野郎共!
こんばんは
「よし!」
プリントされて何回目だろうか?メヒョウに氷の鏡を設置して貰って、自分の盗賊の烙印と義賊の職陣が重なった模様を見て凛と立って眺める。
眺めた後は、いつもと同じで笑いが込み上げてくる。
「アッハハハハ。アーッハハハハ!」
この笑いは声高らかにという感じで、もっと詳しく説明すると音楽用語のクレッシェンドである。
「着きましたよぉ……えぇ!?」
徐々に大きくなる俺の声に釣られて、馬車を運転していた奴がノックもせずにペラリンとめくって来よった。
臼布で覆われているからノックは無理なのだが、それでも『入りますよ』とかの声かけは必要だろう。
「驚かしてすまない。いや、何!……これは夢が叶って大きく笑っていただけだよ。」
アハハと笑う俺に対して『あ、はぁ。』と全然相槌をしない店員さん。
店員さんと言うのは、馬車の持ち主さんのことである。
「あの……ズボン履いて下さい。
それと、乗客数が増えたのですね。それならば、料金を増やして……」
「大丈夫です!コイツ等は宙に浮いていますので、史実馬車には乗ってませんから。」
「さぁ!これから巡礼開始ですよ坊。」
ハハハンと半笑いな俺とは違い、アリサ先生は『ハイハイ、こっち来てねぇ』と半ば強引に俺を引いて行く。
この総本山というだけあって、グレートグリートというのは大きな山では無く、どちらかと言うと小さい山の上に、とてつもなく大きな城と周りに街が存在していた。
俺達が着いた所は、グレートグリートの隣街とは言え街の何処から見ても総本山グレートグリートが見えていた。
「あれが、山の様に険しく鋭く誰にも寄せ付けない剣に例えられた総本山の所以なのです。
因みにグレートグリートというのは、初代の名がグリートという名前で、グレート山に城を築いたのが始まりです。」
コロが聞いてもないのに、スラスラと話出した
「なぁ?想像以上に、とてつもなく大きくてヤバく無い?」
別に怖じけ着いたんじゃねぇぞ!
「ええ。ヤバいのは、最初から知ってるわ。」
「いや!大き過ぎるだろ!?もうちょっと、俺に考えさせる猶予くらい有っても良かったんじゃ無いのか!?」
『何?帰るの??』というルルに言われたしぃ
「フッ。的がでかくて、好都合じゃねぇか!
だよな!?野郎共!!」
俺としたことが……大舞台なのに、ソレを逃すなんて行為はヤッテはいけない事だ!というか、数がナンボや!こっちは質で勝負やで!!
という意気込みを言い聞かせたんだけども、意外にも、返事は無かった。
明日もよろしく




