喉が
こんにちは
目的地には着いたが……さて、どうするか?
実は『小金ホタル』というのは、綺麗な水に生息して小銭に化けて日々の日常を過ごしている。
どうでも良い話になるけど、小金ホタルはちょっとやそっとじゃあマジもんの小銭とは見分けがつきにくい為、この生き物は国々へ持ち渡り歩いて裕福の人間層が願い事をする時に、やっと噴水などの綺麗な水辺に戻る……という生活だ。
というのを、屋根の上でアル達に説明する。
「ボスのお蔭でかなり時間は経過しましたが、未だ見張りがウジャウジャいますね。」
「だな。どうするか。」
ため息を着いた俺は、少し喉が乾いていたのもあって、隣にいたムニの手を取り口へ持って行く。
「あ、チューチューチュー……」
この動作!この心意気!を見て皆も思ったろう。
「ボス!本当にムニの手から、美味しい水が出ていたんですね。
私も吸って良いでしょうか?」
俺は『うん。良いよ』と言うつもりだったのだが、俺の『う』位でアルは行動に出ていた。
「頂きまーぁ?あー!……ジュポン。」
第二回【アル飛ばされる】事件が勃発である。
このジュポン、結構良い感じの巻き込まれ引き込まれ、やがて吸い込まれる穴から『ジュゴゴッゴ!』と良い音を出して吸い込まれた。
「あー。また、どっか行ったのか。
ムニ、どこ行ったの?」
「ボス様が行き詰まっていたもので、捨てゴマをあの屋敷の水場……つまり台所の移動へ飛ばしました。」
このムニのお蔭で良いことを思い付いたのは言うまでもない。
直ちに俺達も目的の建物の台所へ
「さあ!ジュポン行こうか。」
「いえ。アレは捨てゴマ専用対策なので。
それに、溺れる可能性が有りますので……普通に行きましょう。」
普通?何が普通で何が捨てゴマ用の判別は判明しないまま、水の幕が俺達の周りを包み込むと一瞬にして景色が変わった。
「ここは、台所だな?よし!俺に続けぇ!」
突然の建物内に瞬間移動は特に驚かず、シュバババ!とシンク台に身を潜めた。
「坊、私達はそんな動き出来ないから。」
「何を言ってる!先輩コロが余裕でやっているじゃないか!
ホラッ!コロの動きや様子を見て真似てみるんだな。」
コロは俺の動きに合わせるような動きで、影から影へと移動する。それは、天井から天井へ壁から壁へと移動し、まさに奇想天外な動きを見せてくれる。
「……その動き。コロの職陣はアサシンとか?」
先生の質問にはコロは何も返事をしないのだが、自慢したい奴ならいる。
仲間の自慢!仲間の知ってる得意な事を言いふらしたい親分がソコにいた。
「アサシン?なんだそりゃ??コロはなぁ!最も義賊に近い奴なんだぜ。
まあ、技に一撃必殺の技!『闇舞踊』とか言う、暗闇の中で踊るらしい。
どんな趣味なんだ?と思うかもしれんが、ソコは突っ込まんでくれないかな。
……一応、気にしていたからな。」
ほぼ、コロの情報を伝えた後、何処かコロがよそよそしい雰囲気だ。
「所で、アルは?どこ??」
野暮な事を聞くなよ。
「アルはな!アルは、先に旅立ったんだよ……そう!アルが体を呈して先に侵入に調べているのさ。……そうだろムニ!?」
「はい。
アレは、地下の大空間の水場に落としました。
ボス様には、色々と情報を提供してくれるでしょうね。」
初めての情報【地下に大空間の水場】とか、そんな大事な情報をサラッと言うもんじゃ無いんじゃないのかな?
まあ、いいか。先が知れていれば余裕だしね。
本日もヨロシク




