SF作家のアキバ事件簿224 ミユリのブログ ヲタ恋のスパイス編
ある日、聖都アキバに発生した"リアルの裂け目"!
異次元人、時空海賊、科学ギャングの侵略が始まる!
秋葉原の危機に立ち上がる美アラサーのスーパーヒロイン。
ヲタクの聖地、秋葉原を逝くスーパーヒロイン達の叙事詩。
ヲトナのジュブナイル第224話「ミユリのブログ ヲタ恋のスパイス」。さて、今回は覚醒したエスパーを狩る秘密組織が登場、ヒロイン達はその影に怯えます。
一方、主人公やヒロイン達も、秋葉原の地下に潜って秘密と向き合う人生を強いられます。エスパー達をめぐる警察と秘密組織の確執、そして、恋の行方は…
お楽しみいただければ幸いです。
第1章 眠れない夜
"アキバで働くミユリのブログ 4月1日。別にメイドが全員やってるからじゃないけど…何となく始めたブログ、実は結構ハマってるカモ。今、窓辺で星空を見上げてるけど…昨日までの星空とまるで違って見えるの。そうょ。あの日から何もかもが一変してしまった。テリィ様が「また秋葉原で」でとおっしゃったのは、どーゆー意味かしら?ソレは、今日も御帰宅スルという意味?それとも、大した意味はなくて、ただのメイド相手のお愛想?テリィ様は今、何をなさってるの?私と同じく、どうなるのか不安でやはり眠れない夜を過ごしてらっしゃるのかしら?"
☆ ☆ ☆ ☆ ☆
スミマセン、熟睡してる。ところが…
カタリ…物音。薄く窓が開く。僕は脳を覚醒させながら、壁に立てかけてたパンツァーシュレッケに手を伸ばす。
誰だ?
スルスル…窓が開く。何者かは部屋に入って来るつもりらしい。僕はパンツァーシュレッケを構える。
発射トリガーに手をかける。
「誰だ!」
「ヤメて!私よ」
「マリレ?」
先週、知り合ったばかりのメイドだ。
「おいおい。メイドの夜這いかょ。また、御屋敷で何かモメたのか?」
「うん…少し眠れなくて」
「やれやれ、寝袋か」
僕は、瞬時に迷えるメイドにベッドを譲る決心をして、床に来客用?の寝袋を敷いてくるまる。
「寝ろょ」
「テリィたん、スゴい」
「未だ指1本触れてナイけど」
笑顔を見せるマリレ。
「そーじゃなくて…南秋葉原条約機構に追われてる私を匿って、よく眠れるわね」
「原始力だからな…ってか、SATOが追ってるのはメイドじゃなくて地底人類の僕だ」
「地底人は妄想でしょ?ソンなコトよりミユリ姉様が見た巨乳女の写真は、秋葉原にエスパー仲間がいるって証拠なの。きっと時空トンネルを通って地下に潜った生き残りだわ」
メカゴジラ -2.5では"ブラックホール第2.5惑星人"のUFOが時空トンネルを通って侵攻スルがアキバに墜落したとの設定になってる。
「その巨乳女なら、私達が何者かをきっと知ってる。ひょっとしたら元の時空に帰る方法だって」
「マリレの気持ちはわかる。だけど、その写真が万世橋にアル以上、手も足も出ない。だから…今は寝るしかナイんだ」
「ROG」
☆ ☆ ☆ ☆ ☆
アキバに今年のアヲデミー賞を総ナメにした"メカゴジラ -2.5"のコンセプトカフェをOpenさせたら世界中からインバウンドが推し寄せて大繁盛だ。
古株メイドのスピアがミユリさんにボヤく。
「この大忙しの中でも、私はメイド長であるミユリ姉様の正体は何も知らないのよ。マジでホントは緑のタコでぐにゃぐにゃなエスパーなのカモ」
「そうカモね」
「特に不気味なのは、実はエスパーでアル姉様達のパワーよ。鼻をヒクつかせるだけで私達を消しちゃうカモ」
「そうカモね」
「よく平気でいられるわね。首を絞めてやりたいわ。姉様は、マジでエスパーなの?」
ミユリさんは、スピアの口を慌てて塞ぐ。トイレに行く客が傍らを通り過ぎ、怪訝な顔で2人を見る。
「インバウンドの前でエスパーとか逝わないで」
2人は銀ラメのコスモルック。メタルのミニスカートに黒サングラスでアキバ侵攻中の"ブラックホール第2.5惑星人"のコスプレだ。
「問題は…その、あの、姉様がエスパー、じゃなかった"ブラックホール第2.5惑星人"ってコトよ。善玉か悪玉かもわからないのょ?」
「"ブラックホール第2.5惑星人"なら悪玉に決まってるだろ?侵略宇宙人だぜ?」
「テリィ様!」
ボックスシートから顔を出したら2人は驚きの声を上げる。オーナーなんだ。何処にいても良いだろ?
