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38 いざ、第二ホールへ。

 教室を出て僕らが向かう先――それは『第二ホール』だ。


 今大会は剣術だが、秋には武闘大会、冬には魔術大会、が開催される。第一ホールよりも大きいのが第二ホールだ。

 空は筒抜けでホール中央の地面は土で整地になっていて、かなり広い。


 ここが対戦場所でメインステージだ。中央を上から見れる周りには観客席がある、まるで競馬場だ。

 

 僕達は第二ホールに入り中央に並んだ。

 隣には剣術専攻二組、更に隣には二年、三年が並んでいる。


 周りを見渡すと、皆真剣な表情をして、誰一人喋っている人がいない程緊迫している。


 きぃんと何やら音が鳴った。

 ポピー校長がマイクを持って話し始めた。


「諸君。本日は剣術大会じゃ。

皆この日のために頑張ってきたことだろう。君らの実力を試す日じゃ、精一杯戦うのじゃ。そして優勝者に戦利品をやろう。戦利品はあの偉大なるエレイン・ウィル・ルピナスの剣じゃ」


 ポピー校長は錆びた剣を掲げた、周り人達は太い声を出し盛り上がっている。

「「「うぉー!」」」


 え? エレインの剣?

 僕は後ろにいるヘルヴィンに聞いた。


「ヘルヴィン。戦利品が貰えるなんて知ってた?」

「いや、初めて知ったよ」

「しかもエレインの剣って……大丈夫なのかな? しかも錆びている」


「うーん、まあ沢山あるからね。この世にエレインの剣は一万本あると言われているんだ。錆びてても価値はあるさ! 磨けば使えるし、売れば金になる」


「いくら?」

「大したことないよ。金貨五十枚くらいかな?」


 僕は息を呑んだ。

 改めてヘルヴィンが王族だということを思い知る。


 金貨五十枚だぞ? 黒牛何回食べれるんだ……

 まあ、貰えるなら嬉しいし、『初代王の剣』への興味、使ってみたい気持ちはある。


「ヘルヴィン、やるからには本気でやろう」

 ヘルヴィンはいつもの様に目を細くして微笑んだ。


 


 剣術大会参加者は――計二百八十人。

 一学年が四十人。

 まず学年の中でランダムにトーナメントを組まれ対戦をする――それが第一次トーナメント戦。一年から勝ち残れるのは二人のみ。


 そして学年から勝ち残った者二名は上の学年の勝ち残った者達とトーナメントを組み対戦をしていく――第二トーナメントだ。

 よって全て勝ち残った優勝者は計八回の対戦をすることになる。

 かなり神力と体力の勝負になる。


 一年のトーナメント戦を五回勝つことが出来れば、次は先輩方と戦える。エーデルの目当てはそこだ。


 剣術大会には規則がある。

 ――木刀以外の使用を禁ずる

 ――魔術による不正を禁ずる

 ――行きすぎた行動は禁ずる

  

 三つの規則を破った場合処罰が下る。

 最悪危険行為による退学もあり得る。



 そしてエーデルは一年生のトーナメント戦を見た。

 一番最初に戦う相手は「アルベル・トレイン」二組の子だ。 会話をしたこともなく顔も知らない人との対戦だ。


 遂に剣術大会が始まった――

 観客席で沢山の人が僕らの対戦を見ている。

 ――少し緊張するな。


 エーデルは持ち場に着き、顔も知らない対戦相手が来るのを待った。

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