自慢マン
「あれですよね、ムラカワさんの言葉、ササラナイデス」
「いや、ムラカワさんの言葉、ササリマス」
「やっぱ、世の中の価値ってお金じゃないですか」
「YouTubeでね、この前、観たんですけど、大物はオナニーしませんね」
「僕、フェミニストなんで、エロビは見ない」
「ムラカワさんのパソコン、よく壊れますね。僕のパソコン、ランクが高いヤツなんで壊れませんけどね」
「小さなころから思ってましたね。僕って大物になるって」
「京大出て社労士なんてレベルが低いと僕は思いますね」
「部下に頼まれて初日の出、見に行くなんて立派なパワハラですよ。僕はパワハラしない」
「親に匂いが付くって言われたんで煙草、吸わないでください」
「僕の名前、ヤフーで検索してください。世界二位って出てきますよ」
「やっぱ、軽自動車はカッコ悪いですね。ネットで調べたんですけど、ロールスロイスってカッコいいですね。いつか、僕、乗ります。これ、個人情報なんで」
「億は稼ぎたい。自分の仕事は会社を大きくすること。僕に向いてるじゃないですか」
「ムラカワさんってレベルは高いけどスキルが低い」
「ムラカワさんを人間として尊敬できない。愛せない。嫌いじゃないですけどね」
「言うたんですか。もっと、宣伝してって僕の事」
「僕ってやり手だと思うんですよ。左ハンドルの人はお金、持ってますよね。僕、ネットで知り合ったんですけど、10万円、寄付しようかなって思って。倍になって返ってくるってメールが来ました。結局、10万騙されましたけどね。でも、安いもんですよ」
「会社の花って、セクハラじゃないですか。空気読んでよ」
「僕は日本人初、ミハエルシューマッハの記録を塗り替えた男ですね。凄いでしょ。何にしても記録は大事ですが。僕は自己満足には走っていません。日々に皆勤賞です」
「人類初の二刀流を目指しています。人類初の多面体」
「僕は世界制覇、世界征服を成し遂げたいんです。ムラカワさんもこの夢、持たないといけませんよ」
「僕は20分も無駄にしたくないんで、この店があと、20分後に開くのなら、入らない」
「それ、本当なんですか。証明してくださいよ。ネットかなんかで」
「今度、フランスの美術館に行くんです。まあ、僕、英語喋れるんで。基本的には僕、頭がいいほうだと思います。あの人、ただのヤンキーじゃないですか。ヤンキーで検索すると最悪ですね」
「あれですよね。結局、金ですよね。このパソコンの用紙も金ですから。僕が出さなくていいんですよね」
「今、大物になる方法をYOUTUBEでずっと検索してるんですよ」
「世の中って、やっぱり数字でしょ。僕の写真、撮るの、止めてもらいますか、もしかしたら、テレビに出るかもしれないんで」
「人の話、奪うの良くないですよ。僕もそうですけどね。酒のせいにはならないです」
「会社に復讐しようと思ってるんです」
「僕、35歳。若くない」
「彼女にね、イケメン君って呼ばれたんですよ。結局、別れましたけど、くだらん女でしたよ」
「野党って反発しかしないじゃないですか。ムラカワさんも」
「ムラカワさんって詩人としては凄いかもしれないけど、人間として最悪ですね」
「僕、安い焼肉屋、嫌なんです。僕にふさわしくないから」
「僕、誰のモノマネもしたくないんです。時代にふさわしく、流行っているものには注意していますが」
「努力と労力は違うでしょ。パワハラですよ」
「ムラカワさんを天才だと思わない。いろんな人にムラカワさんが天才って言われても」
「パーキングに人生、入れたらだめだと思うんです。ニュートラルじゃないと。僕には休みも必要ですけど」
「カッコいいハゲとカッコ悪いハゲっているじゃないですか。ムラカワさん、髪の毛多いけど、カッコ悪いですよ。僕、カッコいいハゲですけど。親もハゲてるんで。これって、個人情報ですよ」
「やっぱ、フェラーリは1300万円するから、乗ってみたいんです。100万のフェラーリに乗る意味ってないじゃないですか」
「僕、ムラカワさんをリスペクトできません。僕、ムラカワさんをリスペクトしてますよ」
「年金って結構、貰えるみたいですね。この前、ネットで調べました。働かずにお金、貰えるなんてセコイですよね」
「正しいも何もないけど、ムラカワさん、正しい日本語使ってよ」
「僕、コンビニで買い物しません。コンビニの商品って特に食べ物って体に悪いじゃないですか。そういえば、ムラカワさん、コンビニの店長されてたんですよね。僕、お金持ちですから」
「僕、教授に向いてると思うんですよ。教えるの上手いですから」
「結局、人間て必ず裏表あるじゃないですか。そうしないと信頼も持てないし」
「たまにいますよね。おごりのある人間。僕もそうですか」
自慢マンは自分が大好き、ナルシスト。勘違い野郎の嫌味野郎。こんな奴、大物になれない気がします。こんな人間には死んでもなりたくないです。こんな奴が制覇した世界なんて誰が生きるか。
おわり。