「メイドさん達、誰の話をしてんの?」
「別に!」
「ホラ。また"ブラックホール第2.5惑星人"が現れたぞ」
指差す先に窓から御屋敷の様子を伺うマリレ。因みに、彼女は別の御屋敷のメイド服を着ている。
「誰かを探してるのかしら」
「こーゆー時は路面店って便利だな」
「キミ悪。オーナー、万世橋を呼んでょ…もしかしてホームレスかしら」
1つ"ブラックホール第2.5惑星人"について、わかったコトがアル。
ソレは、彼女達は、みんな何処か悲しい目をしていると逝うコトだ。
第2章 エスパー狩り
ナイトのシフトが始まる前の5分間、コンカフェではキャバの朝礼みたいなミーティングを実際スル。
「あれ?誰?」
「私はトポラ・スキー。繁忙でホールに専念するコトになったメイド長のミユリさんの代理です。ココが"ブラックホール第2.5惑星人"のUFO墜落で有名な秋葉原ね。朝礼を始める前に1つ聞かせてくれる?みんなは"ブラックホール第2.5惑星人"のアキバ侵略を信じてる?」
乾いた笑い声が起こる。
☆ ☆ ☆ ☆ ☆
ナイトシフトを狙って御帰宅。
「おかえりなさいませ、テリィ様!」
「ミユリさん、あの新しいメイド長って、実はヲーナーの僕も良く話は聞いてナイんだ。まさか気を悪くしてないょね?」
「私は元気です…と言うか普通に戻りました。ごく普通のメイド生活に」
ミユリさんの方から粘着して来る。
「でも…新しいメイド長が少し変、と逝うか、不自然なのです。私がエスパーだと気づいてるのカモ」
「考え過ぎだょ。疑われてるとすれば地底人を名乗ってる僕の方さ」
「テリィたん!特定のメイドに粘着禁止ょ!」
スピアが割り込む。実に邪魔w
「ミユリ姉様もお給仕ょ!"ホットファッジ出撃"を3番テーブルにお願いします!」
ミユリさんの腕をとって連れ去る。
☆ ☆ ☆ ☆ ☆
万世橋警察署。
「おはよう、ラギィ警部」
「え。あ、どうも」
「お邪魔してます」
出勤して来たラギィは、ホールに折り畳みチェアを出して座っている、紫ウィッグの女に挨拶される。
「アレ、誰?」
「南秋葉原条約機構のナーニさんです」
「SATOが何の用なの」
ラギィは小声で受付の婦警に尋ねる。
「アソコで何をしてるの」
「さあ?朝7時からずっと座ってます」
「何しに来たのかを聞いた?」
受付の婦警は頭をヒネる。
「聞いたのですが、通常通り仕事してくれと言われまして」
「そう。それでその通りに仕事してるワケね?良い心がけだわ」
「はぁどーも」
皮肉に唇を噛む婦警。ラギィはSATOの方を向く。
「ラギィ警部です。身分証を拝見」
「どうぞ…ある任務でココに来ました。私のコトは気にせず、お仕事されてください」
「SATOが座り込んでいたら、もう既に通常ではナイの。私は、そんな無神経な人間じゃアリませんので」
今日のラギィは皮肉連発だ。
「でも、この椅子を離れるなと言う命令ナンです」
「しかし、ココはSATOの管轄ではナイわ。わかったら、今すぐ立ち上がってココから出て行って…あ、その椅子は持って行ってもOKょ」
「…」
しぶしぶ立ち上がるSATO。
☆ ☆ ☆ ☆ ☆
日が暮れて御屋敷はますます繁盛…じゃなかった、大混雑で、メイド達は目が回るような忙しさだ。
「あのメイド長、実はメイド長じゃなかったりして」
「人は、みんな見かけと違うわ。コレ常識だから」
「そう。じゃ忘れて」
忙しなくランパで夕食を摂るメイド2人。古株メイドのスピアとミユリさんだ。
「SATOが送り込んだスパイだったりして。よくアル話だと思わない?」
「やっとノッて来たわね?じゃ任務は何?」
「ズバリ"エスパー狩り"ょ」
ミユリさんは困惑顔だ。
「あらあら。じゃ私はアキバの地下に潜らなきゃ。ねぇスピア。私達が"覚醒"してるコトは誰にも話しちゃダメ絶対」
「絶対?姉様と言えども私に命令しないで。でも、テリィたんになら話しても良いでしょ?モノごとを客観的に見てくれるわ。やっぱり、あのメイド長は危険ょ。SATOが送り込んだ"エスパーハンター"に間違いナイわ」
「そうしたら、スピアも共犯ね。エスパーを匿う人類の裏切り者だわ。でも、確かにテリィ様になら…」
2人は、御帰宅したばかりの僕の方を見る。
「実は、僕は地底ゴム人間ナンだ。極秘だぜ…」
僕は腕を首に巻きつけ逆さにヒネる。傍目には僕の腕はゴムのように首にからまり…いたたたw
「何だかウチのメイドに笑われてるけど…」
「まぁ確かにちょっとヲマヌケかもねクスクス」
「私の元カレをバカにしないで」
☆ ☆ ☆ ☆ ☆
コンカフェの営業が終了。メイド達は着替え家路につく。裏口から私服で外に出ると街灯の下に人影…
「…ミユリ姉様。出待ちされてる。カレルだわ。私達目指して接近中」
