5 転生、末時間!!
転生してから3時間しか経ってないことが判明。
仕方無い、のか?
少年が寝室にいることを確認して、ベットサイドに腰を下ろして、様子を見やる。
「すーっ、すーっ」
力が抜けたのか、ズルズルとベットから床にへたり込んだ。
疲労が溜まったのだろう。
規則正しい寝息に安堵しながら、これからのことを考える。
あまりにも酷い物だった。
神様はなんかなんかなんか…!!!許さない。
それはさておいて、 屋敷はある。
見た目も服も、ある程度のラインは超えてるだろう。
これなら貴族として偽っても、問題はなさそうだ。こーゆー世界なら、貴族として立ち回ったほうが行きやすいだろうから。
だとしてもより従順な犬が欲しくなる。
吸血姫として生まれ変わったのだから、血も必要だ。
少年には悪いけど、私の犬になって欲しいとも考えてる私がいる。
とどの詰まり少年に、恩を売る。
一番いいのはそれだとラノベで見た!!
どうにか、周りにも手回しをしておかないと貴族として立ち回りはできない…。
あ、神様いるじゃん。
私の守護霊的な立ち位置なのならば、利用し尽くせばいい。
いいよね?
『っすーーー。間違いではないが合理的とは言えないな。私がいなくなる可能性もあるぞ』
居なくなるかも知んないの?マジ?
でも、神様がいなくなったあとでも通用できるようにするよ。
多分。
『今貴族にねじ込むのは可能だか、その分成果を挙げないときつくなるぞ』
あー、そうゆうことね。
あとはみんなの意識に私が貴族だってねじ込むのは無理そう?
そっちのほうが…。
『楽なのはわかる。が、そこまでだ』
…わかってるよ。
頼り切りがだめなんでしょう?
大丈夫だよ、私。 きちんとやるから。
できるよ、どんだけ脳内で処すことを考えたか。
どれだけ悪態をついたか、どうすればバレないか。 何回も考えたから、考えて、やるよ。
…それでも納得行かない?
『その道はつらいぞ』
どうして言い切れるのさ?
あぁ、神様、だもんな。
でもそれでもいいよ。私は、もう決めたから。
人生において、楽な道なんてないし恩は仇で返されるのも知ってる。
だからこそ裏切れないよう刷り込みをする。
私は、いじめられ気質の親友がいて、一緒にバカにされたし一緒にいじめられた。
でも、縁を切ろうとは思わなかったし守ろうって、思えてたんだよ。
同じ高校に行って、そんなことは少なくなったとはいえあったけど、楽しかったから。
それで良かったはずなんだけど。
同じクラスのそれまた、いじめられるだろうといった性格をした子がいた。
だから助けたんだよ、私。
そしたらいつの間にか、私だけが標的になってた。 私の親友も、その子も。
同じ円の中に入って私を笑ってた。
頭に水をかけられたみたいになって心が凪いでいった。体の芯は逆に熱くなって動揺していたはずなのだけれど。
これが、天誅なのかな?
そんな馬鹿なことを考えてしまっていた。そんな、天誅されるようなことしてないはず、何だけどなぁ。
「…っはは!」
思わず自分への嘲りが口をついて出た。 うん。
――――馬鹿みたいだ―――




