ダンジョンで
こんばんは
アリサ先生の顔は『どうせ忘れたよね?』という感じで話し出すんだもん。
だったら、俺の返事は決まっている!
「ハイハイ。知ってる知ってる。」
俺は孤児院を卒業した身なのだ。
何も昔、教えて貰った先生に再び教えて貰うとか要らないだろうに。
「そうですか……実は、代々とグレイン聖王国に受け継がれて来た二本の大聖霊が宿った武器が保管されています。」
俺の返事を聞いたアリサ先生は『また、そんな事を言って』とタメ息混じりで俺の持つ大聖霊が他所の所から来たのでは無いか?と探りを入れて来る。
だから……
「だから……何?」
なんだ?イケナイことか??別に俺、悪いことしてないもん!
「あの、俺達ダンジョンに今いるんですよね?
アリサさんは、孤児院の子供達の為にダンジョン肉を調達しに来たんですよね??」
「アルさんは少し黙ってて!」
先行でカァン!ギィン!と鳴ると、いなしすり抜け背後や横腹を掠め取るアルやコロに対して、俺とアリサ先生は未だに参加してなく、更に後方から援助すらしてくれない事に異変を感じて振り返ると遠くの方で二人が居ることが判明した所。
一体どうしたんだ?!と、心配しながら駆け寄ると『黙れ』とアリサ先生に言われてしまった所からアルは制止し二人の話を聞き始めた。
「大聖霊を宿すという事は、国を揺るがす事が出来ると言われています。
もし、この事がグレイン聖王国に知られたらどうなると思いますか?」
「表彰される。」
「……あとは?」
(凄い!ボスの突っ込みたくなる発言を完全に無視だぁぁ。)
「え!?うーんと。スカウトされる。」
なんだろうか?時が止まった感じがする。
「……。もし……スカウトされるとしたら、どうなるか分かってますか?」
(凄い!ボスの言葉を鵜呑みして、目的であるアソコへと導こうとしている!?
というか、アリサさん凄いニコってるのに!?なんて!怒っているんだぁ。)
「スカウトされたら……アッ!義賊のイベントが出来なくなる!」
嘘の笑顔は何処に!?パァァとアリサ先生から光りがこぼれた感じさえ思えた。
(イベントは置いといて……)
「そんなの知れたら、大好きな義賊家業が出来なくなるのは不幸よね。」
明日もヨロシク