「え。乙女ロード時代のTOナンだけど、私狙いかしら」
「100%そうでしょ」
顔をシカめるミユリさん。
「嫌だわ」
「どーする?」
「池袋時代は、確かに私のTOだったけどソレだけょ。彼にとっても私にとっても黒歴史」
名前を呼ばれる。呼び捨てだ。
「ミユリ」
「あら、マハラジャ?」
「会いたかったょミユリ!」
いきなり熱いハグ。
「だって」
笑いながら去るスピア。
「ミユリ。お互い正直に話し合わないか?」
またdeathか?とウンザリ顔のミユリ。
「ヲタ友にも相談したけど、時間は守るべきだ。今はもう君のTOじゃないが、レイブに誘ったのはミユリの方だ。元TOを待たせちゃダメだろ。いや、どーでも良い相手なら、僕だって構わないさ。でも、君は違うんだ」
「カレル。悪いけど、続きはまた後で話さない?ちょっち急いでるの。逝かなきゃ」
「あ、ごめんなさい…あら?出待ち?出待ちは即、出禁にしますが」
裏口から出たトコロでミユリに追突したのは…メイド長のトポラだ。手にしてるスマホを取り落とす。
「え。出禁?ソレは勘弁…ミユリ、やっぱりココで失礼スルょ。また明日」
「貴女、ミユリね?私、記憶力が良いのょ」
「トポラさん。私服メイドの顔と名前が直ぐ浮かぶンですね」
邪魔者が消え暗い夜道にメイド2人。
「仕事柄ょ。最低300人までは覚えられるわ」
「…スマホが落ちてます。拾います」
「あら。良いのに」
ミユリさんが拾ったスマホに…マリレの画像w
☆ ☆ ☆ ☆ ☆
東秋葉原にあるランジェリーメイドパブ。
「おかえりなさいませ、御主人…あら、ミユリ?」
「こんにちわ、シャル。マリレは?」
「マリレ、ミユリが来たわょ!…話をスルなら店の裏でお願い」
ランジェリー姿にカチューシャのマリレが現れる。
☆ ☆ ☆ ☆ ☆
東秋葉原の路地裏。
「マジで私の画像だったの?」
「ええ。間違いナイわ(ランジェリーだったしw)」
「私を探してるワケね?そのメイド長、SATOのスパイかしら」
肩をスボめて天を仰ぐミユリ。
「ソレはワカラナイけど…教えとくわ」
「thank you。姉様…ところで、もしかしてシャルが姉様を体入を勧誘したりしなかった?」
「大丈夫ょ。ほら、ツルペタだから」
自虐ネタで盛り上がるw
「最近、人手不足で非巨乳にも声をかけてるの。嫌な思いをさせたらゴメンなさい」
「私こそ突然来たりしてゴメンね」
「驚いたでしょ?こんな御屋敷なので」
☆ ☆ ☆ ☆ ☆
万世橋警察署。吠えるラギィ。
「良いからつないで。ウチにSATOの捜査官を寄越したでしょ?その理由を聞きたいの…いいえ。待てないわ…明日まで待てないから、今、聞いてるの…ソレは何度も聞いたわ。だから、ちょっと…もしもし?もしもし!」
通話は切れる。
☆ ☆ ☆ ☆ ☆
ラギィは、捜査本部の古いキャビネットからセピア色に日焼けした紙ファイルを取り出して中を見る。
「しかし…デカいわ。何を食べたらこーなるの?」
ファイルの中の写真は、巨乳の谷間に光る手形がついた、例の女子の死体だ…その写真の裏にセロテープで小さな紙袋が止められてる。中を見るラギィ。
「鍵?何の鍵かしら」
ラギィは、ランチ用魔法瓶の中蓋の上に置き、外蓋を閉め、ホットドッグと一緒に引き出しに仕舞う。
第3章 飛べ!ロケットガール
夜の万世橋警察署。ラギィが退署スルのを見届けてから、コンビニ袋を下げて署に入って逝くマリレ。
「よぉメイドさん。何か用か?」
「あ。こんばんは。募金活動です。働くシングルマザーのためにゼヒ募金をお願いします…えっと、ハソンさん?このキャンディを1箱¥600で買ってもらえませんか?特に、このピーナッツ入りがお薦めナンです。おいしいですよ」
「へぇ。メイドさんもシングルマザーなのか。しかし、俺は甘いものを控えてルンだ」
絶対に控えてない太った警官の答えに、全くヒルむコトなく、帰り支度中の隣の警官にも声をかける。
「そうですか。じゃ他の人にも聞いてみても良いですか?このキャンディは…」
「おい、署内の募金は禁止だ」
「え。すみません」
☆ ☆ ☆ ☆ ☆
"メカゴジラ -2.5"カフェ。閉店間際とあって、さすがにインバウンドも姿を消し、人影もマバラだ。
「マリレ。貴女、何を考えてるの?」
「え。でも、ちゃんと言い訳も用意したし」
「どんな?」
突然ご帰宅したエアリ&マリレが何かモメてる。
「シングルマザー募金ですぅコレ買ってくださいってキャンディ売りの美少女やったの」
「マジ?」
「…で、売れたの?」
お給仕しながら尋ねるミユリさん。
「ソレが…警官ってみんなケチだから」
「貴女、万世橋の刑事達に疑われたンじゃナイ?」
「大丈夫。ちゃんと特典画像を配信しといたから」
特典画像?
