恋って大変だ
こんばんは
先生は俺の声を無視するかのように、食事に集中している。
そんな先生は、見たことのがあるしどうって事は無い。何故なら、俺が駄々こねた時は大体無視がある。
つまりこれは、先生が駄々ッ子というわけだ。
同じことで同じ所にいるなんて、まっぴらゴメンだね!
「先生の短くって分かりやすい話は分かったけどさ。なんで皆、事件の内容を聖霊に話さないの?……聖霊は人間より昔からいた存在で頭良いんだろ?だったら聞くべきじゃね?」
皆『あ。ソレ!ありだね』と革命的な発想にかなり驚いていた。
なので、『おーい』という簡易的な呼び声で、未だ事件が起きてない碧の女を出現させた。
「あ、えーと……なんか聖霊に話かけるとか恥ずかしいなコレ。」
俺は心と心で通じ会う事をし続けて来たお蔭で、目の前の見慣れたヒンヤリ女と初の話し合いに発展していくのか!?とドキドキしっぱなしである。
(落ち着け!落ち着くんだ!!)
「あのっ!……心の中の音量はどれくらいか知らないからっ!……そのっ!ちょっと屈んで!」
俺の発する言葉が届いたようで、スッと地べたに座り込んだ。
音量云々で迷う位なら、いっそのこと!自分が同音量で相手に届きさえすれば問題無いと考え着いたわけだ!……だから、耳に口を近付けてソッと話し出す。
「えーと。えー……」
(はっきりしろって!要は、今回の事件性と何故魔物が襲って来ているのか?
なぜ俺は、こんなにもドキドキしている?)
ヒンヤリ女の冷たい気がユラリと立ち上ぼる冷気は、ドキドキと熱く激しく成っている俺はなんというか
(緊張する!というか、先生にあの挨拶をしてからこのドキドキが止まらないじゃないか。)
我慢が出来ず、先生を注視する!
「先生!黙ったままで良いから、俺がこんなにもドキドキするのなんか初めてだい!それもこれも先生に何気無い挨拶をしてからだよ!
どうするのコレ!?」
俺の大声が届いたのか?それとも晩飯が終わったのか?……俺が発現したあとは、食べる手を止めて動きを見せていない。
だがしかし!『ゴメンなさい』とスクッと立ち上がり俺の目を見てきた!?
「覚えてないと思うけど……私は昔、冒険者七人に絡まれたことがあったの。当時の私は、天才と言われて向かう所敵なし!と思っていたわ。
現に冒険者七人は、あっという間に撃退したんだけど……あくる日、再び冒険者七人と出会ってね不覚を取ってしまったの。
何て言うか、七人じゃ無くて最後の一人がいたのね。それは、つまり殺し屋だった。
あと一撃!そう……あと一撃で私の人生は終わったかもしれなかった時、私は女の子の様な悲鳴と助けを呼んだの。
今でも覚えている。顔を大きな葉で覆った、私より小さな……そして馴染みのある声で『まちな!そいつは大事なお嬢さんなんだ!テメェ等には勿体ねぇ!!』って降臨したのよ。
フッと笑う彼は格好良く、私の目の前に立つのは運命の人とか思っちゃった。
でも、殺し屋の一撃を回避したのはまぐれだった。だって彼は私より小さな男の子だったし、腹に一撃食らった彼は後ろに飛んで私の置かれている状況がハッキリと分かった時!力がみなぎったのを確信した!
私は彼を【坊を!】守る!!って。
……それから、坊に何かしようとしてきたけど、私を守った時だって勝手に教会から抜け出したのは明白な訳だし、かといって抜け出した坊が一撃のせいで『ご飯いらない』とか言う姿見てらんない。」
もう、アリサ・デリンジャラは大粒の涙を流していた。
「はぁ。分かった。
俺に返しきれない恩が有るのは理解した!そして、先生は俺の事が好きってのも理解した。
なぁんだ、そんな事ならアルとコロが俺に付き従う理由と一緒だな!……ハハハ。
さあ!皆で義賊恒例のハグをしようか!!」
「いや、アルはエロいから遠慮しとく。」
コレにはエリザベレスも賛成していた。
「コイ!アル!!コイ!コロ!!……」
俺達は抱き合う。
こんな仲の良い奴等は、早々居ないぜ!だが何故だろう?女の雰囲気が居ないのは少々寂しい。
「……コイ!ヒンヤリ女!!」
なんて一石二鳥な事だろうか。声をかけて理解すれば来るし、その後の心の通信だって出来る!俺って頭良い!
(なんだけど……今さっきから、この頭に響いて来るのはなんだろうか?これは一度、響いて来る内容を張本人に聞くべきだろうな。)
「なぁ?アル。」
「何ですかボスぅ?」
「お前、こいつの胸やら腰やら色々触ってる?」
「!……いや、だってハグしてますもん!!そりゃあ触れますよ。絶対!!」
「そうか。信用する。……しかし!骨爺出ろ。」
「なんすか?骨爺なんか出して……??」
アルにハグをしながら骨爺の能力の一旦を説明する。
【骨爺の能力】
基本的に、相手の能力を下げるのが一般的だけど骨爺の武器の一つに大鎌が存在したのは知ってるであろう。
その大鎌は、人間や言葉を発したり心で嘘を着いたりすると自動で刈るという能力がある。
「……なぁに、死にはしないよ。一応、骨爺にはアルが心にイケナイ事と知りながらヤってしまうと発動することになってるから。
これから戦う身だからな!身体や明日の戦闘には響かないように伝えてあるからな。」
俺が忠告と説明をしている時だった。
フォン!と大鎌が降られ
「ああぁ!!切れ痔に亀裂がぁぁ!!
……ボス、信じて下さい!男の手は分厚く硬いのです。なので、日々柔らかい所を行きたがるのですよ。
すいません!俺の手を許してやって下さい!」
「すまん!俺はアルのようなゴツゴツした手じゃ無いから分からん!が、しかし!信じよう。」
アルが横たわる姿を先生とエリザなんちゃらは、そこら辺のゴミを漁るカラスを見るかのように死んだ目で見ていた。
明日もヨロシク