01 初めて見た女神様
僕の学園には、この学校の生徒だけでなく、周りの学校からも女神様と呼ばれている御影優奈先輩がいる。
なぜ彼女が女神様と呼ばれているのかとうちの学園の生徒に聞くと、恐らく最初に二つの言葉が出てくるだろう。
まず最初は容姿についてだ。
一切染めたことがないと一目見て分かるほどのきちんと手入れされた、綺麗な腰まである黒い髪。
学園どころかここら一体で最も綺麗だと言われている美しく整った顔。
そして、身長は恐らく168cmくらいあって、女子にしては高い方。しかし、スレンダーという訳ではなくきちんと出る所はかなり出ているという、正に男の理想のプロポーション。
この容姿という要素だけでも人気が出ないわけない程。
しかし、これだけではない、もうひとつの要素は性格にある。
彼女はこれほどの人気を持ちながら、決して傲慢にならず、周りの生徒に優しさを振りまいている。
他の人なら八方美人だと批判されることも、彼女がすると、全て正しいように感じるから不思議だ。
更に、彼女の注目される所はその立場にもある。
立場と言っても学校内部の立場ではなく、外部の立場である。気づいただろうか、うちの学校の名前と彼女の名字が同じことに。察しのいい方は気づいていただろうが、この学園は彼女の祖父である、現理事長が創立したものである。
つまり、もし彼女と恋人関係にでもなれば将来も一緒に着いてくるということである。
他にも成績優秀や運動神経抜群などといった、純粋な実力でも評価をされている。
そんな彼女はいつも周りに人が居て、彼女と一言でも多く話したいという輩が男女を問わずにいるらしい。
もちろん告白なども数え切れないほど学年問わずからされているらしいが全て丁寧に断られている。
これら様々な理由から御影優奈先輩は女神様と呼ばれている。
「じゃあ、僕らみたいな普通の1年生とは到底関係ない人ってことだよ、分かった?大地。」
僕は彼女、御影優奈先輩に一目惚れしたらしい幼稚園からの幼なじみである、柊 大地に女神様について大地が知っている情報を教えて貰い、その直後に遠回しに諦めろ、と言う。
「えぇ〜、それはないぜ空〜。何か女神様を攻略出来る方法は無いのか〜。」
と情けない声で僕に縋り付く大地
「離れろ暑苦しい…あるよ、何も考えず告白したらいいんだよ。振られると思うけど。」
大地を引き剥がしてから薄く笑って言う
「たくっ、じゃあ他の可愛い先輩見つけて彼女を作ってやるよ!お前より先にな!」
謎に僕への対抗心を見せつつ大地は部活をしに走っていった。大地は今サッカー部で1年生ながらレギュラーを取れるかもしれないと言われている有望株なのだ。
「あのサッカーに対してだけ発揮する真面目さを他にも回したらモテると思うんだけどな。」
独り言を話しながら僕は帰る準備をする。
あぁ、自己紹介をしてなかったな。
僕は神威 空。この御影学園の1年生。一応テニス部に所属しているよ。まだ1回しか行ってないけど。
成績は入学直後に色々したのだと学力体育共に中の上ぐらいかな。
身長は170ギリギリあるぐらいで、少し華奢。
顔はまあ、普通ってことで。
「あ、あの人、さっき大地が話してた御影優奈先輩、だよな。テニスラケット持ってる、もしかして同じテニス部なのかも?」
ふと校門までのんびり歩いていたら、大地がさっきまで言っていた特徴の美人な先輩と思しき人を見つけた。じーっと、不自然にならないぐらいで見つめていたらテニスラケットを、持っていたことに気づいたので自分がほとんど幽霊部員となっているテニス部の部員なのかと推測した。
「ま、そうだと言っても僕とは関わらないだろうな。」
そう思っていた。テニスコートの方へ向かう先輩を見ていた、この時は。
初めまして、神空と申します。
この小説をここまで読んでいただいて本当にありがとうごさいます。
初投稿なので、至らぬ点が多々あると思いますが、この話数が増えると共に成長していきたいと思います!
不定期で更新しますが、頑張ってほぼ毎日投稿を目指します!