「どう?ウチの御屋敷のメイド服はランジェリータイプなのょ。しかも、私のお絵描き付き…って、ソンなコトより、エアリこそ何ょその気合いの入った服?」
「勝負ワンピ。豹柄は女の戦闘服だし。私は、コレからデートでお楽しみってワケ。正直言って、私は今の生活が気に入ってるわ。来週の金曜もデートだから邪魔しないでね」
「呆れたwとにかく、聞いて。例の巨乳女の資料はラギィ警部のキャビネットの中ょ。だから、ラギィがココに御帰宅したら、万世橋の捜査本部に忍び込んで資料を見ちゃお?ね、姉様?」
ミユリさんは、マリレを見て…遠い目。
「どーやって忍び込むの?仮にも警察署ょ?」
「姉様、今まで黙ってて悪かったンだけど、私、ベルリンから脱出スル時に"V-2.5号"パックを持ち出してる」
「え!あの"V-2.5号"を?…って、何ソレ?美味しいの?」
マリレは、時間漂流者だ。1945年、陥落寸前のベルリンから"時間ナチス"と共に命からがら脱出。因みにメイド仲間のエアリは妖精w
「女子版"ロケッティア"、つまり"ロケッティヌ"はいわゆるロケットガール装備のコトで、実は私、空を飛べルンです。ソレで捜査本部の窓から入ってラギィのキャビネットを見つけ…因みに、エアリも妖精だから飛べるでしょ?もしよろしかったら、マリレも御一緒に」
「嫌ょ。警察に泥棒に入る気?防犯カメラや鍵や警報装置は?…って警察に通報スル警察はいないか」
「仮の話だけど、姉様の電撃技を使えば鍵は何でも開けられちゃうと思うの…」
他力本願寺。
「マリレ、やめてよ。姉様も困ってるじゃない。考えただけでも危険過ぎるわ」
「とりあえず、実行可能かを検討してみないと…ううん。やっぱり実行は不可能ね。私も反対ょ」
「姉様!私達エスパーが"来るべき種族"なのかどうかを知りたくナイの?私達が自分自身の運命を知る最後のチャンスなのょ?見逃す手はナイわ」
マリレも引かない。気まずい沈黙が流れる…ソコへ能天気に大声で全てをブチ壊しにかかる一般人のスピア。
「ハイ、お待ち!"ヴェリル協会ピザ"ですね?お熱いウチに召し上が(りやが)れ!」
「こんなの頼んでナイわ!下げてょ話の邪魔だわ。何なの?このカフェ」
「とにかく、オーダーが入ってるから焼いたわ。だから、食べて。残しちゃダメ。完食スルまで帰さない」
学校給食みたいだ。
☆ ☆ ☆ ☆ ☆
その夜。閉店間際に飛び込む迷惑な客。ソレは僕w
「トポラが持ってたのはマリレの画像だけ?」
「わかりません、テリィ様。他のエスパーの分も持っていたカモ」
「とにかく…ミユリさん、マリレに話したのはマズかったンじゃナイか?」
バツの悪そうな顔をするミユリさん。カワイイな。
「そーなんです。様子を見るってコトが出来ない子だから。直ぐ衝動的に突っ走るし」
「まぁミユリさんもマリレに危険が迫ってるカモと思ったからこそ話したんだろ」
「でも、私達エスパーに、どんな危険が迫っているのでしょう?」
小首を傾げる。またまた萌え。その仕草に見惚れて思考が完全停止してる僕を傍目に話は先へと進む。
「アキバに開いた"リアルの裂け目"の脅威に対抗スル南秋葉原条約機構には、"エスパーハンター"と呼ばれる秘密機関がアルんdeathって」
「ゴーストバスターズの水着、じゃなかった、見過ぎじゃナイのか?ミユリさんは、新しいメイド長のトポラが、その"エスパーハンター"だと思うの?」
「さすがにソレは馬鹿げてますが…私達は、今まで通り用心しながらアキバで暮らして逝きます。だから…テリィ様もヲ気をつけくださいませ」
うーん僕は地底人類だ。エスパーじゃナイぜ。
☆ ☆ ☆ ☆ ☆
その夜"メカゴジラ -2.5"カフェのメイド達を出待ちしていたのは…カレルではなくて、万世橋のラギィ警部だ。路地裏でメイド長のトポラと…握手?
