえてきた。
優と茜だった。
「あれりっつーじゃん。何してんの?」
「お前らこそ何やってるんだ」
「それは明日に備えてお菓子とか買ってるんだよ」
と優はビニール袋を指した。
「でだ、お前は何やってる」
「人を待ってるんだ」
「え?こんなところで。はっ、まさかデート?」
「まあ、そうかもな」
「え、マジか。相手誰なの」
ちょうどその相手が帰ってきた。
「白月さん、待たせましたって、あれなんでお二人がいるんですか?」
「まさか、水野さんか」
「そうだな」
「「えーーーーーーー!!!」」
「いや、薄々気づいてたけどそこまでとは」
「誤解するな、付き合ってないからな。ちょっと買い物を一緒にしてるだけだ」
「そうなの?」
と茜が聞いた。
「ええ、そうですよ。ちょっとした買い物です」
「そうなんだ~。もう、二人とも隅に置けないな〜」
「じゃ、俺たちこれで。明日はよろしく」
「待ってるからちゃんと来いよ。歓迎するとは限らんが」
「ちゃんと歓迎してくれよな」
「ばいばーい、二人とも」
という感じで二人は帰っていった。
ふと、水野の方をみて聞いた。
「何買ったの」
「見れば分かります。はい、プレゼントです」
「俺にだったのか」
「はい、本人に聞くためとはいえ回りくどかったですね。まあ、中身を見てください」
「こういうの逆だと思うんだけど」
「気にしたら負けです」
そして、俺は袋を開けた。
入っていたのは今日見た映画のキャラクターのキーホルダーだった。
「ありがとう。うれしいよ」
「これはお祝いということで。あと、今日から白月くんと呼んでいいですか?あ、いえ、なんか堅苦しいのは嫌だったので。その代わり私も名前呼びでいいので」
「だったら俺も名前呼びされるのが平等じゃないか?なら俺も優たちみたいに律でいいよ」
「わかりました。律さん」
「ああ、よろしくな。雪音さん」
こうして俺たちは仲を深めた。




