十六話 初めての親友との出会い
本日二話目
昨日勉強会をした後、そのまま気疲れしたのか寝てしまった。
今までこんなことはなかった。
だって六時だったんだぞ。
まあ、そんな事がありながら今日も学校に登校した。
「よう、律。突然言うのもなんだがノート見せてくれないか?」
「お前学校休んでたっけ?」
優のやつ無駄に健康だから欠席することはないだろうなといつも思っているから別の理由だろうが。
「いや~実は授業寝てて書いてなくてさ」
こいつこれで抜き打ちテストとか点数いいのなんでなんだ。
「なら、お前には幼馴染って言う頼れる人間がいるだろ」
と教室の前の方で水野と話してる茜を指した。
「茜がまともにノート取ってるとでも思っているのか」
「読めないだけだろ。幼馴染パワーで何とかしろ」
茜は授業はまともに受けてノートも取っているがまあ、字が汚い。
俺も一度見たが読むことが不可能だった。
本人曰く、自分が読めるからいいとのことだった。
「そんなぁ〜、頼むよ、一生のお願いだよ。それとも、親友を見捨てるのか?」
「お前なのでそんな急いでるんだよ」
すると優は後ろの黒板を指さした。
「今日はノート提出があるんだよぉ〜」
と珍しく弱々しく言ってきた。
てか、そうだったんだ。
「はぁ、しゃあねえな。ほらよ」
と俺はノートを渡した。
「感謝するぜ!心の友よ」
全く現金なやつだ。
そういえば、初めて話をした理由も同じだったな。
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そいつは突然来た。
「なあ、お前名前なんて言うんだ」
「白月、白月律だ」
この頃も相変わらず素っ気なかったと思う。
「おっと、俺は山本優だ。よろしくな」
この頃の俺はこいつを鬱陶しい奴ぐらいにしか感じていなかった。
「でさ、ノート真面目にお前取ってる?」
「取ってるけど何」
「見せてくれないか?」
「勝手にしろ」
と俺はノートを投げた。
「ちゃんとお礼するから」
と言って去っていった。
どうせ誰もそんなことしない。
俺のことなんかすぐ忘れられて一人になるだけだ。
そう思っていた。
その日の昼休みそいつは来た。
「おお、白月探したぞ」
「何の用だ」
ほらよっととジュースを投げてきた。
「なんだよこれ」
「え?お礼だろ。俺言っただろ『ちゃんとお礼はするって』」
こいつ律儀に礼を返しに来たのか。
そんなやついるのかと思ったのを覚えている。
このころの俺は誰の信じちゃいなかったからな。
「なあ、一緒に飯食わないか?」
「勝手にしろ」
このころの口調は勝手にしろだった気がする。
そうして俺達は一緒に飯を食った。
その日から優は俺に絡むようになり、俺と打ち解けて友達になった。
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