チラ見して顔を伏せるミユリ。
☆ ☆ ☆ ☆ ☆
「閉店後の御屋敷でテリィたんとデート?!ミユリ姉様、ソレ、どーゆー意味かわかってる?」
「え。だから、テリィ様は私に何か話があるんでしょ?」
「あのね。シホンもイチゴもみんなそーやってTOと結ばれちゃってるの」
僕のオファをペラペラとスピアに話すミユリさん。女のお喋りは、大気中を光速の3.14倍で伝播スル。
「また始まった。スピア、考え過ぎょ」
「姉様、悪いけど行かない方が良いと思うの。テリィたんって、触れただけで女心の奥まで見透しちゃうよーなトコロがアル。真心泥棒なの。キスでもされた日には、もぉどーなるかワカラナイわょ」
「キスなんかされないから安心して。テリィ様は私のコトなんか何とも思ってないんだから。だって、エアリもマリレもジャンジャン夜這いをかけてるのに、私は全く進展ナシ。この前もこのママで逝こうって念を推されたばかりょトホホ」
笑い飛ばすスピア。
「だ・か・ら!閉店後の御屋敷デートに行ったら、マジでソレだけじゃ済まないのょ」
「ソレってメイドの常識ょね」
「お黙りメルク、横から口を挟まないで…とにかく!閉店後の御屋敷デートはメイドの純潔を奪うの。純潔ってワカッテル?私達メイドの1番大切なアレょ」
☆ ☆ ☆ ☆ ☆
万世橋の捜査本部。
「レイカ補佐官。ヲ見限りでしたね。何の用です?先日ヲ宅の部下を追い返したコトなら謝ります。単に管轄の問題なので」
「別に構わナイわ」
「ソレで、例のメイド服からは何か見つかりましたか?ミユリがハンターチームの音響兵器で狙撃された時に着ていたメイド服のコトですが」
デスクで執務中のラギィ。フト気づくと目の前にレイカ補佐官が立っている。銀ラメ服に紫ウィッグ。
「色々出たわ。トマト、塩、砂糖、酢…つまりケチャップね」
「やはり。彼女はケチャッパーズですから」
「あのね、警部。今まで色々と無駄な調査をしてきたけど"ブラックホール第2.5惑星人"のUFOが"リアルの裂け目"から来て秋葉原で墜落したって話は映画の中だけ。実際にはなかった。ソレと秋葉原にケチャッパーはいるけど、エスパーはいない。コレがSATOの結論ょ。ところで、官邸から私に委任状が出てるの。今までの"リアルの裂け目"やUFOの目撃騒ぎ、秋葉原で起きた超常現象の警察資料は全て押収します。貴女の捜査は今日で打ち切り。さ、始めて」
SATOの捜査官が2人入って来る。その内の1人は先日ラギィに警察署から追い出された紫ウィッグだ。
ナーニだっけ?
「…そうか。やはりエスパーの血液を検出したのね?そうでなければ警察資料の押収ナンてあり得ない。それこそ、税金の無駄遣いだモノ」
「補佐官、キャビネットの鍵がありません」
「ラギィ」
明後日の方を向いたママ、手だけ差し伸べるレイカ補佐官。ラギィは長い溜め息をついて、鍵を渡す。
「時間はかからないわ、警部。長居はしないから」
全てのキャビネットを開けてファイルを片っ端から押収して逝くレイカの部下達。睨みつけるラギィ。
「どうぞごゆっくり。私はランチに出ますので」
魔法瓶の入ったランチの紙袋を持って出て逝くラギィ。その様子を物陰から双眼鏡で見ているマリレ。
☆ ☆ ☆ ☆ ☆
閉店後のコンカフェ。
「YUI店長に頼んで鍵を借りといたの。コレが噂の閉店後の御屋敷ね?初めて来たわ」
「ココなら邪魔者は入らないからな」
「そ、そうね」
何かを期待し頬を染めるスーパーヒロイン。後ろ手にしっかりドアを施錠し上目遣いで僕を見上げる。
「確かに新しいメイド長のトポラは怪しい。この前ラギィ警部と何やら話し込んで握手してた」
「え。そう(確かに私も見たけどw)?」
「ふれあい通りを挟んで正面が万世橋警察署ナンだ。捜査本部も丸見えさ。ココで見張ってれば、トポラの目的もワカルかもしれない」
露骨にガッカリする(勝負下着のw)ミユリw
☆ ☆ ☆ ☆ ☆
薄く開けたシャッターから双眼鏡で捜査本部を偵察スル。コレは洋ドラでよく見る張り込みって奴だ。
「ミユリさん。マジでワカラナイのか?自分がマルチバースのどの時空から来たとか、他にエスパー仲間がいるかとか」
「ソレさえわかれば…でも、テリィ様。何も知らないのです」
「ある意味自由って感じだね」
ミユリはキョトンとした顔。萌え。
「私達が…自由ですか?」
「うん。だって、僕なんかアキバ中の人が顔見知りで毎月¥1000床屋に逝く度に、みんなから感想を逝われちゃうンだぜ?コレからも監視されながら生きて逝くのかと思うと…時々マルチバースの別の時空に逃げ出したくなるょトホホ」
「テリィ様。私達は、もっと普通に日常を送りたいのです。例えば…テリィ様。メイド長のトポラが現れました。マジだわ、驚いた」
僕は100均で買った"スパイシリーズNo.12集音器"のパラボラを道路向かいの捜査本部へと向ける。
"…良いわ。ラギィ警部、記録には全て目を通したわ。彼女から始めるつもりよ"
"マリレ・マレメ?"
