9 神の力
――説明ってなんのことだよ……
「この国で成人を迎えると神から力を授かる。それを――神力という。
それはお前だけでなく、成人迎えた皆に与えられる力だ。剣術も魔術も武闘もそうだ、皆が授かる。
神力には火、水、土、風、光、闇がある。そしてお前には風の神力が与えられた。風の神力はとてつもなく強い! これは誇れることなんだよ。あの最強の男エレイン・ウィル・ルピナスも風の神力を使った魔術師だと言われているんだぞ」
神力は――人が神からひとつだけ与えられる力だ。
例えばその人が元々持っている魔力や、得意とする剣術に神力が上乗せされ、さらなる力を発揮するものだ。
その神力は様々で、与えられた神力量も変わる。
「そんな……でも……」
「そうだな。一つ予想外なことが起きた――それはお前の神力の量だ。ここまで神力を授かった人間は正直見たことがない。だか、あり得ないことじゃないんだよ。皆んな神力の量が違うんだ。それによってお前の将来も決まる。お前の将来は有望だ、でも安心するな。その力は神の力だ『お前のモノであってお前のモノじゃない』決して間違った方法で使うな。正しく感謝の気持ちを持って使うんだ、いいな?」
「はい……パパ……」
「ん?」
「オ、OKダディ」
「よろしい!」
「エーデル! あなた凄いわ。驚いたけど、とても誇らしいことなのよ」
「私も早く十三歳になりたーい」
家族の予想外の反応に僕は驚いた。
僕を励まそうとしてくれていることがわかる。
でもかなり驚かせてしまったようだ。
クラウスは腰を痛めはしたが、大事に至らなくてよかった。
もし人殺しになってしまったら――そう思うと恐ろしいなんてものじゃない。
本当に恐ろしい力だ…………神力。
これは慎重に扱わなければいけないな。
「いやー、にしても強すぎるな。これはもう俺の手には負えん」
「え? それじゃあ、どうすれば……」
この力の制御ができないと困る。このままじゃ僕は本当に人殺しになってしまう。
「そんなこともあろうかと、凄腕の師匠に頼んでおいたんだ」
「それは誰?」
「この間酒場で偶然会った人でな。是非とも息子さんに剣術を教えたいって……アルメリア惚れるなよ?」
「えー? 王子様なの?」
「少し違うな、でも男の俺が見てもかっこよかった。あれはかなりの美男子だ。名前は確か――アレク・ブルータル」
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次回謎の美少年とご対面……
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