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義賊~暁の林檎  作者: ふ~ん
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総本山

こんばんは。

 ユラユラと動く炎の街中を走り回る俺は、多分格好が良いと思う。けど、街に有るのは今や燃え広がった炎のみとなってしまった。

 だが俺は、脆くなった炎の家を二頭のシロクマ?の様な動物がブチ壊しながら突き進んで言っている。


 二頭のシロクマ?と不思議に思うだろう?この二頭の動物はメヒョウさんが大奮発して出現したんだ。

 その、出現した理由を今振り返ると


「どこもかしこも火が回ってて、目印の場所が全然分からんわぁ。」


 そうなんだ!ボウボウと燃え上がる炎は、その先の目標物が見えなくなるという難点にブチ当たった。

 そんな、俺を救済?してくれたのはメヒョウである。


「私なら!目標地点まで楽々にたどり着きます」


 俺はメヒョウの提案を快く受け入れると、いつもならシャララランと綺麗なメロディーのしらべが流れ始めるのだが聞こえて来たのは鈍い音ばかりだった。

 ガン!ドン!と着地早々と地面を爪でかきむしり自身の存在の有無を確認するかのように、そしてソレが巨大でどれだけの強さを指し表すかの様な荒々しさを物語っていた。


「コラッ!……主様の前です!!不用意に炭屑を撒き散らすな!」


 と言うのは?


「メヒョウ……何?その、ヒョウ柄のドレスは?」


「すいません。何時もの下着で出れば良かったですね。」


 やっぱ下着やったんかい!?というのは心に置いて


「いや、良いさ。

 ところで、何かな?この白の熊は??」


「コレは私を引っ張る只の馬です。」


 馬という戯れ言は、まんざらでも無いようで、シロクマを観察すると手綱や太い紐や鎖などで構成さらており、鎖や紐が後へ続いている所を見るとメヒョウが言っていた通り後方には人が乗る所があった。

 人が乗る所は、二人乗りのみで大昔の戦車と呼ばれた両脇に二輪ある、非常に攻撃性能が強い武器だった。 


「へー。馬……かぁ。

 馬は早いのか?」


「普通の馬の二十倍は大きく成ると言われているので早いでしょう。」


 そんな、少し自慢話を聞きながら『ドシャ!ゴバァ!』とさっきまで住んでいたであろう街を、二匹の得たいの知れない熊が突き進むといった奇想天外な事が起きることに。


 時は少し遡り……


「フハハハ!アハハ!コレで俺は神となるのだ!……お前ら分かったいるな?」


「了解です!サポートは任せて下さい。」


「……オウ……任せた。」


 ライル副司祭の周りには、七人のサポート役の人間が囲んでいた。それはまるで、メビウスの看板そのもの!

 七人は叫び出したかと思えば、光出した!?


「そこだ!!」


 影より飛び出したのはコロだった。

 誰よりもいち早くたどり着いた場所は、教会の総本山の地下。

 ソコは、山の地下であり教会よりも下の下……コロがよく知る場所。


 そして……


「ぶわぁかですねぇ。今は、私が神に成る準備をしているのですよ?……と言うことは、神の次が私であるからこそ!そんな攻撃は効果無いのですよ。ホホホ。」


 暗闇から降りて、ライルの脳天を一突きとしようとしたコロは、触れた瞬間に胸板を十字に切られた。

 上から降りて来たコロは、ジメジメした光の無い地面へと言葉を発せぬまま崩れ落ちる。


「さあ!アナタ達の生命を私の体へ飛ばしなさい!

 ……そして、一つと成るのです!全ては私に集まり私で終わるメビウスの様に!!」


 んばぁ!と両手を広げ、サポート役の人達を何時でも受け入れ体制が完備なのは見ても分かる様に、かなりのエンターテイナーであり命を投げ出す彼らをノらすプロと言えよう。

 ソレほどに、なんの迷いも無く彼等は声を大きく発して光の玉へとなる。


「安心してください!私へ集約した魂は、一人に一つ大聖霊が憑依します。

 ですから、アナタ達も紛れも無い神になるのです!さあ!!私と一緒に成りましょう。


 そう!アナタ達は伝説級の武器と成るのです!私の、専用の最高の武器に成るのです。」


 響く地下の空間に、歓喜極まる笑い声が鳴り響いているとパラパラと小石が落ちて……?


「ふん!誰かは分かりませんが、私の城で暴れるとは……まあ、もう少しで、城とかの範囲じゃ無くって国・果ては全世界を手に入れるから、もう城とかどうでも良いか。

 ああ、これからの趣味を探すのは大変そうだわぁ。とりあえずは、ショボイ街は早々に消えてもらって大きな国を時間をかけて壊しましょうか。」


 もう、ライルの周りに七つの色の大聖霊が集まり彼の中にある、サポート役の命へと憑依していく。


「ハハハハ!……自分の意識で歩ける!考えれるぞ!?成功だ。」


 一人が右手の中へ・一人が左手の中へ・一人が右足の中へ・一人が左足の中へ・一人が腹の中へ・一人が心臓の中へ・一人が頭の中へと行き、一人ずつに大聖霊が武器と同様に憑依と言う名の誓約が行われた。


「ハハハ炎が熱くも無い!左手は?成る程!碧の力か……。」


 右手に掌サイズの炎を出したり、左手にはとても大きな氷を出現させて作り出して、各魂に憑依した大聖霊の存在を確める。

 体を動かし、自身の殻だの部位を目を輝かせて眺めていると再び天井から小石がパラパラと降って来た。

明日もよろしくです!

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