"YES。常にミユリと行動を共にしてるメイド。ランパブ勤務。自宅を調査すべきね"
"じゃレイカ補佐官。所轄の方で対応します"
"いいえ。私が逝くわ。警部はマリレの住所を確認して頂戴"
僕とミユリさんは顔を見合わせる。
「ミユリさん、5分後だ」
「ROG。テリィ様、マリレは…」
「わかってる。マリレが捜査本部に盗みに入るなら今宵しかないな」
☆ ☆ ☆ ☆ ☆
"メカゴジラ -2.5カフェ"。今日も世界中から推し寄せるインバウンドで、目が回るような忙しさだ。
「スピア、ごめんなさい!今日、シフト休ませて!」
「ええっミユリ姉様、何言ってんの?そんなの無理ょサッサとメイド服に着替えて!」
「Hey!"ブラックホール第2.5惑星人"の姐ちゃん、ヲレの"ホットファッジ出撃"は何処だ?もう20分も前に頼んだんだけど!」
メイドと絡みたがるアジアンな客に笑顔だけ返しながら、私服で現れたミユリに目を丸くするスピア。
「アレだけ太ってても未だ糖質を接種スル気だわ…で、姉様が罰金覚悟でシフトをドタキャンするのは、テリィたんに昨夜、御屋敷に誘われたせいね?とにかく、ショーアップして!世界中の"-2.5ヲタ"に糖質たっぷりエスパーパフェを出さなきゃ!」
「スピア…とにかく、今は黙って逝かせて」
「ミユリ!先週、この店で君が撃たれたって噂があって、急いで御帰宅したんだ…あれ?君は先週の"-2.5レイブ"で車に轢かれたメイド?」
ミユリの池袋時代の元TOカレルだ。最悪のタイミングで出没。ミユリは肩を落とし溜め息をつく。
「ヲレが何か聞けば全部"ブラックホール第2.5惑星人"のせいだと言う。ブラックホールの周りを廻る惑星ナンて空想の産物だぞ!今は"地底人類"の方が信憑性がアルと言われてる。元とはいえヲレは君のTOと呼ばれたヲタクだ。君はヲレに真相を語る義務がアル」
「(巨乳に推し変したクセによく逝うわw)あのね、カレル。私達が"ブラックホール第2.5惑星人"って逝うのは…」
「生理痛!つまり、生理痛のコトなの!男子の前じゃ大声で話せない(話してるけど)でしょ?ホラ、結構デリケートだし」
突然スピアが話に割り込む。任せてのハンドサインでミユリを追い払う。手を合わせ撤退するミユリ。
「御希望なら私が生理の話でタップリ絡んであげるけど?」
「no thank you。今、食事中ナンだ」
「今、じゃなくて、今から、でしょ?御注文は?」
第4章 ランパブのマリレ
僕とミユリさんは、シフト中のマリレを呼び出す。何とマリレはランジェリー姿で路地裏に出て来る。
「姉様は、今の御屋敷に満足しているからソンなコトを言うの。私の御屋敷は最低よっ」
「マリレ、何て格好なの?コスプレ系とは聞いてたけど…とにかく!まもなく、ウチのメイド長がココに御帰宅するわ。ヲ願いだから、今から私のアパートに逝って。エアリも呼ぶから」
「姉様は私に隠れてろと言うの?」
ミユリは天を仰ぐ。
「いいえ。チャンスだと逝ってるの」
☆ ☆ ☆ ☆ ☆
ところで、僕とミユリさんはミユリさんのアフリカ軍団仕様のキューベルワーゲンで来たのだが、その後をループで尾行して来たカレルに気が付かない。
「アイツ。ミユリのアキバのTOなのかな?」
物陰に潜むカレル。トポラのセダンがやって来る。ミユリさんはセダンが見やすいように僕の胸の辺りに頭をつけてくる。髪から甘いラベンダーの香り。
「ミユリ!何やってんだ、ウソだろう。頼むから止めてくれ!」
くっつく2人の影法師を見て誤解するカレル。一方トポラは御屋敷に乗り込む。路地沿いの路面店だ。
「マリレ・マレメさんはいますか?」
「いないわ。シフトに穴を開けられて迷惑してる」
「あ。指輪を落としたわ」
最後はミユリさんだ。キューベルワーゲンの床で指輪を探すが、ソレを見ていたカレルは完全に動転w
