十一話 律の過去 その一
律の過去の話の始まり始まり〜
約四年前
俺は小学六年生だった。
あの頃はまだ明るくて純粋だったと思う。
そんな俺は昔から母に「困ってる人は助けてあげなさい」と言われていた。
そんな俺の小学校時代は悪いものではなかった。
友達もたくさんいたし、親といっしょに暮らしていたから何かあったら親に相談できた。
そんな俺はある日見た、公園で女の子がいじめられているのを。
いじめてるのは俺の小学校でも名が知れ渡っている同学年の男女だった。
男子の方は瀬野、女子の方は安田というらしい。
その時、俺はとっさに体が動いていた。
そいつらと女の子の間に割って入りこう言ってやった
「何人も集まって一人の女の子をいじめるなんてダサいぞ」
「何だよ、お前に関係ないだろ」
「だからって蹴ったりはよくねぇよ」
「こいつが私たちのことを無視したのが悪いのよ」
「こんなことして恥ずかしくないの」
「そんなことないね」
手強いな、ならと最終兵器を出す
この時、小学生にしては珍しくスマホを持っていた。
うちが裕福で良かったと思う。
「学校に連絡しちゃおうかな」
とスマホを見せた。
すると瀬野は舌打ちして
「冷めたわ、行くぞ」といって去っていった。
その後倒れていた女の子に声をかけた
その子は水野と同じような白色の髪の持ち主だったから印象に残っている。
でも、名前は違うはずだから多分別人だけど。
「大丈夫?」
「どうして助けてくれたの?」
と聞いてきた。
だからこう答えた。
「当たり前だから」
「そう?でも、ありがとう」
ふと、俺は公園の時計を見た。
「やば、塾に行かなきゃ」
「次は気をつけてね」
「何かあったら見かけたら相談してくれていいよ。じゃあね」
「うん、ばいばい」
その後案の定塾には遅刻した。