#1
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「僕は偽善者だね」
自嘲気味に呟いて、買ってきたものを冷蔵庫へと移す。
僕はアパートに帰っていた。
バスルームには先ほどの少女、今は湯船に浸かっていると思う。
僕はこの部屋に一人暮らし。
職業は週に何回かの教師の手伝い。
大学の同期の手伝いだ。
余裕があるわけじゃないけど、生きていく分には何とかなる程度。
乾燥機からタオルを出して
「温まったかい?」
扉を開けずに浴室に声を掛ける。「ぅにゃ〜♪」
中からは気持ちよさそうな声。
僕は、洗濯籠の中を見る、中は彼女が着ていたものが乱雑に放り込まれている。
白いブラウス、暗い赤のスカート、白い下着。
服は下着にいたるまで雨に濡らされていた。
「まったく、彼女の正体とか考えずに連れ帰るとは・・・らしくないな」
少女の服を洗濯機に入れ、スイッチを押す。
「・・・・?・・・・のぼせたかな?」
先ほどまで聞こえてた鼻歌が聞こえない。
「大丈夫かい?」
ドア越しに声をかける。
「・・・・・・・」
返事は無い。
「失礼するよ」
ドアを開けて浴室に入る。湯気の向こうの湯船に、真っ赤な少女がいた。
「のぼせる前に上がる事を覚えてくれよ」
彼女の脇に手をいれ、持ち上げる。
「む・・・」
持ち上げて見えたものは、僕より膨らんでいた。
「こっちも、分からないし」
お尻の少し上から見える、黒い尻尾。
先の方が少し白い。
「もう、いいや疲れた」
僕は彼女に服を着せ、布団に寝かせる。
その頃には顔色も普通になり、彼女はそのまま寝ていた。
「まったく、無防備だな、君は」
何か、その寝顔に惹かれるものを感じながら、彼女の前髪をいじってるうちに、僕は寝てしまった。
ペロッ・・・・・カジカジ・・
「ん・・・・・痛い」
頬のしっとり感の跡に、指さきに刺激。
目を開ければ、
「ぅにゃん♪」
笑顔の猫耳少女。
「おはよう、朝から君は元気だね」
僕は周りを見る、どうやら猫を見てるうちに寝てしまったようだ。
キュー
何か、可愛い音がした。振り返ると、真っ赤な少女。
「あははは、すまない、朝食にしよう、時間としてはランチだけれど」
時計は10時半だった。