「ミユリ!ヤメてくれ、ソレはオプションか?」
物陰から飛び出しキューベルワーゲンに駆け寄る。
「ミユリ!」
「カレル?」
「何してルンだ。おスペか?まさか、ソレが得意技だったとは…」
呆れるミユリさん。
「マリレを待ってるのよ。ボーリングに逝く約束だったから。ボーリングょ!」
「でも、今ミユリはかがんで…コイツの股間に顔を埋めてスペシャルお給仕を…」
「指輪を落としたの!貴方も探してょ」
…などとワイワイやってる内に、トポラが気づいて僕達の方に目を凝らす。慌てて首をすくめるが…
「カレル、伏せて」
「え。何でだ?何で隠れるんだよ!」
「スペシャルやってあげるから」
その瞬間、トポラと目が合ってしまうミユリ。
☆ ☆ ☆ ☆ ☆
同時刻。マリレはロケットガール装備を装着して、万世橋の捜査本部の高い窓を見上げている。
☆ ☆ ☆ ☆ ☆
結局、ミユリさんは見られてしまったカモだが、僕とミユリさんはアパートへの夜道をトボトボ歩く。
「ミユリさん。問題が何もかも落ち着いたら、2人でランチでもどうかな」
「ヲ食事ですか?」
「よければ」
「カフェでランチとか?…それってデート?じゃなくて、ランチですょね?」
「うーんランチだ」
ミユリさんはクスクス笑う。
「もう帰らなきゃ」
「僕もさ」
「姉様!」
エアリがアパートの窓から顔を突き出して叫ぶ。
「マリレが消えたわ。恐らく万世橋!」
☆ ☆ ☆ ☆ ☆
ロケットガール装備で捜査本部に窓から侵入するマリレ。鉄格子やら窓の鍵やらを無理に壊して逝く。
「テリィ様、鉄格子がハズれかかってます」
「やれやれ。マリレは今、泥棒中か」
「マリレは、未だ自分のパワーをコントロール出来ないのです」
ケッテンクラートで乗りつけた僕とミユリさんは、捜査本部の開け放した窓を見上げる。
窓の外に取り付けられてた鉄格子は完全に外れブラブラしてる。どうやって直すつもりだょ。マリレw
☆ ☆ ☆ ☆ ☆
捜査本部のキャビネットはほとんどが空になっている。SATOが資料を押収した後は草木も生えないw
一方、外でヤキモキ待つ僕達は…
「アレはラギィの覆面パトカーだ!マズい警部が帰って来たぞ!」
「マリレに知らせなきゃ」
「わ、わかった!出来るだけラギィを引き止めてみる。ミユリさんは、その間にマリレを連れ出してくれ」
☆ ☆ ☆ ☆ ☆
万世橋のホールでやっと追いつき声をかける。
「ラギィ!良かった、キューベルワーゲンのタイヤがパンクしちゃったンだけど、自分じゃ直せなくてさ。助かったぜ!」
「キューベルワーゲン?あれ、確かテリィたんはケッテンクラートに乗ってなかったっけ?」
「ラギィ警部!もう時間外です。何なら私の方で対応しますが」
前にミニスカポリスのコスプレをした婦警だ。シナをつくって僕に流し目。話がややこしくなりそうw
しかし…
「ダメよっ!せっかく元カレが私を頼ってきたのに邪魔しないで!テリィたん、キューベルは何処?」
グワシとラギィに腕を掴まれ…僕は義務を果たす。
☆ ☆ ☆ ☆ ☆
一方、捜査本部では、マリレがラギィのデスクに座り片っ端から引き出しを開けるが、ソレらしいモノはない。
「…ナイわ。いったい何処なの?」
「マリレ!ラギィ警部が戻って来るわ。急いで!」
「窓からミユリ姉様?どうやって…空調ダクトを登って来たの?パンツ丸見えでは?」
偶然、引き出しに入ってたラギィのランチ用紙袋を見つけるマリレ。中にはゴミと魔法瓶が入ってる。
「ラギィがランチで持ち出した紙袋だわ。SATOの押収を免れたのは、この…魔法瓶?」
「どーしたの?喉が渇いたの?」
「いえ…あ、中蓋の上に何か鍵が…ぎゃ!」
中蓋の上に見つけた鍵を手にした瞬間、まるで弾かれたように吹っ飛んで壁に叩きつけられるマリレ!
