最初からまぁ、、。不運なもんで(笑)
俺は最低なおとこだ。
何をするにも、最低で周りに迷惑をかけ、必要以上、
いや人間の最低基準の幸福度を大きく下回る不運さだ
そんなおれが幸運でかつ人に接することができるのか
いやできない。それは自分で自分を確信させた。
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それは夏のそう、糞みたいな暑さの真夏だった。
このおれ、四条一丸は親の差し金でこんな暑いのに
家の庭で草むしりを頼まれてやってる。頼まれてやってるおれは自分で自分をほめてあげたいほどだ。
「ふぇー。なんだこの量は草多すぎだろ」
仕方ねぇだろ?こんな量、一人だけじゃ無理だって
全く世話のかかるお母様だこと。いやいや、こんだけ草むしったんだから、それ相応の対価ってあるだろうなぁ。そんな事期待してるからおれって最低っていわれるんだけど、、、。
「マルー。ちょっとー。」
母さん。いくら親でもマルーはちょっとせめて
一丸ーってフルでいってほしいな。
「あんたほんと細かいねぇ、
全く誰に似たんだか、、、。
そんなことはいいからさ!
草むしり、もうやめていいから醤油切らしてるか ら、買ってきてよ。」
「あー。もう。わかったよ。買ってくるよ。」
母から1000円をもらい、足早に商店街の方へ向かった。醤油を買って目的を果たしたが、どうせ、帰ったら、草むしりだろう、、、。寄り道しよ。
トコトコと全然可愛くない容姿とまったく似つかない足音を出しながら醤油片手に歩いた。
辺りは夕方、薄気味悪くなっていた。あー。ほんとになんかでそうで怖い怖い。早く帰ろ。
一丸が足を一歩踏み出したとき、足になにか感触がある。なにか踏んだようだ。
「なんだ?これ?頭!?こわっ!えっ?え?」
怖くなり走って帰ろうとしたら、全然その場から走れない。なんで?
「 うしししし。それはアタシの足止めスキルさ。
牛人でも、スキルを解くことはできないよ。」
いきなり、そんなことをいわれ、はぁ、、、。
でたよ。典型的な厨二病女の子。そして、、、
幼女。最近の小さい子はネットを触り出してると聞くがまさかまさかここまで影響が出ているとは、、。
「なんだ?なんだ?アタシをボロ雑巾みたいな目で見て、アタシなにかおかしいこと言った?」
「あーそうさ。いったさ。とりま、お前はおかしい。
ほら。小さい子はかえってねんねー。」
煽りをいれての発言は返って向こうの思うツボだが、まあ、ここは相手のレベルに合わせよう。
女の子はだんだんと赤くほっぺたをふくらませ、
なめやがって。こんちきしょーです。親切にしてたらつけやがって。もうゆるさんです。こうなったら
「超魔法レベル5、、、フリーズレ、、、イ?」
またなにか厨二病くさい発言をしようとしているのか、またなにかしている。今度は耳を抑え、一人で話している
「え、、っと。すみません。女神さま。ちゃんとちゃんと仕事を成し遂げるので。えーっとほんとに彼であってます?」
「合ってるにきまってるでしょう!私を愚弄するおつもりですか!」
「いえ、、そんなことは、、わかりました。はい、失礼します。」
なんだか、この猿芝居、見ているだけで目がやられそうだ。帰ろ帰ろ。こういうのは相手してるだけ無駄。
えーっと、醤油あるな。はー。今日は色々あったな。
小さい厨二病女の子にもあったし、醤油も買ったし、醤油も買ったし醤油も、、やばい一日の思い出が醤油しかない。そろそろおれもやばいな。一丸は家の方向へダッシュで走った。そう、50m走8.5秒の神速(皮肉)で、、、。
「あー。また逃げようとしてますね!てか!足遅。」
え?全力で走ってるんですけど、なんで家に引きこもっているような厨二病に追いつかれてんの?もしや自分の早さにも自覚がない?おれってなんて自分に最低なんだろう。はぁ、、はぁ、、。どんなに走っても
追いつかれる。いや、死ぬ気で走ろう。死ぬ気で。
角のカーブの道を軽やかに走り抜けると女の子がにおう立ちでとうせんぼをしていた。
「もう、、、。はぁ、。勘弁してくれないか?おれはただ醤油を!醤油を!とどけたいだけ。おつかいなの。わかる?」
「そんな事情は女神族には通じません。これ以上仕事を放棄してしまったら、また女神さまにどやされる、、。」
「あのー。もういいですか?いいなら帰ります。」
はぁ!はぁ!頑張れおれ。勝てる昨日の自分に勝て!
全然進んでないんですけど、、。話をしていたらラチがあきません。ではあなたを転移させます。はぁ、
やっと仕事が終わる。
超魔法レベル4 強制転移
おれの体中が青いオーブでつつまれて、なんだかいい気持ち、。ああ、
絶頂期ってこういうことなんだなあ。
え?てか、久しぶりに出た外以外に気持ちいいってやばくね?
もしやおれ死ぬ?はぁ、死ぬ前に、醤油とどけたかったなぁ、、。
「醤油ーーーーーーーーーーーーーーーーーーー!」
最後の遺言を言った、一丸はその場から姿を消した。