表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
34/48

034(里帰り)

ーー朝。アキはリュウの部屋の外で座っていた。膝に顔を突っ伏して。リュウを諦め切れない。突き放した事を後悔している。すると、憲一郎がやって来た。


「お嬢さん、そこで何をやっている?」

「リュウ君……大家さんを待ってるとよ」

「ほう。リュウの知り合いか。お名前は?」

「アキ」

「藤原パン店の子じゃね? 中に入らんのか?」

「鍵が掛かってるとよ」

「マスターキーならワシも持っておる」

「おじいさん、何者?」

「ワシはリュウの祖父。稲葉憲一郎じゃよ」


アキがバッと顔を上げ、憲一郎を見る。


「おじいさん。リュウ君を助けるとよ。協力して」

「ワシもそのつもりじゃ。アナザーシープで良からぬ事が起きておる」


アキは立ち上がり、憲一郎が部屋のドアを開けた。


「おっはよー! じいちゃん、それにアキも」


アキと憲一郎はビクッとなる。突然のリュウの登場。リュウはタニア国王の許しを得て地球に帰って来た。


「リュウ君!」


アキはリュウに抱き付く。リュウがアキの頭をポンポンすると、アキは涙ぐむ。


「そうだ! せっかくだし、アキも滑りに行くか?」

「え、うん」

「リュウ。遊んでる場合ではないぞ。アナザーシープの連中を倒すのじゃ」

「俺はアナザーシープの国王と結婚する事にしたから。今日は里帰りだ」

「何を言っている!?」

「あ、じいちゃんがタニアに掛けた呪いを解いといたから」

「リュウ。左腕を見せるのじゃ」


言われた通り、リュウは憲一郎に左腕を見せる。


「2万じゃと!? まさかアナザーシープの国王とキスをしとらんじゃろな?」

「2回したよ」

「いかん」


人間なら害はないが、異世界の者、特に魔力の高い異性とキスすると魔力回復と伴に毒素が身体を駆け巡る。しかし、リュウには耐性があった。それを知らない憲一郎はリュウにキスがいかに危険か説く。


「リュウ、目を覚ますのじゃ。国王は危険じゃ」

「大丈夫大丈夫。アキ、走りに行こ」


リュウもタニア国王にゾッコンだ。

評価をするにはログインしてください。
この作品をシェア
Twitter LINEで送る
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