☆ ☆ ☆ ☆ ☆
ドスン!…ズルズル
階上の物音に僕は驚き、ラギィと婦警は不審顔。
「きっとネズミだ。僕は昔、ラッツって呼ばれてたンだぜ。懐かしいなー」
「テリィたん、ココで待ってて!」
「待つのはラギィだ。ネズミの駆除なら実績と信頼のアル専門業者に…」
誰も聞いてナイ。ラギィは、2Fへと駆け上がって捜査本部の扉をソロリソロリと開けて、中を伺う。
「誰?誰かいるの?」
「どーした?何かあったのか?」
「…いいえ。誰もいないわ」
窓は開いていたが、外の鉄格子が何ともなかったので、多分閉め忘れたのだろうと窓を閉めるラギィ。
「おかしいわ。ちゃんと戸締りしたのに」
頭をヒネるラギィの斜め右45度の辺りで、ロケットガール装備で空中に浮遊しているミユリ&マリレ。
「鉄格子は電撃で溶接しといたから。指輪は?」
「ゲットしました。ね?楽勝だったでしょ?」
「もう少しで捕まるトコロだったわ」
☆ ☆ ☆ ☆ ☆
後日、ミユリはSATOが開発した"ロケットパンツ"により飛翔能力を得るが、ソレはまた先の話だ。
「さぁパンク修理、出来たわょ。全く昔から何も出来ないンだから。赤ちゃんみたい」
「助かったょラギィ。thank you」
「こんな時間に夜遊び?」
探りを入れてくるラギィ。この質問は、警部としてかな?ソレとも、お節介な元カノとしてだろうか?
「パンクしちゃってさ」
「そう…ミユリさんはどうしてる?」
「さぁ知らないな」
元カノとしてだ。長居は無用のスケ。
「ありがと」
キューベルワーゲンを発車させる。何か逝いたそうだったが逝いだせなくて険しい顔で見送るラギィ。
☆ ☆ ☆ ☆ ☆
数分後、キューベルワーゲンにミユリさんとマリレが乗っている。マリレから鍵をもらい握ってみる。
「…うーんダメだな。僕には何も見えないょ」
「テリィ様、鍵を貸してください…あっ!」
「姉様!何か見えたの?」
ネズミのように前歯を出して笑うミユリさん。
「テリィ様のヌード」
僕を含めて全員がゲンナリする笑。
「マリレ、ごめんね。貴女の御屋敷がどんな御屋敷なのか、まるでわかってなかったわ」
「…姉様、私、最近気づいたの。私達、いつか秋葉原から逃げなきゃいけなくなる。ソレが明日か、1週間後か10年後かはワカラナイ。でも、その日は必ず来るわ」
「何を逝いたいの?マリレ」
遠くを見ながらつぶやくマリレ。
「今は、最低の暮らしをしてる方が良いと思うの。だって、その方が未練がナイでしょ?姉様も余りヲタクと関わらないで。いつか来る、秋葉原を去る日が辛くなるだけょ」
☆ ☆ ☆ ☆ ☆
翌日の"メカゴジラ -2.5カフェ"。ミユリは、朝礼の後でメイド長のトポラに呼び止められる。
「マリレ・マレメのコトなんだけど…彼女とよくツルんでるみたいねヲタ友なの?」
「はい。でも軽いつきあいですが」
「私ね。単なる雇われメイド長じゃナイの。千代田区から秋葉原メイドの生活指導カウンセラーを任命されてるのょ。ミユリさん、貴女は昨夜、マリレの家の前にいたわね?」
ミユリは、露骨にヤレヤレと逝う表情を浮かべる。が、トポラは全くヒルまズに変化球を投げ込む。
「このママだと、彼女は御屋敷をクビになるわ。だから、早目に私のトコロへ相談に来るよう伝えてくれる?今、直ぐでも良いのょ?頼まれてくれる?」
「伝えます」
「そぉ?良かったわ。じゃね」
☆ ☆ ☆ ☆ ☆
ラギィは、引き出しからランチの紙袋を出して、魔法瓶の外ブタを取る…が、中ブタの上に鍵はナイ。
呆気にとられる…僕の元カノ。
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アキバで働くミユリのブログ テリィ様に秘密をお教えしてから、私は秘密というモノについて、色々と考えるようになった。ヲタクは、誰でも秘密を持っている。そして、ヲタクが持つ秘密を必死に知ろうとスル一般人がいる。ヲタクは秘密を持つと一般人とは距離をとりたがるが、逆に秘密が一般人との距離を縮めてしまうコトもアル。そして、"覚醒"したコトを隠し、アキバでノンキにメイドをやっていた私にも、誰にも逝えないスパイシーな秘密が出来てしまった。
ソレは…
おしまい
今回は、海外ドラマによく登場する"秘密"をテーマに、誰もが持つ秘密と向き合う、主人公、ヒロイン、そして秋葉原の面々を描いてみました。アキバが未だ秋葉原だった頃の物語。甘酸っぱい当時の想い出を想い出し、楽しみながら描きました。
ミレニアムの頃の秋葉原風俗などもサイドストーリー的に描いてみました。
海外ドラマでよく舞台となるニューヨークの街並みを、インバウンドのお陰ですっかり夜の街になった秋葉原に当てはめて展開してみました。
秋葉原を訪れる全ての人類が幸せになりますように。