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泣き顔

作者: 八丘えりす

「…もう、終わりにしよう」

 君の声は震えていた。

 君の泣き顔を見たくなくて、私は君に背を向けた。

「バイバイ」

 君の笑顔が好きだった。屈託なく、くしゃっと崩れる頬。優しい光を放って私を包み込む瞳。

 いつしか、それがぎこちなくなって、ついにはなくなってしまった。

 私と君は、周りから「よく似ているね」と言われた。

 帰る電車の窓に写る私の顔は、君の最後の顔によく似ていた。

 涙が零れた。

 見ないようにした君の泣き顔、結局見てしまった。

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