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43 神々に弄ばれる気分

***




「――――話は終わったか?」



 ステージは今までにない程に緊迫としていた。


 エーデルを凝視するドイルド・ポーセ。

 ドイルドを潰したいと思うほどの憎悪を持つルーク・アックス。

 ドイルドに対して少しの期待と恐怖を隠しきれないエーデル・アイビス。


 ここ一画だけ誰が見ても張り詰めた空気が漂っていた。


(……何か変だ。ルークとドイルドは因縁でもあるのか?)


 するとルークが口を開いた。

「ドイルド・ポーセ。俺はお前を潰してやりたいが、今回は我慢するよ。代わりに後輩がお前をぶっ潰すって言ってくれたからな」


(言ってないんですけど……やめて欲しいな。僕かなりビビってるんで)


「そうか」


 ルークがステージから降り、去り際にこう言った。

「エーデル・アイビスよ、一つだけ伝えておこう。俺の親友も魔族だ――頑張れよ」


 エーデルはフッと安堵したように微笑んだ。

 案外ルークは善人なのかもしれない。

 

 ルークがステージを降りた後張り詰めた空気が漂う中で、ドイルドは口を開く。

 

「エーデル・アイビスと言ったか?」

 

「はい」


 ドイルドは平然とした顔で、低く安定した声で淡々と話を続けた。



「実に妙だな。お前は()()()に似合わない」


 …………星? どういう意味だ? 


「妙にアンバランスなんだよ。肉体と魂が別物だからか?」


 …………今……なんて……言った?


「可哀想に。どうだ? ()()()()()()()気分は?」


 ……意味がわからない……さっきから何を言ってるんだこいつは。


「何を言ってるんだ? って顔だな。まさか何も知らないのか?」


 …………


「まあいい、俺は単にお前が気になっただけだ。ただお前と戦えればそれでいい。だが今のお前は戦うどころか、俺を見てもいないな」


 エーデルは一点を見つめたまま立ちすくんだ。ドイルドの言葉に混乱し、考えが追いつかない。

 彼の声は今、エーデルに届いていない。


 訳がわからない……星ってなんだ? あいつは僕が転生したことを知っているのか? 初めて会ったのに? 神々に弄ばれるってどういう意味だ? 神の存在を知ったのは最近だ。僕はもう神に会っているのか? 頭の中がぐちゃぐちゃだ。

 

「当てようか? 俺の言葉に訳がわからず、頭の中が混乱しているのだろう。ならば、こうしよう。お前が俺に勝てたら、お前の聞きたいこと全てを教えてやろう。どうだ? 戦う気になったか?」


 こいつはエスパーなのか?

 でも、そうだな、知りたい。知らなければならない。


 徐々に知ればいいと半分諦めていたことだ。

 僕はこれからこの体で生きていくことになるのか、本当のエーデルが戻ることになるのか、そもそもここは何処なのか、百合は何処にいるのか、聞きたい。

 その為にはこいつに勝たなきゃいけない――


 エーデルは真っ直ぐドイルドを見て、木刀を構えた。


「頼む。教えてくれ」


 ドイルドはいやらしく笑い、木刀の先端をエーデルに向けて構えた。


「ククッ、俺に勝つというのか?」

 

今回少々短めです!お許しください!


次回!第二次トーナメント、二回戦目開始!!!

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