マツイくん
良く晴れた平日の昼下がりに、青く澄んだ空を見上げたら思い出した昔の記憶…日向ぼっこには最適な気温で、仕事の休憩中にマツイくんの顔を思い出しながら、クスクス笑いながら…書いてみました。
マツイくんは、中学3年生の時のクラスメイトで、
誰にでも優しい口調で喋る男の子でした。
僕はそこまで仲良くはなかったけど、席が近かったので少しずつ喋るようになりました。
朝のあいさつをしたり、シャーペンの芯をもらったり、消しゴムを借りたり、教科書を見せてもらったり、ノートを借りたり、
どんな時でも、嫌な顔せずにいつも優しく接してくれました。
そんなマツイくんにも一つ苦手なことがありました。
それは、朝が弱いということでした。
いつも廊下を走って教室に入ってきました。
僕は笑いながら「今日も間に合ったね」と言うと
マツイくんは、息切れしながら「うん」と言って笑いました。
中学を卒業すると、マツイくんと会うことはありませんでした。
僕は21歳の時に近所のボウリング場でアルバイトをはじめました。
そこで、マツイくんと再会しました。
その時も、マツイくんは走っていました。
アルバイト先でもマツイくんは、いつも遅刻ギリギリの時間に走ってきました。
僕は笑いながら「今日も間に合ったね」と言うと
マツイくんは、息切れしながら「うん」と言って笑いました。
アルバイトを辞めてからはマツイくんに会っていません。
でも、きっと今日もどこかでマツイくんは走っているのかなぁ。
楽しい話が降りてきた…というか、なんとなく思い出した。
頭の中からスゥーっと消えてしまいそうな思い出を慌てて書きました。
書いてて楽しかった。ありがとね、マツイくん!