レクス・グランザー
とある旅人は世界を飛び回っていた。火山、海底、天空。全てを見渡した旅人は皆から世界最強と呼ばれるようになった。
その男の名はレクス・グランザー
彼は眠りの森と呼ばれる魔境へと赴いた。眠りの森は魔力が一定よりも高くないものが入ると永久的に眠り続けるため、その名がついた。
そして彼は三賢者と呼ばれる人物達を育て上げた大賢者ブリュンゲルという人物に呼ばれ、ここへ来たのだ。
「ブリュンゲルさんに呼ばれるってことは、大きな何かが起きたんだよな。急がねえと」
レクスは急いで向かい大樹の麓の小屋へと入った。入るとそこはとても広々とした部屋で本屋道具などが山のようにあった。
「すげえ広いな。空間魔法で別空間に繋いでるのか」
「その通りじゃ。遅かったなレクス君」
ブリュンゲルが姿を現した。とても年老いた老人で長い髭とメガネをかけているのが特徴的だ。
「ブリュンゲルさんお久しぶりです。お変わりないですね」
「ほほほ、ありがとうな。それで本題なんじゃが」
そういうと椅子に腰をかけてニコニコしていた笑みが真剣な顔へと変わった。
「お主はわしが長年見てきた中でズバ抜けて強い。そして優しさと勇敢さを兼ね備えておる」
「ありがとうございます」
「それでじゃ、今世界が崩壊しかかっておるのじゃが、お主に救って欲しいんじゃよ」
「俺がですか?そんな大それた事」
ブリュンゲルの顔を見る。その真剣さにレクスは頷いた。
「わかりました。お受けいたします」
「そうかよかった!じゃあ早速始めるとするかの!ゲートオープン!セーブワールド!」
ブリュンゲルは魔法を唱えてレクスをゲートの中へと入れた。
「え?うおおおおおおおおお!」
絶叫しながらレクスはぐるぐると回りながらゲートの中を彷徨って気絶をしてしまった。そして眼を覚ますと見たことにない物。本で読んだことのある建物。そしてレクスは察した。ここは現代よりも前の時代。過去の時代へときてしまったのだと。そしてここから始まるレクスの新たな旅の幕開けでもあるのだった。
「勢いで飛ばしてしまったものの、レクスくんは現代最強じゃが過去や未来、そして異世界の最強と呼ばれる者達に勝てるんじゃろうか」
そして不安がるブリュンゲル