二話 陰キャくんと昼休み
また、学校かぁー
昨日色々なことがあったけど、彼女とはもう関わることもないだろう。
「よう、律相変わらず元気ない顔してんな。」
「元気なくて悪かったな。」
「おっはー、りっつー。」
「おう、おはよう茜。お前ら、ほんと仲いいよな。」
この金髪女子は優と同じ数少ない親友の広瀬茜。
こいつも俺が話せる数少ない人間の一人だ。
まあ、優と話してるうちに仲良くなったんだが。
この二人は幼馴染らしく仲が良い。
「ねえ、りっつー。」
「なんだ。」
「彼女でも作ったらこの元気のない顔が明るくなるのかなーって思って。」
昨日の優と同じこと言ってやがる。
さすが幼馴染と感心した。
「昨日、優言われたよ。お前にも一応言っておくが。俺には無縁のものだ。」
「そだよねー。」
「それは少し律が可哀想じゃないか?」
「お前も行ってじゃねえか。」
「俺は男だからいいの。」
なんだその理由は。
「でも、りっつー元がいいから行けそうだけどなー。」
「じゃあ俺等はそろそろ行くわ。」
「わかったじゃあな。」
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それからは特に何も起きず昼休みになった。
今日は二人は学食だから一人で昼食だ。
「昼休みは何して過ごそうかな。」
「あの、白月さん」
と考えている誰かから話かけられた。
「ん?こんな時に誰って。水野か。どうした?」
「この前包帯巻いてもらいましたから返しに。」
と手渡されたのはまだ新品の湿布だった。
「包帯は売ってなかったので湿布です。数が少ないようでしたので。」
「返すにしても、多くないか?」
「これぐらいでいいのです。」
「なら遠慮なく。」
と湿布を受け取った
「あと、もしよいなら一緒に昼食を食べませんか?」
一人はやっぱり寂しいので嬉しかった。
でもなぜ俺に?
水野なら一緒に昼食を食べる人はいっぱいいるはず。
「わかったでも、いつも一緒に食べてる人とかいるんじゃないか?」
「いえ、いつも一人です。」
すると少し彼女の顔が暗くなった。
「聞いて悪かった、すまん。」
すると、「いいんですよ、そこまでのことではないので。」
「暗い話は置いておいて、じゃあ食べましょう。」
その時気づかなかったが教室のドアから二人の人影が覗いていた。
優と茜だった。
「おい茜、あの律が女子としかも水野とだぞ。」
「ついにりっつーにも春が来たんだね。」
「いいもの見れたね。」
「じゃあ、邪魔しちゃわりぃから他のところ行こうか。」
「そだね。」
こうして俺の昼休みがが始まった。