031(★子作りの基本・3)
リュウはアナザーシープでの生活も悪くないと思っている。タニア国王は子供の姿だが、妹のゼニア姫がアキと瓜二つ。タニア国王も大人の姿に戻れば可愛いに決まってる。
タニア国王の指示でリュウがパン焼き機の中から出来上がった餃子パンを取り出す。金属製のトレーに9個乗っている。良い香りが立ち、上手く出来た。
「タニア。呪い、解いてみないか」
「そんな事が出来るのか?」
「俺はアナザーシープでは無敵だ。魔法で何でも出来る。見ただろう、俺の真空波動拳」
「では、今解いてくれ」
リュウはタニア国王に掛かっている呪いが解けろと強く念じる。すると、ボン。タニア国王が大人の姿に戻った。可愛い子だ。しかし、子供用のドレスを着てたからピチピチになる。
「思ったよりタニアのおっぱいはデカいな」
「無礼者。そういうのが趣味か?」
「喜べよ、元通りになったみたいだし」
タニア国王は空きのトレーを鏡代わりに使い、自分の姿を見回す。
「でかしたぞ、リュウ。これが大人の姿か~。美しい」
「いつ呪いに掛かったの?」
「15年前。10歳の時だった。稲葉憲一郎という男にやられた」
「俺の祖父だ」
「何!? それは真か?」
「ああ。稲葉憲一郎は俺の祖父だよ。あ、厳密には同一人物とも言える」
「意味が分からん」
「俺はじいちゃん、稲葉憲一郎のクローンらしい」
「人体実験か。地球人は怖い」
「余計な事を聞いちゃったかな? 呪いの類いを解くのに必要なのは王子様のキスと相場は決まってるが、ムードなかったね」
「そんな事はない」
タニアはリュウと唇を重ねた。
「好きよ、リュウ」
「タニア…………」
二人はまた唇を重ねる。そして、リュウはタニア国王の胸を触る。タニア国王の顔が赤く色づく。
「ムードは作るものね。さあ、餃子パン食べよ」
「そうだな」
二人は仲良く餃子パンを食べる。一かじりでジュワっと餃子の肉汁が溢れ出す。リュウの中で藤原パン店のじゃがバターパンを超えた。
「子供は何人欲しい?」
「サッカーチームで紅白戦が出来るくらい」
「22人!?」
「監督とリザーブ、審判を忘れちゃいけない」
「性欲モンスターね」
「冗談だよ、アハハ」
「地球人の冗談は怖い、フフフ」